第95話 お勉強

「一学期の試験、何位だった? 私は7位」


「俺っすか。2位っすね」


「へいへいへい。いつの間にお勉強してるの? 私今回2つも順位落としたんだけど」


「いつって。いつも通りですけど」


「いっつも私と放課後遊んでるじゃん!」


「逆に聞きますけど放課後しか勉強しないんすか? 授業聞いててもう覚えたって事いっぱいあるでしょ。その時間を他の勉強に当ててるし、俺だって映画見たいって時間をちょこっと削ってますし」


「ンッ――――!!」


「渋い顔しないでください。それはそれで可愛いんすけど、折角の美人が台無しっす」


「ありがと? じゃなくて、なんでキミは勉強できるの?」


「出来る出来ないは人それぞれだし、たまたま成果が順位に表されてるだけっす」


「そういうのいいから。なんで勉強続けられるの? 空き時間使ってでも勉強するの、なんで?」


「んー? 面白いから?」


「理由になってない」


「じゃあ俺も答えられないっす。例えば、そうだなあ。ゲームで例えていいっす? テトリス下手くそなセンパイには例えが難しいかもですけど」


「喧嘩売ってんの? それでいいから、説明はよ」


「クリアできるの、楽しい。スコア伸びるの、楽しい」


「全然意味が――」


「対戦ゲームで、相手を倒すの、楽しい」


「わかんない。わかんないけど、ちょっとだけわかった。勝つことが好きってより、負けないことが好き?」


「おおう。よくわかりましたね。生身で喧嘩したら、身長とか技術とかで一方的だけど、勉強だけはまだお互い対等に勝負できるんですよね。だから、勝ちたい、負けたくない。そんな感じ」


「そんなキミが2位で、上に1人いるんだよね。思う事は?」


「次がんばろ」


「あっさりしすぎじゃない? 打倒1位、自分こそ1位って思う所じゃないの?」


「そりゃ思ってますよ。でもだからって……、すんませんなかった事に」


「いいけど、代わりに『ラプラスの舌絡め』するけど」


「俺の知らないなんかわからんワードやめて?」


「で、言うの? 言わないの?」


「……負けるの、格好悪いし」


「はい、もう『ラプラス』決定。ンッ!」


「ちょ、ンッ!? いやちょっとま、ンンッッ!?」


「んはっ……キミの舌、やわらかい。もっと、もっと欲しい」


「――ンンンッッ!! はあっ! そのこれ以上は」


「これ以上? この先があるのわかってて、お願いするの? いいけど、じゃあ今のはずっと続けるから」


「ってあかんわ!」


「きゃっ、いきなり抱きついて――」


「謝りませんから。でも、誘ったのセンパイだし」


「優しく抱きしめてくれておいて、その、ううん。なんでもない」


「……好きですよ」


「聞こえない。小さすぎて聞こえない」

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