第45話 古文書の内容

報道が出た日ホテルから一歩足を踏み出すと報道陣がここぞとばかりに詰めかけていた。 パシャパシャとなるカメラのシャッター音と突き出されるマイク。喧騒により聞こえないインタビューの声。トオルに昔はそれぐらい許してやれと言った記憶があるが、確かにプライバシーが侵害されるのはいい気分ではない。


私は何人かの質問に答えていた。

「大統領選に出馬する意向は今のところないわ」

「記事については私の許可を得ているわけではないので信用できるものではないわ」

「現在のところ言えるのはそれだけだわ」


それだけ答えるとボディーガードと一緒に外出した。

最近お金を出して作った防弾付きの SUV に乗ってリサの元を訪れていた。CNN との歌と著作権、肖像権についての契約書をリサに頼むためだ。


リサと契約書についての話が終わった時に聞いたが、どうやら大統領選出馬の噂はロズウェルが出したいらしい。抜け目がない敏腕記者らしい。嫌らしい噂の出し方だった。ニュースソースの私が否定しにくいの分かっているのだ。 CNN とロズウェルに又もや一杯食わされた。


そんな愚痴を聞いてもらったスッキリしていた頃に携帯電話が鳴った。 エリザベートからの電話で古文書の解析が進み一部読めるようになったので一度来て欲しいという話だった。本来は碑文に掛かれし古代語が正解だが、フォトでまとめて一冊の本と化しているので、古文書と私たちは呼んでいる。


巨大IT企業に到着すると既に門では待ち構えるようにミッシェルがいた。ミッシェルから中に入るための ID を受け取ると案内された会議室で話を聞いた。


古文書は4部の構成に分かれていた 。元々精霊のいる場所が4箇所になっていたので、その影響なのかもしれない。


一部はドラゴンの危険性と封印について書かれていた。

二部は精霊のいたずらと人間性との関係

三部はドラゴンと精霊の関係

四部はドラゴンの封印の仕方と5番目の精霊について書かれていた


内容を読んで行ってみると・・・・・・・・・

ドラゴンは子を宿すというよりは自分が進化するという独自の繁殖方法になっていた。 そしてドラゴンの進化には大量のエネルギーが必要で周りにいる人間もその被害に遭う可能性があるので覇王が封印したと書かれていた。

そして精霊を宿した人間は精霊のいたずらにより精神的な影響を受けやすく。精霊を宿した者同士が惹かれ合う性質がある 。この精霊を宿した人間同士が結ばれることにより新たな生命が生まれる。その生命は精霊への親和性の高い子供か、あるいは第五の精霊と呼ばれる高次元体が生まれる時がある


ドラゴンは精霊を従える性質がある。そしてドラゴンが進化する際に全ての精霊を喰らう事でドラゴンは新たな進化を得る


ドラゴンの封印の仕方については詳しい部分は読めなかった。第五の精霊についても解析が上手くいかないため、よく読めないらしい。


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古文書の内容一部読んで貰って一部の内容については私も身に覚えがあった。


しかし量子コンピューターは G〇〇gle 一社しか持っておらず内容が正確かどうかは確認する手段を持ち合わせていなかった。何しろ量子コンピュータは今年できあがったばかりで、通常のスーパーコンピューターの何倍ものスピードで動作するが比較対象が無いため回答に不安が残る。


また、 古文書が絶対に正しいと言うことも証明することはできない。 古い文章は逸話や神話など実際にはありえない内容である事もまた事実である


幸いにして会議室にいたのはミシェル、私、エリザベート、ジェームスの4人である。いたずらに騒ぎ立てるよりはまずは検証を始める必要があった。全ての文字が判別できているわけではないので引き続き調査を行うこと。今の時点で分かっていることは日本には連絡せず機密とすること。これはトオルにも連絡できない。トオルとの会話を偶然でもドラコに聞かれるのは良くないからだ。もうすでにトオルは人質と言ってもおかしくない状況にあった。


急いで日本へ帰るよりはここで対策を練ることが重要だと考えた

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