なんという事でしょう

ラッキーに運転を代わって貰った僕は、調子に乗りすぎて前をよく見ていなかった。

そのせいで…


「ごめんなさーい!!」

「だから言っただろヴォレェー!!」


今に至るというわけです。


「謝らなくていいッスよ…あの木材はサイズをミスって始末に困っていたものッスから…」

「それよりも…さっきの運転、とても豪快だったであります!」


木材をめちゃくちゃにして、怒られるかと思ってたけど…二人ともとても優しい人だった。


「そういえば自己紹介まだだったね、僕は暁陽。ヨウって呼ばれてる。」

「おれっちはアメリカビーバーのビーバーっス…で、こっちが…」

「オグロプレーリードッグのプレーリーであります!スナネコ殿とツチノコ殿とはちょっとした知り合いであります!」


ビーバーさんにもプレーリーさん…

やっぱりビーバーって事はダムとか作るのかな?


「耳も尻尾もない…ってことは、ヨウさんもヒトっスか?」

「多分そうだよ!」


やっぱりヒトって珍しいのかな?


「ヨウ殿もさっそくプレーリー式のご挨拶を…」


えっ、なになに?


「「ッ!?!?」」


ビーバーさんとツチノコは何か察したような顔をしているけど…何か知ってるのかな?


「ま…待つッス、ご挨拶ならまた後でもできるッスよ…!!」

「そっ…そうだぞ?」

「えー、なになに?そんなにヤバいものなの?」

「プレーリーは、群れの仲間で口づけをすることで挨拶するヨ。」

「ほあ!?」


ざ…残念だが僕のファーストキス(おそらく)は彼女に譲るわけにはいかない…!!


「ヨウ殿ォ!!ご挨拶をォォォォ!!」

「ご遠慮させていただきまァァァすッ!!」


➖➖➖➖そんで色々あって➖➖➖➖➖

「やっぱり二人の優しさに甘えるわけにはいかない、何か手伝わせてくれないかな?」

「なかなか良い心を持ってるでありますな、ヨウ殿!」

「それなら…『ゆうぐ』ってものを作るのを手伝って欲しいッス!」

「了解!」


遊具も作れるのか…まさに匠って奴の仕業か?(なんだってそれは本当かい)

とにかく、DIYが出来るってすごい…サスガダァ…


「オレたちも手伝おう、止めなかったオレにも責任はあるからな。」

「穴掘りの仕事なら任せてください。」


二人も手伝ってくれるとの事だし、さっそく遊具を作りに行こう。


「で…材料ってどこにあるんだ?さっきコイツがブッ飛ばして湖に落としたものしか見当たらないが…」

「それなら『げんばかんとく』が用意してくれてるはずッス!」

「現場監督?新しい仲間か?」

「そうッスね…最近フレンズ化した子ッス、頭が良くてある程度文字も読めるッスよ。」


また新しいフレンズに会えるのか、楽しみだな!


ーーそして移動するーー


「確かこの辺にー、あっ!居たであります!おーい!」


プレーリーさんが呼んだ先には、メガネをかけたフレンズが立っていた。


「あら、プレーリーさんにビーバーさんですの…資材の準備なら出来てますわよ!」

「ミーア殿、感謝するであります!」

「ミーア…ミーアキャットかな?」

「はい!…あなた達は?」


そして再び自己紹介ターイム。


「ヨウさん、スナネコさん、ツチノコさん…ですわね。よろしくお願いしますの。」

「ミーアキャット、噂通り賢そうですね〜」

「ああ、頼りになりそうだ。」


頼りになる現場監督だよ、ホント…


「そういえば、組み立てには何を使うんだ?」

「組み立てにはこの『くぎ』と『カナヅチ』を使うッス!」

「おお、昔ヒトが木材を繋げる時に使った道具だな…よく見つけたもんだ。」


頼れる監督に便利なものもあることだし、さっそく作業開始ーーッ!!


「スナネコさんとプレーリーさん、そっちの地面を平らにしてもらえますわね?」

「はい、綺麗にしましょうねぇ〜」

「了解であります!!」

「ビーバーさんとツチノコさんは、整えた場所に組み立てた遊具を!」

「わかった。」

「わかったッス!」


すごい…テキパキと指示をしている…


「ヨウさん、遊具の組み立てをお願いできますか?」

「よーし任せて」


そんじゃこの木材を遊具にしちゃいましょうか…

『ドンテンカン!ドンテンカン!ドンテンカン!ドンテンカン!』


「うーん…なかなか上手くつかないな…えいっ!」

『ゴスッ』

『ウア"ア"ァァァァ!?!?(指の痛み)」


僕の迫真の叫び声にビックリしたのか、みんな駆け寄ってきた。


「おい!またなんかやらかしたのか!?」

「あー、指を殴っちゃいましたねー。いたそー。」


相変わらず呑気なスナネコ&ツチノコの中では完全にやらかしキャラと化した僕


「だ…大丈夫…ですの…!?」

「こ…このくらい大丈夫だ!こんな程度の痣…あれ?」



痣ができたとばっかり思っていた場所は、わりかしなんとも無かった。

それに痛みも今はスーッと引いてきている…


「あんま痛くない…?」

「痛み、引いたでありますか?」

「痛かったら休むッスよ…?」

「大丈夫だ、問題ない!…それより、心配かけてごめんね?」


ホント僕ってこんなに心配かけて…相当ダメな奴だったのかな…?


「謝る必要なんかないぞ?」

「フレンズによって得意なことは違うってよく言いますわよ!」

「そうですよー、ヨウのドジなところもなかなかかわいいですよ?」

「「いやそれフォローになっていない(から)(ですわ)」」

「えへ…」


みんなマジで優しい…身にしみるくらいに感動してる…


「よし、もっとみんなの役に立てるよう頑張るよ!暁陽、行きまーす!」

「元気、戻ったみたいですねー」


元気を取り戻した僕は、そのまま夕方まで建築作業をしていた。


➖➖➖➖➖しんりんちほー➖➖➖➖➖

ここは森林地方、ヨウ一行が目指す図書館がある場所。

そして、かじられたリンゴのような建物、その建物が図書館だ。

図書館の庭に降りてきた白色の羽毛のフレンズ、彼女がご存知『はかせ』ことアフリカオオコノハズクである。


「帰ったですよ、助手」

「お帰りなさい博士、わりかし早かったのですね。」


『助手』と呼ばれた茶色の羽毛のフレンズが、ワシミミズクの助手である。


「おや、アイツは居ないのですか?」

「『ロッジの掃除を手伝ってくる』と言ってロッジに行きましたよ。」

「はあ、なかなか忙しい奴なのです。」


そう話しながら、二人は図書館の中へ入っていった。

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

「ン出来たァァァァ!!見たか!僕だってやるときゃやるんだよぉ!!」

「さすがダネ、ヨウ。僕がナビゲーションする前にできちゃったネ。」

「見ていてくれてありがとう、ラッキー。」


完成した、これが僕の…

ジャングルジムかな…これ…?


「お疲れ様ですの!ジャパリまんありますわよ!」

「ヨウ殿もお一つどうぞーであります!」

「よしっ、そんじゃお言葉に甘えて…」


「「いただきまーす!!」」


みんなで仲良くごはん!を食べました。


〜次回へ続く〜

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