嘘から始まった二人の関係は、本物に近付いていく

本作は弱気な少女、若葉の視点で描かれる物語です。
いじめが描写される導入こそ陰鬱ですが、嘘の告白により彼氏となった少年との交流が始まると話が明るい方向に進みます。

主人公カップルの距離が近付く描写がとても丁寧で、嫌われ者のオタクな彼氏くんの実は優しく、強い一面を知る毎に、若葉の暗く凍え切った心も少しずつ解れて熱を帯びていきます。
そして彼氏くんに引っ張られるように、若葉も本来の朗らかさを表に出すようになるのですが、その描写がとても可愛らしくて、劇中の彼氏くん同様に私も魅了されてしまいました。

可憐だけど不器用な少女と見てくれ悪いが素敵な少年、嘘から始まった二人の関係が本物になるのが楽しみですね。