第2話 あいつが現れた日

その生物が現れたのは今から2週間ぐらい前のことだった。その当時オレは普通に農家として過ごしていた

最初に炎上し始めたのはネットの投稿動画だった。

ネットに投稿された場所はオーストラリア北部ノーザンテリトリー州の都市ダーウィンの南東に位置するカカドゥ国立公園でその存在の動画で出現が確認される


カカドゥ国立公園は、2万k㎡もの敷地面積を誇る世界遺産でもある

大湿原や渓谷、マングローブが生い茂る熱帯雨林や緑の草原、断崖絶壁の岩山など、変化に富んだ大自然が広がる野生動物の宝庫でもあり、キャンプ地なので人気の場所でもある


動画はキャンプをしている人々によって撮影された。普通の家族で楽しむキャンプ映像に大きい黒い生物が写っていた。途中で気がついた父親がズームで細かく撮影していた

映像に映っていた生物の大きさは全長約10m~15mで3階建ての建物を思わせるほどの大きさである

顎は翼竜などのような嘴ではなく肉食獣のそれをしていた。爪のついた前足に筋肉がしっかりしている後ろ足背中に付いた大きな翼、アニメで見るようなアンバランスな龍のようだった


この映像がニュースで流れた時、専門家はあり得ないと驚愕していた

まず第1に世界最大の翼竜の全長は約7メートル程度である。その翼竜と比較して全長のわりに貧弱すぎる翼はおかしいと考えられた


次に翼竜は前肢が翼であり後肢で2足歩行する4足生物である。今回の生物は2足の前肢の他に翼が生えているので、地球上の生物が進化する上でありえないテーブルに存在する。つまり昆虫などの6足生物や多足生物(節足動物)なのだ

進化する上で人間などの哺乳類は4足テーブルの進化上にある。鳥類や恐竜なども同様である

この議論は白熱したが答えを出せるものなど誰もいなかった

このことなどにより偽物画像やコンピューター映像ではないかと疑われたりもした


この生物を借りにドラゴンと呼ぶことにしよう。既に日本などのネット界隈ではドラゴンさんなどと呼ぶ人もいた


だが、その黒い鱗に覆われた異様な外見 からブラックドラゴンと呼ばれるようになった


ドラゴン関連のニュースや動画は大量に溢れ世界を驚愕させた

ドラゴンの捕食映像は凄まじくグロテスクだった。人的な被害はないがかなり大型の動物も餌の対象だった


体の線は細く飛行生物である以上は体重は必要無い様で、食事量自体は少なかった


目撃情報や動画の撮影場所などよりドラゴンの位置はどんどん北上していた

一番最初に現れた場所は更に南東に位置するエルジー国立公園方面より現れたとされたが正確な情報はつかめていない


しかし進行ルート上に都市ダーウィンも含まれていた

多く存在する映像証拠と、ダーウィンへの危機によりついにオーストラリア政府も対策に乗り出した


さらに、北上ルートを通過した場合はパプアニューギニアの次が日本諸島に到達すると日本の報道では懸念されている


その頃俺はこれらのニュースを見ながらお茶菓子を食べ休憩して養父らと一緒にくつろいでいた。俺はまさかこの問題にかかわるとは、この時思っていなかった

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