「そりゃそうだ笑」

高槻 桃子

一話 なんでそうなるんだ

 僕が好きな食べ物はハンバーグ。僕がテストで100点を取ると毎回お母さんが美味しいハンバーグを作ってくれるんだ。


「なぁなぁ!カイト!お前昨日の晩飯何食った?」

「どうして?」

「いやぁさ、お前昨日テスト返ってきたとき、俺から点数聞いたのに教えてくんなかったじゃん?いつもなら100点取って鼻伸ばしてるくせに昨日は元気無かったし、ハンバーグ食えてないんじゃないかな?って思ったんだけど...」

「いや。食べたよ、ハンバーグ」

「え、じゃあ100点だったの?ちぇー。せっかくバカに出来ると思ったのになぁ」

「タカシは昨日何食べたの?」

「え、あー俺?実は俺もハンバーグ食ってさ!」

 それだから聞いてきたのか。

「いやーホントめっちゃ美味しくて!あそこのハンバーグ以上に旨いの無いでしょってぐらい旨いの!ざっくりドンキー!カイトも今度行けば?」

「今度ね」

「そういえばカイトっていつもどこでハンバーグ食ってんの?」

「家だよ。お母さんが作ってくれるんだ。」

「へー...お前んちのお母さんのハンバーグ食ってみてえな〜。今度遊びに行っていい?」

「僕はいいけど」

「食べ比べだな!ざっくりドンキーのハンバーグとお前の家のかーちゃんのハンバーグ。どっちのが旨いか!まぁ流石にざっくりドンキーだとは思うけど」

 確かに相手はハンバーグ作ることを仕事にしてるわけだし、圧倒的不利だけど食べてみなきゃわからないじゃないか。

「いや、絶対に僕のお母さんのハンバーグのが美味しいよ。」

「よく言い切れるな!ざっくりドンキーは仕事だぞ?それに勝てるとでも思ってんの?」

 なんでそうなるんだ。

「そりゃそうだ。だって僕のお母さんのハンバーグは世界一美味しいんだから。」

「あー...そっか!じゃあまぁ今度食べてみることにするよ!」


 僕の友達のタカシはなんでこうも押し付けてくるんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「そりゃそうだ笑」 高槻 桃子 @Takatuki_Momoko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ