第2話 入学式

俺たち3人は、遅刻した罰で西校舎の一階にある生徒指導室に正座させられている。

「お前ら3人入学式から遅刻するとは、ええ度胸しとるの。八木小学校の先生から話は、聞いとる相当な問題児やなほんま………」

生徒指導の中村先生による説教はかれこれ20分はたっている。

説教とか最悪やん明日から絶対遅刻せんぞと心の中で俺は決めた。2人とも反省しとるやろと俺は和磨をみる両耳にイヤホンを付けて音楽を聞いている祐飛は俺の右隣で爆睡している。

こいつらマジかよ。

立っている中村先生を見ると顔に青筋を浮かべながらトマトのように真っ赤になった顔で

今にもキレそうである。

「こら武田〔和磨〕イヤホン外さんかい!

それと松原〔祐飛〕を起きんかバカタレほんまにお前らはちゃんと反省せんかあと1時間くらい正座さしときたいけどな今日はこの辺にしといたろ」

と中村先生はやっと俺たちを解放してくれた

俺たち3人は体育館に向かうもう入学式は始まっていて終わりかけだった。

「こりゃ入らんでええやつやんそこらでサボりよろや」

「ええなぁそれそうしよ」

と和磨と祐飛は入学式に参加しないようだ。

「おーい春樹行くぞー何してん?」

と祐飛が俺に言う。

マジでサボるのかよ。まぁいっか今日ぐらいサボっても神様は許してくれるやろ。とサボることにした。

「なら雅行こやあそこでダベろや」

と俺は2人に持ちかける。雅とは駄菓子屋のことである。八木小に通っていた時に俺たち3人が溜まり場にしていた場所である。

「おぉええなあそこのペヤング上手いけんなあそれに煙草も売りよる 」

「マジで!じゃ行こや」

と2人もノリノリである。

3人で話しながら歩くこと10分「雅ーミヤビ」と書いてある看板が見えてきた。

「おいおい先約がおるがな」

と和磨が雅を指さす。指の先を見ると学ランを着た10人くらいの集団がいた。ベンチに金髪の男がどっしり座っていた。

祐飛はおかまいなしにベンチの周りにいる集団に話しかける

「俺ら以外にもサボりよるやつおるんやなそこ俺らの特等席なんやどいてくれや」

ベンチに座っている金髪が立ち上がった

でけぇな絶対170はあるやろ。

「俺らが先に座っとーけん。お前ら立って食うとけつーかお前ら1年だろ?」

と祐飛の顔に当たるくらいの距離で話しかけてくる。

つかさず祐飛がメンチを切りながらいう。

「1年じゃそれがどしたんや」

すると金髪の仲間の七三分けの黒髪の男が祐飛に歩み寄り胸ぐらを掴んで言い放った。

「1年ごときが何調子乗っとんこや殺すぞ」

その言葉が聞こえてすぐにバキッと音が聞こえた。それは祐飛がさっきまで胸ぐらを掴んでいた男を殴った音であった。男は祐飛の右腕から放たられた1発の拳によって失神して

いた。

金髪の男が祐飛に歩み寄る。

「お前いい度胸しとるなぁ。俺が誰か分かって仲間に手え出したんやろなぁ?」

つかさず祐飛が言う。

「お前が誰とかどうでもええねん」

「俺はここ八木中の2年で番張っとる矢口広正や楽しませろよ1年坊」

と金髪の男は言う。

こいつが2年で1番強いやつなのかよ。確かにデカいしガタイはいいめら強そうやん。祐飛大丈夫かな。そう祐飛の事を心配していると祐飛が俺の方を見てニヤニヤしている。

まさかアイツ嘘やろ……

「矢口やっけ?悪いなあんたの相手は俺じゃねぇアイツや」

と祐飛が俺に指をさす。

「佐伯春樹。こいつがアンタの相手や」

矢口が笑いながら言う。

「笑わせるなあんなダサボウが俺の相手やとふざけとんかお前やろ」

つかさず祐飛が言う。

「川島春樹名前ぐらい聞いたことあるやろ」

先ほどまで笑っていた矢口の表情が固まる。

矢口の仲間達がコソコソと喋りだす。

「川島春樹ってあの川島春樹かよ」

「あの中坊狩りの川島やん」

「なんで八木中にそれにあの祐飛ってやろう」

矢口が俺の前まで歩み寄りデコとデコが触れる距離で言う。

「お前が去年ここらを騒がした中坊狩りの川島春樹かずいぶんと華奢でシャバ僧みたいやなぁ。」

はぁなんで俺が喧嘩せなアカンねんと心の中で思いながら矢口に言う

「そうや俺が中坊狩りの川島春樹やもう喧嘩せんって決めとったやんけど変更や矢口さんやっけ?タイマンやろや」

矢口は俺の変わりようにびっくりしている。

「上等や。お前ら手ぇ出すなよ」と矢口は仲間に言う。

和磨がヘッドホンを取り俺に言う。

「アイツらやっていい?」

つかさず俺は返事をする

「あぁいいよ」









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