第4話 青春

授業は退屈だ。担当の教科担任が黒板にチョークで文字や図形を書いてそれをノートに写す。そしてつまらない説明を聞く。俺からしてみればこんなつまらん時間は寝るべきだと思う。祐飛と和磨は爆睡している。俺も寝るか。机にある自分の筆箱を枕にして寝る体勢に入る。結局4限の数学はノートを取るのを忘れて寝てしまった。

昼休み俺は小学校から変わらず、祐飛と和磨と飯を食う。弁当を食べていると和磨が俺に

「春樹ほんまにグループ入らんでいいん?」

と聞いてくる。

「縛られるの好きやないけん。売られた喧嘩は買うけど命令されて人を殴ること俺にはできんけん」と2人に俺は言う。

「まぁいいやん俺らはグループに入る入らん関係ないけん。だってダチやもん」と祐飛がニコニコしながら言う。

「でも困ったことがあったら言うてよ」と俺は言い和磨と祐飛は、

「大丈夫や春樹が思とるほど、俺らヤワやないけん」と祐飛が胸を張る。

俺は思わず笑ってしまう。それに釣られて和磨も祐飛も笑いだす。これが青春かと俺は思った。


放課後、俺は近くにある谷山公園のブランコに腰を下ろして祐飛と和磨を待っている。

遅いなぁ。いつもならすぐくるはずなのにと思いながら俺は待つ。公園にある時計を見る

と4時50分になっている。

あれから20分経っている。もうちょい待つかと鞄に入れていた漫画を取り出し読み始める。

「その漫画面白い?」という声が聞こえたので前を見るとすべての髪を頭上の真ん中に束ねて括っている黒髪の男がいた。

「誰だあんた?」と俺は聞く。

「うーん。通りすがりの中学生。」と黒髪は言う。

この人整った顔しとんな。モデルみたいや。

「ここら物騒やけんな、早めに帰った方がええで」と俺に言う。

「ダチ待ちよるんで」と俺は言う。

あ、と黒髪は思い出したかのように言う。

「もしかして茶髪とヘッドホン首に掛けとる奴?」と俺に聞いてくる。

「せやけど」と俺は返答する

なんでこいつあいつらのこと知っとるんや?

と俺は心の中で思ったが口には出さなかった。

「そいつらならなんか揉めとったぞ」

マジかよやっぱりあいつら急がんとと俺は立ち上がろうとするしかし、黒髪が俺の肩を掴み止める。こいつ、スゲエ力だ。

「行かせないよ」と黒髪は顔に笑みを浮かべている。

「てめぇまさか」と俺は今日八坂さんが言っていたことを思い出した。

「松原グループがお前ら3人を狙っている」

「そのまさかだよ。うちの矢口が世話になったな。」と黒髪がな名前を言う。

こいつが松原グループの頭松原かよ。

「今頃2人ともうちのもんに袋叩きにあっているんじゃないかな」と松原が言う。

てめぇと俺は松原の顔面に殴りかかる。しかし俺の拳は松原の手に飲まれた。

松原は顔面に俺の拳を握ってニヤニヤしている。

松原は拳を俺の腹に打ち込んだ。

「グッハ」

拳を打ち込まれて俺は唾をはき体勢を立て直そうとし右手で拳を松原の顔面に打ち込もうとした瞬間、俺は首に重い一撃を喰らい倒れそうになった。

松原の右足の蹴りが俺の首に直撃したのである。

コイツ強えぇ俺はそう思った。。

「よー倒れんかったな1年のくせに根性お前。広正やっただけはあるな」と松原が言う。

「あんた強えな。本気でやんねぇとこりゃ無理そうだ」

と俺は松原に言い放った。

「何?」と松原は驚いている。

「今まで本気やなかったやと。ふざけるなクソガキが」と松原が殴りかかる。松原の左手を振り払いつかさず俺は右手で松原の顔に拳を打ち込んだ。



ふぅこんなに狙われるのか暇つぶしにはええかもな。取り敢えず祐飛と和磨のところ行こ。地面に落ちている俺の学ランの砂をはたき着るそして公園を出て俺は歩きだす。学校へ行く道を進むこと5分商店街に立っている和磨と祐飛を見つけた。2人の周りには学ランを着た集団が倒れている。

祐飛が俺に気づく。

「春樹、やったたぞ」と祐飛笑みを浮かべている。

「さすがにこの人数はきついはしんど」和磨も息が切れてしんどそうである。

「俺もさっきタイマンやってきた」と俺は2人に打ち明ける。

「マジで?」と祐飛が聞いてくる

俺が松原グループの頭松原を倒したことを2人に言うと和磨と祐飛は

「さすがや春樹や今日は打ち上げしよやラーメン食いに行こ」と上機嫌に和磨が言う。

「金ないぞ俺」と和磨が呆れたように言う。

仕方ない。

「和磨の分俺が出すよ」と俺が和磨に言う。

「春樹、ありがとう」と和磨が真剣な顔でいう。普通の学生じゃ味わえない俺達の青春が始まった。



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