戦争と労働と学問
【終戦】
この世に戦争があったのは随分と前の話だ。
ある者は言った。
「もう、戦争なんてコリゴリだ」と
次第に皆も同じことを言ったのだろう。
いや、皆が秘めていた内が太陽とともに明けてきたのだろう。
勝利がもう明けることはないことを思いながら
この世に兵役という概念を打ち消そうと考えた。
戦争とは愚かものがやる概念だと。
消えていった 消えていった 消えていった
でも、現実は消えていない、だから
消えていった 消えていった 消してしまおうと思った。
そんな私の祖父は戦争に参加したことを
名誉だとは思わないだろう。
【恐慌】
この世に恐慌が訪れたのはこれが始まりだった。
ある者は言った。
「もう、経済なんてコリゴリだ」と
次第に皆も同じことを言ったのだろう。
いや、皆が秘めていた内が波とともに流されていったのだろう。
成長の波が流れることはないことを思いながら
この世に労働という概念を打ち消そうと考えた。
経済とは愚かなものが負ける概念だと。
消えていった 消えていった 消えていった
でも、現実は消えていない、だから
消えていった 消えって言った 消えてほしいと望んだ
そんな私は今、労働を行っていることを
誇りだとは思わない。
【学問】
この世にいつか限界が来るだろう。
ある者がおそらく、
「もう、研究なんてコリゴリだ」と
言うだろう、なぁ、そうだろ
皆に秘めていた空気がシャボン玉
限界が来たら誰かの一言によって沈んでしまう。
そして、消えていった 消えていった 消えてほしいと望んだ
そんな私の子孫が当事者であったことを
忘れているだろう。
【消えていった】
消えていく今が忘れていく過去になれば
歴史は幸いに包まれていくだろうか?
今、君が立つピラミッドは過去の愚か者の肉片となる
しかし、私は声を大にして言いたい。
死んでいった愚か者はまともな人間だったろうよ。
だって皆わかっていたことを内に秘めていたのだから
ただ言えることは苦しいことを犯罪として殺してきた。
時代ってそんなもん
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