マイキー

第1話 始まり

恋そんなこと考えたことがなかった。

喧嘩に明け暮れていた俺にとって正直どうでも良かった。

アイツに出会うまでは


「ピッピピッピピー」

と部屋中に目覚まし時計が鳴り響く。

「うるせぇなまだ眠たいんだよ」

とイライラしながら時計を止め時間を見ると8時20分を指していた

「8時20分...?今日まだ春休みだっけ?そうかそうか休みだよなよーし寝るか。」

もう一度時計を見ると8時22分月曜日と書いていた。

「遅刻やんけ!やばいやばい早く着替えて学校行かんと入学式そうそう遅刻は、まずいって」すぐさま布団から飛び起き寝巻きを脱ぎ制服に着替える。そして急いで階段をおりていき机の上に置いていたパンを口にくわえ勢いよく玄関の扉を開け走りだす。

「春樹ー弁当忘れとるよー」母さんが大きい声で俺を呼ぶ。

「あ、弁当忘れとった」家まで取りに帰りまた走りだす。

100%遅刻やろこれと思いながら走っていると前に見知った後ろ姿の男2人が呑気に歩いている。

(絶対祐飛と和磨やん)と思いながら声をかける。

「祐飛、和磨!何呑気に歩きよんでや遅刻するって」

祐飛が焦る俺を見ながら笑いながら答える

「おー春樹やん遅刻やか別にええやん3人で歩いていこや、どうせ今更走っても遅刻やて」

「キーンコーンカーンコーン」

と中学校のチャイムがなる。

「あ、ほらな鳴ったやん」

と右の耳にイヤホンを付けて音楽を聞いている和磨が言う。

終わった....初日からやってしもた。せっかく中学が始まったら遅刻せんって心に決めっとったのに...もう歩こ。

今日最悪の日やんせっかく中学入ったら真面目に頑張っていこうと思っとったのに...

まぁ勉強出来たら大丈夫やな

横で和磨と祐飛が俺のことなんかお構い無しに漫画の話で盛り上がっている

すると和磨が俺のカッターシャツを見て

「つーか春樹なんちゅうシャツ着とんダサない」

と和磨が言いながら俺の服を見つめている。

「なんよ?普通のシャツやん」

と俺は、自分のカッターシャツを見つめてみる。あれなんで俺、カッターシャツの下に花火の寝巻き着とんやろか....

「あーやってしもた上の寝巻き脱がずにカッターシャツ着てしもとる」

つかさず祐飛が笑いながら

「あーあ春樹やらかしとるやん。ヤンキーやん」

和磨も「ヤンキー!ヤンキー!」と俺に言ってくる。俺はつかさずこう言い放つ

「お前らの方がヤンキーやろうが!和磨は、髪茶色ぽっい色しとるし耳にイヤホンさして音楽聞きいよるやん!祐飛は、オールバックの髪に口に煙草くわえとるどう見ても2人ともヤンキーじゃ」

まぁ俺も似たようなもんか、気合いれてイメチェンしようと眉毛剃ったらミスってしまって鉛筆より細くなってしまっとるし、しかも薄くなったしはぁ最悪

そもそも初日から遅刻しとるけんもっと最悪まぁとりあえず勉強とか頑張って彼女とかも作って青春謳歌するぞーと心の中で思いながら道路を3人で歩いていく。

それから10分程度で学校に到着した。入学式なので体育館の外で新入生が集まっていた。

「うっさいんじゃボケ!しばき回すぞ!」

「あん?やってみろやカス」

うん?なんか聞こえたかなぁ?前を見るとそこには髪を金色に染めたやつと赤色に染めた男2人が口喧嘩していた。

「あれ?なんか俺が想像しとった中学校と違うんやけど」

俺、間違えて変なところに来てしまったのかそうだよなと思いながら回れ右をして方向転換をしようとする。

「どした春樹?どこ行くねん」

と和磨が俺の肩を手でトントンとする。

「どこって学校やけど?」

と和磨に俺は、言う。

祐飛が呆れたように言う。

「春樹まさかおかしなったん?ここが八木中やろが」

ここが中学校なわけないやろ……思いっきり髪染めたやつおるがなと思いながら祐飛に聞く

「ここが八木中?嘘やろこんな学校なわけないやろ」

「あ、そうや春樹に言うてなかったわ」

と和磨が何か思い出したかのように俺に言う

「八木中な大阪で指折りのヤンキー中学らしいんよ。しかも俺ら八木小のやつもおれば他にも3、4くらいの小学校出身のやつもおって

みんなガラ悪いらしいねん」

と俺に和磨が説明する。

マジかよと心の中で思いながら落ち込んでしまう。祐飛が落ち込んでいる俺に言う

「でも安心せい。みんなヤンキーやないけん

真面目な子もおるけん大丈夫やて」

「そう言う問題やないねん」

小学校の時やらかしたけん。真面目にやるって母さんと約束したのに大丈夫か喧嘩せんかったら真面目生活を頑張るか。















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