あ第31話 🌻狙われた娘達

「何っ‼

甘夏が狙われたー‼


「分かりませぬ!カワン殿が

怪我をされヨンスン殿もかなり

の怪我だとか‼」


「ナニつ‼」


病院に駆けつけたレイは

2人を見舞い


「命に関わる怪我でなく安堵したぞ。

2人ともありがとう。

甘夏を守ってくれて。」


「殿下すみません。

甘夏は、娘も同じ...

しかしながら行方がわかり

かねます。」


カワンも続けて口を開いた。


「本当にどちらへ逃げた

のやら.....

着の身着のままなんです。

心配で、心配で...」



「兵を出して探そう。

三人衆を城に呼び戻せ‼

策をねる‼。」


1時間もせぬうちに、三人衆は、

殿下の部屋に待機していた。


「すまぬ急な呼び出しをして‼」


レイが謝り席につく。

会議用のテーブルは丸く20人は、

座れるくらいだ。


「では、暗号を申せ。」

「くま。」


「鷹。」


「.....」


どうしたジン‼暗号を申せ。


「犬。」


三人衆のジンをレイも`✧ω✧´

ぎらりと見据え目を離さず

剣を抜いた。


後の2人もそれに従い剣を抜く。

キーンキンキーン

金属の重なる音が耳を抜ける。


「王邸にまで入り込むとは

何奴‼」


キーンキンキーンキンキン


「ジンは、何処におる。」

「ジンに何をした。」

又金属音が響く。


密偵の刀が宙を舞い、床に突き

刺さり


ブヨヨヨヨーンと揺れた。

密偵はチラッと刀を見たが

レイとチャーリー

マークの剣が密偵の回りに光った。


観念したのかジンに化けた密偵は、

胸に手を入れ小瓶の蓋を抜き

それを煽った。


口から真っ赤な血が吹き出し

来ていた鎧は、赤く染まった。



部屋はバタバタしだし、数人の

医者が現れた。


なんの騒ぎかと明蘭も付いて来た。


1人の医者が顔の皮膚を剥がすと

見た事の無い顔があらわれた。


剥がされた皮膚は、人の皮膚と

変わらずよく出来ていた。



「この階の入口を封鎖しろ

誰も入れるな‼」



医者は精一杯の治療をしたが

飲んだ毒の量が多く手の施し

ようがなかった。


「ゲホッ‼ゲホッ‼」

大量の血を吐き、男は、何も喋らず

息絶えた。


そこに居たものは本人かどうか

皆顔をはぐられて


イテイテイテッ

本人確認をした。


ポッンと立っていた明蘭が呟いた。


「ナルジ‼」

その一言にマーク、チャーリ、

レイが振り返る。


「知っておるのか?」

レイの問いかけに


「はい。」


明蘭は、信じられ無いとばかりに

目を開き口を両手で覆った。


「我が王、ハリー.アンダーソンの

側近でした。


まさか、まさか、そんな‼」



「そうか...」

レイは、軽く頷くと仮説を

たてた。


「バスブリア国、国王を騙し

権力を手に納めラミハルが乗り込み

国を動かしていたが

頭の良い明蘭が

ラミハル、アラバレント

つまり ラミハルの父親

カイン.アラバレントの

企みで、ラミハルを使い国を思

うようにしていた 事を

明蘭に暴かれ

邪魔された。


明蘭を始末しょうとしたが

ラミハルから側室に欲しいと

言われ 明蘭を戦利品として

扱う事にした。


ハリー王に、後継ぎも生まれ無い

ため 乗っ取りを計画したが上手く

いかず暗殺しょうとした。

がラミハルは、明蘭が欲しかった


逃げた明蘭を捕まえる

エサにハリー王は生かされている。



多分明蘭が嗅ぎつけてハリー

王を助けに来るのをまっている

そこで明蘭を生け捕りにする気だ‼。

だからハリー殿は生きている。



今度明蘭が捕まった時、

蝶蘭の父親、ハリーアンダーソンは、

確実に殺される。」


「えぇー‼

そ、そんな事させない‼。」


「多分、この側近が根回ししたのだろう。」


明蘭は、涙を流し

「あんなに王は、頼りに思い

右腕だとまで言われて、信用して

おいででしたのに...

なんて、事‼。」


「城の全員を集めよ。」

レイは、高々にさけぶ。

「1人も逃してはならぬぞ!」



庭師から厨房、メイドに至って

今城にいる全員が集められた。


「ジンがみつかりました。」

「何処におる‼」



「そ、それが...」

レイとマーク、チャーリーは

馬に乗って高台までいった。


下には何人もの人々が集まり

笑っていた。

「どけ、どけ、どけ、ー。」


「見世物では無い‼皆の者帰れー。」


大きな楠の木のてっぺん近くジンが

吊り下げられていた。


普通の男なら落ちるか、烏に

つつかれ餌になるかだ。


クレーンを使い、静かに下ろした。

顔には鳥につつかれた後があり

反対に鳥の雁首に噛み付いたら逃

げたそうだ。


「鷹に狙われず、よかったな。」


「ああ、食われ無くて良かったぜ‼

よしっ‼今日は、鳥の丸焼きだ‼

クソっ‼」


「暗号言ってみ‼」

チャーリーが真剣な顔をして、

木から降ろされたジンの綱を

解きながらオズオズと聞いてみた。


「牛のクソ‼」


速攻で答えるジンにチャーリーは

安堵していた。

「アハハハ間違いなくジンだ。」




城に帰ると行方知れずが18名程、

自害が6人出たそうだ。

なんと24人も密偵に、行動を把握

されていたとは...


自分の甘さがはばかられる。



レイも各国に百人程密偵を

放った。

甘夏の行くえを追わねば、

とやかく言っている暇などない。

兵を構えいつでも出立出来るよう

に戦闘態勢の準備した。



甘夏は、西に進んでいたつもりが

北に進んでいた。


カフェを出て1週間になろうと

していた。

食べ物は、村に降りてパンの

ミミを貰った。

袋いっぱいのパンの耳は牛の餌に

なる所をしっかり頼んでいただいた。


そのミミももう少ししかない。

自分は何処へいくのだろう。


「早くおしっ‼」

その声に目を向けると

女の人達が縄で手を結ばれ一列に

並んで山を越している。

丸々太ったおばさんが

ギャーギャー叱り付けている。

ただ歩いてるだけなのに、

怒んなくてもいいじゃん。

しかも両手を繋がれて歩き

にくそう・・・


あのオババは、鬼か‼


「人買だな。‼」


甘夏は、すぐ察した。


「助けなくちゃ。」

正義心が芽生えた。

まだ子供もいる。

容赦なくビシバシビシバシ

痛いと言えば又ビシバシ


あのクソババアめ‼

怒りを抑えながら

少し離れて後をつける。



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