第39話 🌻甘夏とレイの恋。

レイはラストチャンスに

かけた。

その日の為に、準備を始めた。

殿下の噂は城を抜け山を

超え国中に広まった。


ビックムーンに向け商売人達は

動きだした。

殿下の想い人が満月の日に

現れる...と

国中に噂が流れもう、否定すら

出来ない。


噂は独り歩きをして、もう1人

甘夏を異常に愛する人物

サムソンの耳に迄届いていた。


日々は、刻刻と過ぎ去り

不運な動きも起き始めてきたのを

アルフレッドがいち早く気づいた。

アルバートも協力していた。


この2人はもう友と呼び合う

仲になっていた。


突如サムソン率いる

グランバーリン国が攻めてきた。


サムソンも甘夏を我がものに

しょうと全力で向かう。

弱ったレイの軍を真正面から

責めそのまま城へ突っ走る。


密偵の知らせだとレイは、虫の

息らしい。


アハハハハハハアハハハハハ

「甘夏もマノライも儂のものだ‼」


陸軍も空軍も全部引き連れて

サムソンも本気で攻めてきた!


レイが病床にあり、レイの制した

国ごと制覇しょうと

画策した。


この攻撃はレイの病気を

聞いた時から念入りに計画

されていて



カイン、アラバレントの

息子ラミハルもグランバーリン国

に逃亡しサムソンに匿われていた。


ラミハルの声掛けに部下たちも加わり相当な戦になりそうだった。


しかしその事を把握していた

マノライ軍は国境を

グランバーリン国が先頭に攻め入っ

たのを見届けると隠れていたレイ

率いるマノライ軍の空軍機が空にも

現れ、突如あらわれたマノライの

陸軍と空軍に、油断していた

グランバーリン国は、慌てていた。

マノライ軍は敵国軍団を一気に

応戦し制覇した。


不意を撃たれたグランバーリン国は

マノライ国の一撃でサムソンは

無念の死を遂げた。


欲と色欲、贅沢三昧に溢れた

サムソンの人生は、幸せだったのか

そんな人生にポッと花を咲かせた

甘夏は、彼にとってもたった一つの

癒しだったのかも知れない。


60年を振り返り彼は沢山の

人を殺しその苦しみを押さえつけ

その上に立った人生

彼の周りで幸せな人生を送った人は

何人いたのだろう。


サムソンの死骸を目にしたレイ

とエドワードは虚しい気持ちに

なった。


これから広がるマノライ国民には

平等に、安心して暮らせるように

法改正と福祉優先

誰もが住みやすい国と頷ける様な

そんな国を作る。


二人はそんな決意を深く心に刻んだ!


人買も悪さが出来なくなると

知るや逃げ出そうとしたが、

アルバートとアルフレッドの

働きで捕まえて牢に入れられ

裁判を待つことになった。



甘夏を捕まえたあの二人も

お縄になっていた。




捉えられたラミハルは度重なる

人身売買の罪とハリーの妻、

明蘭へのストーカ、

他、わいせつ行為、薬依存の罪で

障害、幽閉の沙汰が下った。



父を失い、ラミハルも捕まり

頼る者が居なくなったミリアンは

国をおわれ、乳母アンと共に消え

マノライ軍も追うのをやめた。


街は何事も無かったように

平安であった。

ただ軍が街を行き来し、空には軍

のヘリが異常なほど数多く

飛んでいた。


特別番組や号外でマノライの勝利

を報道して国民は初めて戦の事を

知り自国の王太子殿下を讃えあげた。

国民の知らぬうちに勝利をあげたと・・国民は喜んだ





こうしてこの日マノライ国は

大国となった。



その夜....



甘夏、また硝子なんか手にして、

危ないわよ。

久しぶりに両親はイギリスから

帰って来ていた。


「甘夏、仕事はどう?」


「どうって?」


「彼氏とかいるの!?」


えーゴホッゴホッ


「いないよー、」


「ん?でも外に誰か来てるのよ。

あなたに、会いに来たって

言ってるのよ。」


チョコミントアイスを咥えながら

窓から外を見ると青いスーツ姿の

レイが立っていた。


ポロリ⤵⤵チョコミントが口から

おちた。


バババババと階段を駆け下りて庭にでた。


「レイどうしたの?

どうやって来れたの?」


レイは目に涙をいっぱい溜めて


「このレイ様を泣かせる

悪い娘を退治しに来た。

覚悟しろ、一網打尽にしてやる。」


「レイ駄目よ。

ルナ姫が居るじゃない。」


レイの伸ばした手に抱きしめ

られながら甘夏も泣いた。


甘夏の背中で薔薇の花が揺れた。


「俺の婚姻を2回も破談にさせた

奴が言うな‼」


「え‼ 破談になったの?」


レイは甘夏を抱きしめながら

頷いた。

「ああ‼大赤字だ...」


「ごめんなさい。

でも....嬉しい。

それって私のせいなの?」


大きな十五夜が2人の真上で輝いた

青い夜、レイは両親と偽りカワン

さんとヨンスンさんを従い2人は

日本語が出来ないと言い、


ありがとうございます。

はい。

いいえ

そうですね。

を教えて

👊をレイがだしたら

ありがとうございます。


✌をだしたら、はい。


✋をだしたら、いいえ


👍を出したら、そうですね。

を言うように、練習して来た。


ヨンスンさんはパツパツのスーツ姿

カワンさんは普通のワインカラーの

ワンピース姿で現れた。


久しぶりのマノライ国の両親との

再会に甘夏もカワンもヨンスンも

抱き合って泣いた。


人の良さそうな レイの両親に

父も母もレイの、求婚を受けいれた。


カゴいっぱいの野ばらの香り

母は、真っ赤な野バラと黄色い野バラ、白い野バラに夢中になった。


レイは金の延べ棒を、

100用意し両親に献上した。




両親は驚いて、腰をぬかした。

じっはこの野薔薇には白魔術師の

術がかけられていた。


不動産王、

有名大学卒etc...

色んな事を刷り込んである。


疑われることなく、結婚を

承知させた。

白魔術師が住所などチチンプイプイ

で解決。

鏡の世界は教えられない

鏡はどこにでもある。



勿論日本でも式は挙げた。

しかし、レイ側からの出席者は

魔術師とカワンと

ヨンスンと張蘭と日本の結婚式用の

人材を一人2万2時間で30人雇った。




英語もペラペラのレイは

友人も出来

地球ライフを楽しめそうだ。


両親は、短い休みを終えると又

イギリスへと帰って行った。


レイは婿養子になり、会社を

立ち上げ無事この地球の住人

になった。


鏡も復元し、こちらの仕事を

持ってマノライ国へと出勤する。




勿論、こちらの会社にも手を

抜かない。鏡一枚の2重生活。



もちろん。

その後の事は、色々考えている。


マノライ国では盛大に歓迎されて

王もお后様も、喜んでくれた。



「ねえ、レイ、聞きたい事

があるの。」


甘夏はレイと見つめ合いなが

らベットの中で聞いた。


明蘭さんの所にあるネックレスは、

何故消えなかったの?


トンカチも本も消えたのに?」


クスッ

「あれはね。王家に伝わる

縁結びの木であの羽は作られ

ている。


縁が消えない様に先祖の王が

魔術師を呼び10日、

不眠不休で念を 入れたそうだ。


今は張蘭が持っている。

張蘭も運命の人に出会うだろう。」


そう言ってブレスレットを

カラカラと揺らした。

新しいのを作らなければ....な甘夏‼


「うん。今度は三万以上の

奴をお願いね。」


「誰から聞いた?

明蘭か?

エドワードか?

三人衆か?」


クスックスッ

2人は仲良く腕を絡ませた。



次の年の十五夜の夜。

マノライ国において無事娶りの

式典が行われ

レイと甘夏は渡りの儀式を

執り行った。


日本での式は終わっていたが、

ルナ姫の、他国の王太子との婚姻

が終わった後の、

レイとの結婚式だった。


それは甘夏の思いやり

ルナ姫もレイに惚れていたのを

甘夏は、分かっていた。


次の日盛大なパレードが始まり

2人が結ばれた事を国内外に報告した。


実はスケベなレイが我慢出来ず

もう大人の関係に、なっていた。

何の為の渡り?

今更..


レイは藍色のタキシード姿で

甘夏は白いレースのウエディング

ドレス。

妻を娶った時点で王位継承

一国の王になったレイもメロメロな

甘夏の花嫁姿。


胸の空いたフリフリのレースが

可愛らしさを引き出していた。


甘夏が幼い頃から願っていた

レイのお嫁さん。


3歳と8歳..から長い年月をかけて

育てて来た愛情。



勿論側室は作らない約束。

もし破ったら、

と言った時、レイは青くなり


「約束はたがえぬ。それ以上

恐ろしいことは、聞きとうないぞ‼」

とビビリまくり。


まあ、大丈夫だ 問題ない‼

そう確信しつつお腹をなでる。



甘夏のお腹には新しい生命が宿

っていた。


可愛いレイのベイビー❤。





読んでいただいてありがとう

ございます。


ルミン




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

👑Emperor bride ルミン @rumiko35211

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ