第37話、🌻サヨナラの前に。

「そんな言い方するな‼

俺だって甘夏に合わせようと

したん だ‼。」


「合わせなくて結構よ

この浮気野郎。

あんたなんか信じなきゃ

良かった。

もう顔も見たくない!」



「あ、ああ、俺だってルナ姫の方

がいいよ。

ルナ姫の方が好みだね‼

お前みたいに鼻っぱしが強くて

気が強い女ゴメンだね!


思いやりがあって

純真で、可愛いー

ルナ姫が第一夫人、つまり

妻だねっ💢


お.れ.の、愛するつ.ま.‼



それだけは、思っていても

言っちゃダメでしょって・・・

仮にも2号ってだけで一番じゃ

ないんだから ・・・


「おっ!!

少しは効き目あったか?


あれれれ?お前‼

この辺お肉がついてんじゃん。

ルナ姫と、大違い」

あーっはっはっは、あははっはは

プョプョ﹏ン。


そう言うとウエストの肉をギュッと

摘んだ。

摘んだまま、痛がる甘夏を見ながら、


身悶えする程笑い転げ、馬鹿にする

様にガハハ、ガハハ‼ヒーヒー

笑いまくり、転げまくった。


〃おい!!そんなに私はデブかよ。〃



💢むかっく‼コンニャロ﹏‼


「ほぉっとけぇよーバカヤロー。

ボカッ


てめえのせいでストレス太り

だよー!」

ボカッ

弁慶の泣き所を二、三回ける‼

ボカッボカッ

イテイテイテテテ


レイは泣き処を抑え

ピョンピョン

突如始まった痴話喧嘩にSPも、

どうしていいか分からず、

一応甘夏を押さえつける。

«««イターーイ»»»


甘夏の悲鳴に

「甘夏に何をするーー- (怒) 」

殿下の怒りにワケワカメ


「オメーエが悪ぃんだよボカッ‼」

レイのケツを足で蹴る。

このぉ〜タラシ野郎‼」


憎たらしいのでこの際思いっきり

ボカッ


「なにおー‼コノヤロー」

イテイテイテ

甘夏は、チン蹴りを狙うが

クソックソッ

大事なチンは、レイも狙わせ無い‼


レイは、甘夏のほっぺたが

真っ赤になる程両手で引っ張った。

フガッフガフガ


甘夏も前髪がボッソリ抜けるほど

レイの前髪を、

引っ掴みあげた。


イテイテ、ハ、ハゲーハゲー

ハゲる〜‼

ハゲッパ、ツルッパになんだろ

ーがぁ‼💢


フガブガフガ(何が禿げるだ‼)


つるっパ〇に

してやるーー‼

このぉ〜

円盤ハ〇めー

思い知れ‼(怒)


最後にはエドワードと三人衆が

駆けつけポニーテールが

ボサボサになった甘夏とやはり

ボサボサの髪をしたレイが

掴み合いをやらかしているのを

ハアハア

止めた。


エドワードと三人衆に引っ抱えられ

引き離された。

ハアハアハアハァ


ハアハアハア

最後の晩餐は散々だった。


指には何本かのレイの毛が

巻いていた。



水一杯も無い晩餐。

汗まみれの晩餐。

ヤッパリ2号だ。⤵


食えるはずも無い‼

1号は豪華飯


1号じゃなきゃダメなんですか?

2号じゃダメなんでしょうか?



ダメなんですよ﹏。

私は、一番に愛されたい。

2番、3番は要らない程の愛が

欲しかった。

ウエストにレイの摘んだ

痛さが残る。


「ダイエットしなきゃ駄目かな!」

その日の夜から甘夏は、マラソンを

始めた。



その様子を木の陰から眺めながら

「甘夏はそれくらいが可愛いのにな!」


あの時、イライラMAXで、

思ってもいない言葉を口にした事を

後悔していた。


レイは甘夏の体調を心配した。

夕食も食べなかったらしい。



メイド長も


「好きな殿方に言われたら

気にするな!とは言えません。」


と冷たい視線を投げて来た。


甘夏のマラソンが終わる迄

レイは彼女を見守った。


「言わなきゃ良かった。」

そして訂正したかった。


「お前が一番愛らしい。

俺の妻はお前だけだ‼

気持ちは甘夏にある!」と


あんな酷い事を言うべきじゃ

なかったとシッカリ謝りたかった。

明日から塔に籠るレイと

話す事も沢山あったのに...

あそこで我慢しなかった事を後悔した。



この2人が愛し合っている事は誰が

見てもすぐ分かった。

SPも、三人衆もエドワードも何故か

胸が傷んだ。


その日

朝早くレイは、甘夏の部屋に訪れた。


「すまない、甘夏‼

しっかり食べろ!

甘夏、お前をずっと愛している。

妻を娶っても心は甘夏だけにある‼

お前を一番に大事にする。」



そう呟くと寝たフリしている、甘夏

の髪を愛しそうに優しく撫でて、

静かに出ていった。



涙が溢れた。

「何よ‼体裁の言い、言い訳並べて...

そんなに上手く行くと思うなよ。...」


甘夏は久しぶりに声を上げて泣いた。

それは昔を思い出される

行為だった。


眠れぬ日はレイが言った。


「頭撫でてあげるよ。

甘夏が眠るまで撫でてあげる。」


レイも、遠いあの日を、思い出していた。

そして甘夏の泣き声が胸に

ささったまま塔へと登っていった。


甘夏の心が砕け散った事を彼は

知らず、ただただ、国の為に...。


ああ...これでレイは本物の

王になる。


国民に認められる王になる。

ルナ姫を娶り妻とする。

本当に嫌と叫べば、やめてくれたの?


「嫌、嫌、嫌よレイーー。」


布団を被り、思いっきり叫んだ


「レイ、私だけのレイで居

て‼

2号じゃダメなの‼」




一週間、2週間、1ヶ月が過ぎた。

レイは、世の中と一切の関わりを

無くした。



その間甘夏は、カワンや、ヨンスン、

ハリー、一家と楽しく過ごした。


ジュディーもマノライ国を

楽しめるように

甘夏の行く所行く所、つれ回した

一日、一日を大切に生きた。。


甘夏の気持ちを察して誰もレイの

話をしなかった。

あの、お喋りな蝶蘭でさえ...


それから気持ちが落ち着いて来た。


レイに別れだけは、ケジメとして

今までの御礼のつもりで、しっかりと

伝えようと決心した。



それからは元気が出て、楽しく過ごした。

もう皆に気を使わせるのは

やめよう。


ジュディーを連れ張蘭と

ハイキングに行ったり散歩したり。


花を摘んだり、ハリーさんと

家庭菜園を手伝ったり...


ケーキを焼いたり、やりたい事を

頑張ってやった。

思い残す事が無いように。


レイが籠った3ヶ月は日めくり

カレンダーをパッパッと剥ぐように

アッとゆう間に過ぎて行った。


「楽しかったな。」


勘のいいカワンさんは、

気づいていたようだ。

甘夏が去る日


「甘夏、幸せになるんだよ。

あんたは私らの娘なのだから

幸せを祈っているよ。

たまにはマノライ国へ帰っておいで..

辛いだろう。

可哀想に...。」


両手で頬を撫でて辛い目を向

けて来る。

この2人は身を投げ出して私を助けて

くれた。


何回も助けられた。


「何も、恩返し出来ず、すみません。」



言葉に詰まりそうになりながらも

感謝を伝えずには居られない。


「甘夏、元気で暮らしなさいね。

無理は駄目だよ。」


隣でヨンスンさんも涙を流していた。

甘夏は、シッカリと頷いて


「大変お世話になり..ま..した。

御恩は忘れません。 `」


泣き顔は、見せない。

涙を力いっぱい止めてバスに乗った。


ウルウルした目からツーーーっと

頬を伝う涙を止めるのがやっとだ。

泣き顔だけは、見せちゃ駄目だ‼

2人を悲しませたくない。

元気に出て行くはずだったのに...

歯を食いしばった。


「おとうさーん

おかあさーん


ズーグスツグスッ


ありがとう、さよならーー。

元気でねーーバイバイーー。」

窓を開け大きな声で叫んだ。



ハッとして、

手を振り追いかけて来る2人を

振り返った時ポロッポロ、ポロッポロ涙が

落ちて止まらなかった。

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