第8話 正式に再会したわけですが
入学式から1週間だったわけだが中間テストはGW明けにあるらしい。これから1ヶ月もたたないうちに試験とは先が思いやられる。1教科平均75点を目指して頑張ろう。あくまで俺はヤンキーとしてみんなには距離を置いておく。ただでさえクラスの人気女子四天王が俺達の周りに集まるのだから。
「なぁ雅」
「なんだよ師匠」
「上坂君となんかあったの?」
「なんでそう思うんだ?」
「なんか噂になってるんだよ、上坂君と雅が犬猿の仲だって」
「は?」
確かに俺はあまり好きじゃないしあいつも俺の事は嫌いだとは思う。だがお互い何したわけじゃない、なんの接点も持ってない。
「だってRainグループ雅が挨拶した時上坂君だけ返事無かったからそれでこれ!」
師匠が携帯を見せてくる。するとそこにはもう1つのRainグループがあった。メンバーは師匠、早苗、美夢、斎藤、克義の5人で会話の内容まで見せてもらった。
みゆきち「ねぇねぇ上坂君と雅どうしようね」
かっつん「うーん、あの2人は水と油だからな。特に雅と月村が2人で喋ってるとこなんて見られたらやばいんじゃないか?」
さなえ「かっちゃん何か知ってるの?」
かっつん「聞いた話なんだけど中学の頃駿が月村に告ろうとしたことがあったんだけどその時に俺があいつに好きな奴いるからやめとけって言っちゃったんだよね。そしたらそいつの名前教えろって言われたからこの中学にはいねーよって言ったからだったら俺にもチャンスあるだろって。まぁ結局告んなかったんだけどな」
こーた「ぼくはノーチャンだと思うけどね」
かっつん「俺もそー思う。」
waka菜「私もそう思います、だって月村さん雅君に…」
これ以降の内容は見せてもらえなかった。
「まぁここからはトップシークレットです。もうここまで見せたから…いや、最初から気づいてたんでしょ?」
「いや、もしかしたらって。人違いだったらって」
「ほんとは気づかない「フリ」してたんでしょ?もうちゃんと月村さん…いや、さおりちゃんと向き合おうよ?」
すると教室に1人の美少女が入ってきた。
「さおり…ちゃん…」
周りに聞こえないように思わずつぶやいた。俺の目の前、そこには眼鏡サイドテールの姿ではなく裸眼でブラウンでストレートのセミロング美少女の姿がそこにあった。そして見覚えのある声、間違いない!俺の元カノ桜井沙織がそこにいた。
「やっぱ月村がさおりちゃんだったんだな?」
「うん、改めまして久しぶり雅君」
すると周りが騒めき始める。
「え、あれ月村さんだったの?」
「おい、美人が本気を出したぞ!月村100パーセントが月村100パーセント中の100パーセントに進化したぞ」
「どこの芸能人だよ」
「なんであんなヤンキーと喋ってんだよ」
「上坂君の方がお似合いだと思うのになんで?」
「美女と野○先輩」
周りの奴らがなんかだんだん失礼なことを言ってきたが気にしないでおこう。ただ野◯先輩だけは許せなかったので後でヤキを入れたのはまた別の話。
そして昼休み
「なんか懐かしいね」
「そうだな」
俺と沙織は屋上で2人で弁当を食べる事にした。
「これからは月村じゃなくて前のように沙織って呼んで」
HR前にそう言われたので沙織と呼ぶことにした。以前はちゃん付けだったがまぁお互い成長したって事で。
「これやってみたかっんだぁ」
沙織は自分の弁当から俺の前に卵焼きを差し出す。
「はい、あーん」
「恥ずかしいんだけど」
「いいじゃん、誰もいないんだから」
「わかったよ」
口に入れると「美味しい」と思わず口にしてしまう、沙織は満足そうな顔をすると
「雅君のその唐揚げ欲しいなぁ」
俺の弁当から唐揚げを沙織の弁当箱へ移すと不機嫌そうな顔をする。
「私にもしてよ」
「わーったよ」
移した唐揚げ再度箸で取り沙織の顔に近づける。
「美味しいね」
これなんの罰ゲームだよ、恥ずかしい。
「もう何ラブラブやってんだyo!砂糖吐きそうだyo!」
「うわ、早苗かよ」
そこに早苗と克義と師匠も入ってくる。
「懐かしいねこのメンツ」
「ああ、そうだな」
「こーちゃんだけ独り身だね」
「僕の事はほっといてくれ」
「おいお前ら、別により戻したわけじゃないぞ」
すると向かいに座ってる美少女が寂しそうな顔をして
「え、戻ってくれないの?」
泣きそうな顔をする
「いや、先週の今日だしそれで空白の4年半だぞ?それをすぐにどうこうって」
「貴方は月村沙織さんが好きなんですか?YESかイエスで答えなさい」
俺は黙って早苗の頭を両拳でぐりぐりし始めた。
「痛い痛い、ごめんなしゃい。拳はやめてぇ」
「馬鹿な事言ってないで教室戻れ」
「悪りぃな雅こいつは俺が連れて帰るよ」
「ああ、頼むわ」
「じゃあね雅、また後で」
3人が離れていく。すると師匠からRainがくる。
「頑張ってね」とだけ書いてあった。
俺と沙織は弁当を食べ終えてお茶を飲みながら俺は沙織にさっきの答えを返す。
「なぁ沙織、再会したばっかだしすぐに彼氏彼女に戻るのはちょっと...考えさせてくれないか?」
「そっか、わかった返事待ってるよ。これからちょっとやるとかあるから先に失礼するね」
沙織が去っていく、どこか寂しそうに。
そして見えなくなると同時に隠れている女子2人に声をかける。
「おい2人とも出て来いや。」
「えへ、バレてた?」
「ごめんね後藤君、私は止めたんだけど」
「斎藤、おまえは許してやる」
多分斎藤は無理矢理連れてこられたのだろう。
「ていうか最近若菜ちゃんに優しすぎない?贔屓だひいきぃ」
「いや、たぶん美夢ちゃんだけだと思うよ」
「私だけってどうゆう事?」
ああ、斎藤には普通に接して美夢には適当にあしらってるって事が斎藤には理解してもらえただろう。適当にしてないと正直めんどくさい。
「もう2人ともどうゆう事よー」
「メンヘラ」
「私メンヘラじゃないしぃ」
「メンヘラは可哀想だよ後藤君、せめてかまってちゃんにしてあげなよ」
「2人とも酷いからね?」
「はいはいわかった。そろそろ授業だから戻るぞ」
そうして弁当箱を片付けて教室に戻る事にした。
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