第6話 入会
「春樹おるかー?」
教室で俺と和磨と祐飛の3人で弁当を食べていると八坂さんが教室に来た。
「あれって守屋グループの八坂やん」
「守屋グループの幹部がなんでここに」
と八坂さんが来て教室がざわつき始める。
八坂さんは俺を見つけると手招きする。
「ちょっと行ってくる」と祐飛らに伝えて俺は椅子から立ち上がり八坂さんの方に向かって歩きだす。
「おぉ春樹、守屋さんに会わしたるわ」と俺と八坂さんは2人で廊下を歩く。
俺は守屋さんはどんな人なんだろうと思い、八坂さんに聞いてみた。
「守屋さんってどんな人なんすか?」
うーんと八坂さんは困った顔をしている。
「めっちゃ仲間思いの人やねんけど物忘れ激しくて幹部以外の名前覚えれんのよなまぁええ人や」と説明してくれた。
幹部以外名前覚えとらんって認知症じゃないのか、下の人はかわいそすぎるやろ。
しばらく八坂さんと世間話をしながら歩いていると倉庫にたどり着いた。倉庫の前には5人の不良がいた。その5人は八坂さんが来ると
「お疲れ様です」と頭を下げていた。
「守屋さんおる?」と八坂さんが聞くと5人の中の1人のオールバックの金髪が言う。
「はい!幹部の方と一緒に麻雀をやってます」と八坂に頭を下げたまま伝える。
なんかヤクザみたいやなと俺は内心思った。
金髪は倉庫の扉をノックして
「1年の橋本です。八坂さんが来ました。」と
中に聞こえるような声で伝える。倉庫の中から
「おう。入れ」と声が聞こえてきた。
八坂さんが扉を開けて中に入る。俺も後をついていき中に入る。倉庫の中に入って中を見ると雀荘でありそうな椅子に座り麻雀をしている男が4人いた。
「例の1年連れてきたぞ」と八坂さんが伝える。すると白髪の辮髪でサングラスをかけている男が立ち上がり、俺のところに駆け寄り、
「よく来たな。俺が守屋浩平やよろしくな。お前が八坂が言いよった松原と矢口やった1年か。」と言い俺の顔を見つめる。
「昨日話した通り、こいつ1年なんすけど幹部にして欲しいと俺は思ってるんです」
八坂さんがこう言った。
すると椅子に座っていた男3人が立ち上がり
「何なめたこといいよんや八坂」
「2年で幹部やけんって調子乗っとんかこら」
「1年をグループ幹部にする奴がどこにおるねん」と八坂さんに文句を言う。すると守屋さんが3人のほうを向きサングラスをとり
「お前ら落ち着かんかい。今、俺と八坂が話したよんや」と言った。
3人は蛇に睨まれたカエルのように黙り込んだ。
守屋さんは八坂さんを見て頭を悩ませている。しばらくして守屋さんは
「ウチのグループの1年で強い奴呼べ」と幹部に伝える。幹部の中の1人が
「橋本入れ」と言った。
「失礼します」と言い先ほど八坂さんに話しかけていた金髪か入ってきた。
「橋なんとかお前、こいつと今からタイマンせい。勝った方を幹部にしたる」と守屋さんは言った。
「こいつ倒したら幹部になれるんすか」と橋本は目を輝かして守屋さんに確認する。
「おう。俺は約束は破らん。勝った方が幹部や」と守屋さんは言った。
「恨みはねぇけどお前を倒せば守谷グループの幹部や」と橋本は申し訳なさそうに言った。
「俺、幹部やなくていいですよ普通のメンバーでいいです」と俺は守屋さんに言った。
「おいおい逃げるのかよ」と橋本が俺を煽ってくる。
「逃げるんじゃねぇよ恨みもなんもねぇやつ殴れねぇだけや」と俺は橋本の方向を向いてベロを出しておちょくる。橋本は頭に青筋を浮かべている。
「ぶっ殺したるわこら」と俺の方に橋本が殴りかかってきた。
俺は橋本の拳を躱して右手の拳を橋本の顎に食らわせグラついた橋本の髪を左手で掴み顔に右手で拳を5発打ち込んだ。そして最後に膝蹴りを食らわせて左手を離し、橋本は倒れた。
「こんなもんでいいですか?」と俺は守屋さんに聞く。
「ああ十分だ。八坂の言うとうりやな。側近やなくてうちの幹部として迎えたる。今日からよろしくな」
俺は今日から守屋グループの幹部になった。こうして激動の中学生活が始まった。
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