第6話 (二回目)こいつ……どうやって戦うんだ? という敵キャラの登場シーンを描写してください。2
私は普通の家に生まれた、ごく普通の男だ。
ある日神託が下り、世界を救う旅に出ることになった。必死で訓練し、装備を整え、弱きを助け魔物をくじき、権力者には媚びへつらった。
仕方ないだろう、旅には資金がいるがウチは一般家庭なんだ。最初はスポンサーの名前入り防具を使っていたほどだ。なぜ神は一緒に、埋もれた財宝の場所も示さなかったのだ……。
しかしそんな金欠の旅も、もう終わる。ついに魔王の城を攻略していて、玉座まであと少しまで迫っているのだ。
両側に太い柱と立派な彫刻が並ぶ通路を抜け、金で縁取られたやたら重厚な分厚い扉の前まで来た。成金趣味め、倒したら金目のものを少し頂こう。
かがり火が焚かれているのを横目に、両開きの扉をギイイと開くと、人影が一つだけ見える。ついに中ボスか! 中で待っていた悪魔が姿を現した。
「……あ、あの、あの。こ、ここを守る、リニ……です」
十歳くらいに見える、気弱そうな小悪魔の女の子だ。つぶらな紫の瞳と、揺れるしっぽが、愛らしい。武器のつもりか竹ぼうきを持っていて、既に涙目なんだけど。
この子……倒すのか!? それはムリだ、虐待になるぞ!
戸惑っていると、どこからともなく男の声が室内に響いた。
『ふははは! どうであるかな、選ばれし者よ! その者を倒せまい? そなたが小児性愛者であることは、解っておるわ!』
「ふざけるな! 名誉毀損で訴えるぞ!!」
子供に優しくしているだけだ! 選ばれし者のイメージってものがあるんだよ、そういうのは疑惑だけでヤバいから、やめろっ!!
てか魔王、無駄にいい声してるな。
『ベリアル様、可愛いリニになんてことを! 貴方は悪魔ですか!』
『阿呆! 悪魔どころか、王であるわ!』
どこから見ているのか解らないが、もう一人別の男の声もしてきた。揉めている様子だ。目の前の小悪魔の関係者だろうか?
『リニ~! お兄ちゃんが助けてやるからな!!』
「あの悪魔、君の兄?」
首を振るリニ。
「……王様の家来の、公爵さま」
おい、真性のロリコンはお前の側近だ。
収集がつかなくなるので終わる!
ルシフェル様と逆パターン。相手が弱者で戦えない。他のお題を考えていたのに、これが浮かんでしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます