鎌倉物語
今日は土曜日
仕事は当然お休み
僕はまたも妻に嘘をついた
今日は会社の皆とバーベキュー
場所は湘南方面で詳細は知らない
ついていくだけだから
嘘を脚色し過ぎるとボロが出る
バーベキュー的なイベントに出かけた事はここ数年無く、不自然にも程があるのだが詮索してこない事はわかっていたので、多くを語らずに家を出た
今後、何回どんな嘘をついていくのだろうか?
臭いものに蓋をしても、臭いものは臭いままなのだが・・・
今日は鎌倉デート
なんとなく名所や見るべき場所は調べたが、特に予定も立てずに自由気ままに歩いてみる事にした
ところで、鎌倉デートをすると恋人同士が別れてしまう伝説的なものがあるらしい
理由は諸説あるそうだが、有力なのは弁天様が恋人同士に嫉妬するからだそうな
でも僕と彼女には全然関係ないハナシで、寧ろうまく別れる事ができた方がいいかもしれない
無論、本気でそんな事は願っていないけど
駅のホームで待ち合わせた
いつものように少し早めに着くように家を出たのだが
僕より先に彼女が待っていた
時計を確認すると10分前
僕:おはよう。早いね?
真:うん。多分早く来るだろうと思ったから
僕:・・・
僕より早く待ち合わせに来られた事など皆無なので、凄く新鮮だった
そしてまた1つ好きメーターが上がってしまった
一体どこまで上がるんだろうか・・・
予定していた電車より1本早い電車で僕と彼女は鎌倉へ向かった
銭洗い弁天でお金を洗い
小町通りを歩きながら飲み食いして
鶴が丘八幡宮でお参り
そこでおみくじを引いたのだが
なんと二人とも違う番号にも関わらず
凶と凶
はい?
なんだそりゃ?
僕は神も弁天様も信じる方では無いのだが・・・
二人とも引きつった顔で
僕:これはこれで凄い事だよね
真:そうよね・・・凶って珍しいらしいし
僕:はじめて凶とか引いたよ
真:わたしも・・・
僕:もしかして本当に神様っているのかな?
真:そうとしか思えないよね
僕:もし神様が僕の道を塞ぐなら・・・
真:どうするの?
僕:その神様をなぎ倒して進む!
真:はははははwwwwww
僕:かっこいいでしょ?
真:どうかなー?
本当に神様がいるなら、確実に寿命3年とか取られてる気がする
でも、充分インパクトのある仕打ちなので、決して忘れない思い出になるだろう
そういう意味で、神様サンキューです
その後
長谷寺の絶景を満喫し
稲村ケ崎で夕日と富士山と江の島の並んだ写真を撮り
遅い昼食を挟んで帰路についた
帰りの車内で江ノ電パンフを見ながら
真:この藤沢の施設は何?
僕:多分ホテルじゃないかな?
真:そうなんだ
真:江の島から離れてるのに割引あるからって泊まる人いるのかな?
僕:それはいるでしょ
僕:男は常に泊まるチャンスを狙ってるから
真:そうなの?
僕:そうだよ
僕:これから泊まる?
真:今日は無理
僕:今日は?
真:女は簡単に泊まれないの、準備とかいろいろあるの
真:それに今日は娘と夜ご飯食べる約束あるし
真:平日ならゆっくりできたのにね
僕:平日の方が都合いいの?
真:それはそうでしょ
真:外出する言い訳考えなくていいし
彼女も僕同様に嘘をついて出て来てくれていた
普通に考えてそうなんだろうけど
僕:なら、平日の休日を1日僕にくれる?
真:いいよ
僕:その日は何してもいい
真:え?
真:怖いけどいいよ
僕:本当に?
僕:ここで遠慮とか絶対しないけどいいの?
真:大丈夫
僕:・・・いいんだ・・・
真:ふふふwww
本当にか眞紀?
大丈夫か眞紀?
話しの流れから、どう判断しても
平日のお休みに
ワタシヲアナタノスキニシテイイヨ
と、しかとれないけど
三渓園ではキスも拒んだ眞紀
でも、その後も変わらず逢っていたけど
何が眞紀を変えたの?
僕に加点でもあったの?
まさか、からかってるだけ?
そんな女じゃなかったよね?
大丈夫か眞紀?
本当に大丈夫か眞紀?
大丈夫かオレ?
大丈夫なのか?
?の連射は止まらない
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