♂♀絶対消滅魔法
ミューは考えた。
ここは性格を考えたらモルドフさんから話してもらう方が良いスタートが切れると。
あの話を聞きたくてたまらないと言わんばかりの落ち着きのなさ・・・。
後回しにしたら我慢できず話の途中に割って入って来そうだ。
「では、この場所を提供して頂いていることもあるので、モルドフさんからお願いします」
モルドフは喜び立ち上がった。
「さすがエルフ、事の順序をよく分かっとる」
トップを飾ることが出来たモルドフは満足気な顔をしている。
一希、クラリアスはミューの意図が理解出来たので特に異論を挟むことは無かった。
「えー、まずは率直に伺いたいのじゃが・・・一希殿はこの世界で何をしようとしている?」
これ以上にない超ど真ん中のストレートな質問だ。
相手に引き出しを撰ばせる最高の選択だ。
「そうですね"目的"があって"自分の意思"でこの世界へ来た訳ではありませんので何かをしようと言うのはありません。いや、無いこともないんですが・・・」
「ほぅ・・・ないことも無いのか」
「そうですね。物凄く私的な事になりますが"元いた世界"で1番大切な人だった"みゆ"と結婚する事です」
「案外普通じゃの。すぐに果たせるんじゃないのかな?」
「それがそうでもなくて、みゆは魔族に転生させられて・・・」
と言った瞬間クラリアスがテーブルを叩き立ち上がった。
「転生させられてとは聞き捨てならん!」
突然大きな声で立ち上がるので、皆驚き静まり返った。
「あ、いや、失礼した」
冷静なクラリアスが珍しく興奮していた。
この時クラリアスが"聞き捨てならん"と言った言葉は個々に解釈が違っていた。
一希はこっちの意志と関係なしに無理やり転生に巻き込まれた被害者的感情。
クラリアスは本来の姿に戻しただけだと言う正当な思い。
モルドフは魔族なんて滅んで、いるわけが無いのにと言う疑念。
ミューは魔族が何かを企んで行った転生に対しての謎。
レーティアは魔族と言う立場と取り巻く環境と一希に対する感情の板挟み状態の現状。
「その"魔族"と言うのは先の戦いで滅んだはずじゃが・・・生き残っておると?」
少し間を置き一希が口を開いた。
「・・・はい」
「ば、馬鹿なことを言うんじゃない!」
クラリアスが大きな声で反論した。
「クラリアスさん・・・」
一希は"今更隠しても仕方がないですよ"と言わんばかりの目でクラリアスを見た。
一希の目に込められた意図が伝わったクラリアスは着座し口を閉じた。
その流れに乗るかのようにレーティアが手を挙げた。
「お嬢ちゃんどうした?」
「その・・・私が・・・魔族に転生した"みゆ"なんです」
「姫!」
クラリアスが思わず叫んだ。
モルドフは1人頷いていた。
「・・・なるほどクラリアス殿から感じた違和感はそういう訳か。まさか魔族だとは予想だにせんかったがの・・・」
クラリアスはため息をついた。
「と言う事はワシだけ仲間はずれじゃったのか!悔しいのぉ!」
モルドフの意外な反応に皆肩透かしをくらった。
一希は思わず「怒らないんですか?」と尋ねた。
モルドフは真面目な目付きで言った。
「魔族は滅んだはずなのに、実は生き残っていた。復讐するつもりならもっと賢く水面下で陰湿にやるじゃろ。何かが変わろうとしとるんじゃないのか?クラリアス殿」
クラリアスは王とレーティアの板挟みにある今の状況を見透かされ妙な苛立ちを覚えていた。
話が変な方向へ向かっているのに気づいたミューは話の方向を修正する。
「私は一希がこの世界へ召喚されて来た時からそばにいるので、事の全てを見てきているのですが、一希さんの目的は魔族になったみゆさん、つまりはこのレーティアさんと結婚する事なんですよ」
「なんじゃ、そんな事なら今すぐ結婚すれば良いじゃろ?」
「それがそんなに簡単では無いのですよ。神様の泉の話しましたよね?あれが絡んでるんですよ」
なんだか話がややこしくなってきた事でモルドフはモヤモヤしている。
「では、あのエルヴァニウムは」
と言いかけた瞬間ミューは人差し指を立てモルドフの顔の前に出し、強い口調で言った。
「話は1人1つづつです!その話は次の番にお願いします!」
「そ、そうか、それは失礼した」
モルドフはその強い口調に気圧された。
何となく流れでクラリアスが喋る。
「神様の泉とやらで約束された2人は来世でも魔族と人間のままなんだろうか・・・」
・・・・・・。
「どうでしょうか・・・。こういうパターンには前例がないでしょうからなんとも・・・」
「そもそも魔族と人間とでは寿命も違うだろうし」
「むむむ・・・」
一希も言葉が出ず、ただ唸るだけだった。
そんな時レーティアが口を開いた。
「先のことはともかく誓約を果たさないと制約が働くというのは間違いないんですよね?」
「みゆに聞いた話だとそうらしい」
・・・・・・。
・・・・・・。
皆口を閉じ沈黙が続いた。
少し間を置き口を開いたのはクラリアスだった。
「神の泉での誓約は果たさなければならないものなのか?魔族と人間、相容れれないもの同士なら会えなくても問題ないのではないか?」
クラリアスの一言は意味深く、事の核心を突いたものだった。
「それって俺の気持ち無視した意見ですよね?」
一希がすかさず反論する。
「なら貴様はやっとの思いで復活させた姫を魔族の元から連れ去るつもり・・・というわけか?」
クラリアスも反撃する。
その場の温度は一瞬で沸点に到達した。
「俺がいつレーティアを魔族の元から引き離すって言いました?」
「それはお前が魔族の元へ来ると言う意味か?」
「いや、なんでそんなに極端な考え方しか出来ないんだよ!魔族と人間が共存するっていう選択肢は思いつかないのか?」
「思いつかないのでは無く、そんな事は不可能だ!」
「不可能なのか!?」
「不可能だ!」
「今こうして魔族のクラリアスさんとレーティア、人間の俺、ドワーフのモルドフさん、エルフのミューが同じ空間で1つのテーブルを囲い、向かい合って仲良く・・・はないかもしれないけど上下の関係もなく横並びに話をしていると言う現実がある。もう一度聞くぞ!本当に『不可能』と言えるのか?」
「それは私が姫の想いに付き従っているからにすぎん。私個人としては人間などと口を聞く通りはない。事の経緯はともあれ人間に恨みこそ持てど共存の意志を持つものはおらん。姫だけが特別なのだ。故に不可能だと繰り返し言っておこう」
その場の空気は一触即発、破裂を待つ風船のような状態だった。
「なら、来るべき時が来た時、魔族の意志とレーティアどっちを取るんだよ!」
一希がそう問いかけた瞬間辺りの空気が一瞬で凍りついた。
「貴様に私の気持ちが理解できるものか!そもそも、貴様がいなければ、姫が人間如きに感情を持つことは無かったのだ!」
レーティアはクラリアスを見て凍りついた。
今、目の前にいるクラリアスは、今までレーティアが見てきたクラリアスとは全く別人だった。
言葉で表現出来ないほどの憎悪と殺意に包まれていた。
さすがの一希もその殺意に反応し思わず後ずさりした。
モルドフも言葉を失い固まっていた。
「そこまでです!」
ミューが大きな声で叫んだ。
その声を聞いた一希は立っているのが辛く両膝を床につきへたり込んでいた。
「い、今のは何・・・?」
頭が痛い・・・ネジ来れそうだ・・・。
一希は何が起きたのか全く分からないでいる。
ただ、目の前のクラリアスが平然と立っている事に格の違いを感じていた。
「マインドブレイクとはまた無粋な事をするものだな」
ミューの声でクラリアスは落ち着き冷静さを取り戻した。
「クラリアスさん、今一希さんを本当に殺そうとしてたでしょう」
「・・・さあな。ただ、今は魔族の専売特許であるマインドブレイクをなぜ貴様が使えるのかが気になるがな」
フフッ。
ミューは何も答えず不敵な笑みを浮かべていた。
モルドフの頭にも影響が出ていたようで頭を抱えていた。
「おいおい、エルフの、今のは一体何事じゃい?ワシの方まで頭がピリピリするわい」
「申し訳ありません。どうしてもクラリアスさんを止める必要があったので少々手荒な方法でしたが使わせてもらいました」
「全く勘弁願いたいわい」
そう言いながら大きなため息をついた。
「申し訳ありません。流れを止めてしまいましたので、少し休憩しましょう」
ミューがそう言うと、モルドフが合わせたように何やら合図をする。
コンコン・・・
しばらくすると誰かがドアをノックした。
「入れ入れ」
モルドフが返事した。
「失礼します」
その声とともにギルド関係者と思われる女性が何かを運んできた。
!!!!
その小さな形ながら手の込んだ造形、色鮮やかなのに派手過ぎない上品な風合い。
そうそれは和菓子だ。
目の前に運ばれて来たものは和菓とお茶だった。
一希は懐かしさに少し笑顔が溢れた。
レーティアも顔には出さなかったが、自分でも気づかない記憶の奥底にある懐かしさのようなものが心が弾ませていた。
「これは今このドワーフの村で流行りのお菓子でな、客人に出すもてなし用のお菓子なんじゃよ」
その美しい姿は張り詰めたその場の空気を一瞬で払拭してくれた。
皆、その容姿に感動と感心に満ち溢れていた。
「ささ、頂きましょうぞ」
モルドフもこれが好きなんだろうか、まるでおやつを食べる子供用ように見えた。
お菓子など食べそうな無いクラリアスも、手元の菓子楊枝で和菓子を切り上品に口元へ運んでいた。
「そういえばレーティアさんはなんの話しを聞きたくてこの集まりに参加したんですか?」
「聞きたいことがあってと言うよりは、何となくの流れで参加したと言うのか・・・」
レーティアは苦笑いしていた。
「あっ!でも、折角なんでウラクムモロスの事聞きたいです。村長に討伐依頼されてるもので」
ミューは複雑な表情で答えた。
「私は断った方が良いと思いますよ。そもそも討伐しようと考える方がどうかしてます」
「そんなに強いんですか?」
「まぁ、伝説の・・・とか、神の・・・とか言う類の生物ですからね。ここ百年あまり討伐しようなんて行動起こした者はいませんよ」
レーティアの表情が曇った。
「こんな事を言うのもどうかと思うのですが、ウラクムモロスが人間を食うと言ってもそれは生存のための糧として食してるわけで、侵略、愉悦で殺してるわけではありませんので、弱肉強食の理の一環だと思います。私達も獣や魚などを捕食してる訳ですから・・・」
レーティアは何とかレイナスの力になれたらと思っていたのだが、今思い返すとレイナスも無理だと村長に言っていたのを思い出した。
意外にもクラリアスが首を突っ込んできた。
「姫、経緯は分かりませんがウラクムモロスの討伐依頼など受ける必要はありませんよ。ましてや人間の頼みなど・・・。それに魔族から見てもやつの強さは脅威です。それに脆弱な人間と違って魔族が食われたなんて事はありませんので戦う意味も理由もないんですよ」
「確かに、ドワーフ族にもウラクムモロスに食われたなどという話はありゃせんの」
「エルフ界でも聞いた事ありませんね」
・・・・・・。
「人間だけが食われてる?」
一希が言った。
「それだけ弱いって事じゃないのか?」
クラリアスはバカにするように言った。
一希は人間がバカにされている事に不快感を覚えていた。
クラリアスがそれに気づいたようだ。
「弱い人間は黙っ食われていたらいいんじゃないか?」
その一言に一希もさすがに堪忍袋の緒が切れた。
「おい、クラリアス!さっきから聞いてたら一体なんなんだよ!」
「何だもかんだもそのままじゃないか。そもそもウラクムモロスの事は我々魔族と関係ない事。人間の問題だろう」
「確かにそうかもしれないけど、頼まれたのはレーティアだろ!お前にじゃない」
クッ・・・クラリアスは奥歯をかんだ。
「そうかもしれんが、そもそも、お前がいなかったら姫は人間を気にかけるような事はなかったのだ!」
「それは違う!お前たちがレーティアを転生なんてさせなければ俺と出会うこともなかったはずだ」
「グググ・・・口だけは達者なようだな!」
クラリアスの拳は強く握り怒りに振るえていた。
チャキン!
クラリアスは剣を抜いた。
「姫のためと思って我慢してきたがもう我慢ならん。ぶっ殺してやる!」
クソッタレ!
一希も剣を抜いた。
「そんなボロい剣で私を倒せると思ってるのか?」
ミューが止めにはいる。
「待ってください!そんな事をする為に集まったわけじゃないでしょう!」
「うるさい!そもそも、我ら魔族がなぜ人間の話に耳を傾けなければならんのだ!こいつが・・・こいつさえいなければこんなおかしなことにはならなかったはずだ!」
「死ねぇ!」
そう言いながら一希に向かって剣を振り下ろす。
ガイィン!
辺りに鈍い音が鳴り響いた。
そこにはモルドフの大剣がクラリアスの剣を止めていた。
「お主興奮しすぎじゃ。少しは落ち着け」
モルドフは落ち着いた口調で話しかける。
「・・・落ち着け・・・か。そうだな。ここで一希を殺したら姫が悲しんでしまう・・・か」
皆クラリアスが冷静になったとホット、胸をなでおろしていた。
"闇より深き深淵の、闇に刻まれし魔が根源よ・・・"
クラリアスが何やら怪しげな言葉を口にする。
ミューは反射的に魔力を纏い警戒態勢をとった。
「魔力増幅の為の詠唱魔法・・・。クラリアスさん、あなたは一体何をするつもりですか!?」
「なに簡単な事だ。一希を殺しては姫が悲しむので、一希と言う存在そのものを根元から消し去ってやるのさ!誰もその存在に触れることの出来ないようにな!」
!?!?
ミューはクラリアスが何をしようとしているのは分からないが、とても危険で恐ろしいことをしようとしているのは感じ取れた。
"イグゾニアス"
ミューは冷や汗をかいていた。
と言うのも、魔法とは自然界に存在する自然の力を借り、魔力をもって具体化するもの、それ故に魔法の名前にはその素要たる物の名前が付く傾向がある。
"イグゾニアス"聞いたことがない魔法、その上素要が全く含まれない。
これはとても危険な力を持つ無属性魔法だと直感したからだ。
世間では"禁呪"などと呼ばれる程の物に相当すると、そう直感した。
だが、理解したところで、止めるすべもなかった。
その魔法が唱えられた瞬間一希の周りにひかりのサークルが出来、一瞬で目の前から一希が消えた。
「一希!一希!!」
レーティアは大きな声で名前を叫んだ。
「一希さん!一希さーーん!」
ミューも必死で呼びかける。
「クラリアス!あなた一希に一体何をしたんですか!?」
レーティアはクラリアスを両手で掴み揺さぶりながら問いかけた。
「何と言われますと、一希を一希と世の中を繋いでいる"運命の世界"に送っただけですよ」
「運命の世界?」
「ええ、私が勝手にそう呼んでるだけですが」
ミューは初めて耳にするその名前にやや動揺している。
「人間・・・と言うよりこの世に存在し認識できる生き物は全て"運命の神殿"でその存在を" 運命の糸"で繋がれている。今は一希と言う存在がこの世界、この時間と繋がっている事で我らは一希を認識でき目の前に存在しているという訳だ」
そうクラリアスが説明すると、ミューはクラリアスがしようとしている事がなんなのか理解出来た。
「つまり、一希と世界の繋がりを切るために神殿に送ったと言うわけですか?」
「さすがエルフの長、察しがいいな。その運命の糸を切ってしまえば、一希の世の中との繋りは消えてなくなり、その存在事実が消滅する。つまり記憶からも消えてなくなり、奴の残した痕跡すら存在しなくなるのだ」
「なんて恐ろしいことを・・・」
「だが、存在そのものが消える訳では無い。あくまで存在事実だけが消える。何かのきっかけで新たな運命の糸に絡まれば新たな運命の始まり・・・という訳だ。別に死ぬ訳では無い」
クラリアスのあまりの突拍子のない行動にただただ固まるばかりだった。
「かの人間との戦いの敗北の末、自身の存在を消し潜そむことを考えたとき偶然生まれた絶対消滅魔法だ」
「心配するとは無い。ことが済めば皆の記憶から奴に関する記憶は一切消えてなくなるんだ。辛くも悲しくもないさ。出会った事実さえ消えて無かったことになるんだからな」
あまりの恐ろしさに辺りは静まり返っていた。
「では一希の運命の糸を切りに行ってくるとしよう」
そう言うと光のサークルの中に入り運命の世界へ向かった。
クラリアスが消えると同時に光のサークルも消えてなくなった。
口を開いたのはミューだった。
「これは思っている以上に大事ですよ・・・」
いまいちピンと来てないレーティアはミューに質問した。
「私たちの記憶から一希の記憶がなくなってしまうんですか?」
ミューは目を閉じ首を横に振った。
「そんなに安直な問題では無いですよ。一希の記憶ではなく"関わり"がなくなってしまうんです。つまりレーティアさんの転生元の世界で、みゆさんとして結婚の約束をしていた一希さんとの出会いそのものが無かったことになるわけです」
!!!
レーティアは驚いた反面、具体的にどうなるのかが分からず戸惑っている。
・・・・・・。
ミューの表情がやや険しくなった。
「だけどこれはある意味ありな状況なのかもしれませんよ」
???
2人は意味がわからなかった。
「みゆさんと一希さんが出会わないという事は神様の泉にも行かないという事なので、誓約に縛られることも無くなる訳ですから・・・」
それを聞いたレーティアは胸の奥が締め付けられるような感じがした。
「あ、あの、よく分からないんですが、それはダメだと思います」
「どういうことですか?」
「ごめんなさい、よく分からないんですが胸の奥から"それだけはやっちゃダメ"という想いが込み上げてくるというか、自分の中の何かが訴えかけてるような気がするんです」
「確かに想い人との過去を失うのは・・・」
「いや、そうじゃないんです!何か・・・こう・・・もっともっと大変な事になるような気がするんです」
「大変な事・・・?」
「た、例えばですけど、一希と私、その、みゆとが神様の泉の力で再会した2人だったら・・・そのまた昔でも神様の泉で誓い合った2人だったとしたら・・・」
・・・・・・。
「確かにそうだとしたらこの上ない大惨事になりかねないですね・・・。下手すると歴史が変わる自体にも・・・」
「かー、じれったいのぉ!つまり何をどうすれば良いんじゃ?」
モルドフは難しい話に頭がついてこなくなっているのか苛立ちが滲み出ていた。
「・・・・・・えーっと・・・」
博識高いミューにもどうして良いのか分からない様子。
「・・・これって、どうしようもないですよね・・・。運命の世界という所に行ってクラリアスを止めるしかないですし、かと言って行く方法もないですよね・・・」
「そうですね。私もそのような場所が存在する事さえ知りませんでしたし、ましてやクラリアスさんの独自魔法となれば他人が使う事は極めて難しいと思いますし・・・」
「あれか、運命の世界とやらで一希殿がクラリアスから自分の運命の糸を守る他無いと言うわけか」
「・・・現状そういう事になりますね」
「もどかしいのぉ、ワシらはなんも出来ず指をくわえて見ておるしかないのか・・・」
3人は突然の事にどうして良いかも分からず困惑状態のまま時間だけが過ぎていく・・・。
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