格差
「信じられない‼︎お風呂ないの⁉︎」
ひっくり返りそうな甲高い声で驚くマリー。
「すまない……」
そんなマリーの勢いに呑まれてつい謝ってしまう。
しかし、
いやいやいや、信じられないのはこっちだ‼︎
庶民代表の自信がある俺の意見を述べると、
風呂なんて贅沢、普通の家にある訳がないだろう‼︎
と声を大にして全国の貴族に言ってやりたい。
「いいか?マリー、君のような貴族代表からしたら確かに信じられないことだろうが、こんななんでもない庶民からしたらこれが普通なんだ」
「そう……なんだ……」
ショックのあまり意気消沈しているマリー。
今にも天に召されそうだ。
ああ、召されてくれ。
「俺たちにとっての風呂は街にある大衆浴場のことをいうくらいだ」
「……タイ?シュウ?ナニ?ソレ」
カタコトで問うてくるマリー。
目が点になっている。
やはり、風呂など自分の家にあるのだからわざわざ人が大勢いる大衆浴場などに来る必要はないし、そんなものがあること自体知らなかったようだ。
言葉を理解するのにも時間がかかっている。
全く腹立たしい。
「行ってみるか?」
「行ってみる」
というわけで、
大衆浴場へ行くことになった。
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