第16話 ドラゴンチャンネル 録画

先ほど取り終わったドラゴンチャンネルの録画を確認のため見ている。冒頭に以前歓迎会で歌った種子島に伝わる島唄を歌っている俺の姿があった。いつのまに録音したんだろう。と言うか、この画像が全世界に流れると思うと、こっ恥ずかしいと言うか、いたたまれない気持ちになる。穴があったら入りたい気持ちだ。どこの穴とは大きな声では言えないが・・・


今回の番組の内容は鱗の秘密検証番組でもある。これは売却済みの鱗がどういったものだったのか確認をするのと、その性能を持って高く売れるかもしれないという思惑もあった。


まず、硬さを調べることから始めるジェーンは日本で猟銃の資格をもっているので、鱗に対して一メートルの距離から撃ってもらった。


「バーキン」


という音とともに弾かれる銃弾、傷一つない鱗の状態、どんな硬度になってるんだろうか。続いて斬属性を調べる。固い包丁の先で突き刺してみると折れる包丁の穂先、傷一つないウロコが残っていた。この硬度検査は俺がやったのだが、包丁だったので人差し指が軟鉄の所に思いっきりブチ当ててしまった。 鍔がないと怪我しちゃうね。今後は注意しよう。


「ゴォー」


続いて始めたのが耐熱検査。どの温度で溶けるのかということだ。

溶ける温度はモザイクを入れさせてもらったが、2000℃程度のガスバーナーでは溶かすことができなかった。溶けた鱗は型に入れてナイフを作ってみた。研ぎに出すことはできないがこのままをオークションにかけようと思う。


そして公式名称の発表だ。政府の名称は黒竜(ブラックドラゴン)だが、一応名称はドラコに変更しましたと発表した。またドラコということはメス?という質問があろう事から両性であることも発表した。


また全身を細く録画していくまずは手と足の指と爪の形状を見てみた。恐竜などは通常鳥の進化と似ており足の指は3本であることが多い。ドラゴンを見てみると前足の前側に3本、後ろ側に2本合計5本付いている Wの形に似ているだろうか。後ろ足で立つ部分も前側が3本でかかとを支えるように2本の足があった。このことにより通常の進化とは違うのではないかと推察はされるが答えを持つものは誰もいなかった。


両目は単眼であり複眼ではないので昆虫とも全然違う。その深い黒い瞳に写っているのはどういった情景なのだろうか。恐竜のように真横についているわけでも無い。斜めに付いているといえば良いのだろうか。前方も横側も見れるような構造になっていた。



耳は顎の付け根の部分に丸い小さい形でついていた。一見すると全くわからない。 角と顎の付け根に隠れるような形になっている。どういう集音の仕方を押してるのかは全くわからない。


ドラゴンには角がついていたウロコの背に生えるようなものではなく顎から伸びるように頭の両側に1本づつの合計2本が頭に付いてる。イカヅチを思わせるその角は何のためにあるのだろうか。空中から角で突進でもするのだろうか。


背びれについては頭からは生えてなく。背中の途中からしっぽの途中まで生えている様だ。鱗のようにゴツゴツしたものでできている。波のような、というよりは山が連なるような形をしていた。空想上のドラゴンとあまり変わらないような気がする。どこまでも不思議な生物だ


最後に尻尾だが体長の約1/3程度の長さはあるのかもしれない。背びれから伸びるその尻尾は太く長く雄々しいものである。 自由自在に動くその尻尾が、骨の形がいかなるものになっているのかは想像することができない。またその重さから尻尾による攻撃を受けたらどれほどのダメージになるんだろうか。


こうした各部位の紹介から名前や鱗の特性を紹介した作品の放映は終了した。


歌の反響が予想以上に良かったのは俺にとって朗報だった

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