第29話 🌻レイの女?

「う~ん。ナチリコ国はやはり

ブラマダ国に、押されたのか?

 ではなぜグランバーリン

国王サムソンが

 ナチリコ国を収めているのか?

 


 しかも、飲み屋、遊廓、賭け事

 以前のナチリコ国とは思えない。」



「しかもブラマダ国も、

我が国の北の方に近

く鉱山の労働者が足蹴なく通って

ると聞いております。


ラミハルを見たと報告も上がって

おります。

我が国では無いギリギリの

ブラマダ国の境界線

ですので取締りも

出来ないらしいのです。

境界線ギリギリに宿舎や飲み屋を

建てていて治安の悪さは、酷い物

とか聞いております。」


「ウ~ン。今叩いた方がよいのか?

 しかし民の犠牲者は少なからず

 出るだろう。


 それは避けたい。

 何かいい方法はないか?」



「ウ~ン!、もう犠牲者は沢山だ。

 あんな思いするのは我々だけで

充分だ。」

エドワードは、頭をかかえる



ああだこうだ、なんだかんだ、

あのぉそのぉで、時間だけはすぎ

ていった。



ナチリコ国、バスブリア国

ブラマダ国..か‼


レイは執務室の机を

人差し指でトントンと叩きながら、

思案していた。



エドワード、明蘭、蝶蘭は

宮殿の横に開いていた母屋を

リホームして一軒家を築いて

3人で暮らしていた。


安全な城の中で、ささやかな

幸せを感じていた。


蝶蘭も明るく元気に育っていった。





「いらっしゃいませ。」


今日も看板娘の焼く焼き菓子の香りが

辺り一面に匂い芳醇なパンの香りが

お昼近い民衆の腹をすかさせていた。


まるでレイとは何でも

なかったように、二人の接点は無

く甘夏には平和に過ぎて

行った。


もう関わるのは止めて元の世界に

戻る日をジッと待とうと決めていた。


「アイツに関わると、妾ざんまい。

 あーやだやだ、二度と関わるもんか。

 死にたくねーしっ。」




「いらっしゃい!! 今日は早いね。」

馴染みの客が現れホットサンドと

キッシュにホットコーヒ2


ハフハフいいながらホットサンドを

ぱくついていた客が


「知ってるか?殿下とあの

皇女様の話。」


 「ああ、破談になったんだろ!!

 凄いアバズレだったって話な!

    聞いた聞いた。」



甘夏は聞きたいような

聞かなくていいような気がしたが

聞こえた。


「よかったよ。我らが殿下が

騙されなくて、

 流石だ。」


「いやいや今は別の女に御執心

らしいぞ。」


   「ん?別の女?」👂

聞き捨てならない話に耳を寄せる。


「そりゃ美人、美人、よく知らぬが

 殿下は毎夜毎夜、お忍びで

通われている

 そうな。」


「は、へえ~まじかД!!」

      シッシッ!!

お客は口に1本指をたて

 「聞かれてはマズい!

  俺が話たことはシッ内緒Дだぞぉ!!」


ズズズーズっとお互い睨み

あうように、見つめ合いウンウンと

頷き合っていた。


人もまばらだったし話声が聞こえて

来たが直ぐ満席になるとザワザワして

話聞く処じゃ無くなった。



音沙汰無くなったのも他に女が

出来たからか、甘夏は妙に納得した。


大層な美人と聞けば見たくなる。

レイが好きになった

女性(ヒト)って、いやいやいや、

もうどうでもいいやん。



そんな事を聞いた夜!

何故かレイの野郎がやってきた。

「いらっしゃ…。」


「甘夏元気そうだな。」


グレーのジャケットとチノパン

姿のレイがドアを開けて

入ってきた。


「ん、んんっ。お陰様で!!」

軽い咳払いのあと注文を取りに

行った。


「何にしますっ(怒)!」ドン

メニューをテーブルにドカ置

きする。しばらくすると連れの

女の人が入ってきた。


「あ、ああいらっしゃいませ。」


  「カワンは?」


すました顔でレイが聞いてきた。


「今日は飲食店の会合に…。

 ヨンスンさんは居ますけど、

  呼びますか?」


「いや、食事に来ただけだから。」


レイは、彼女の背中を軽く

押してエスコートする。

甘夏の事は完全に無視、

いや、空気。



レイはすました顔で

サーモンのカルパッチヨ

キノコづくしのカボチャグラタン

鶏肉のソテー赤ワイン蒸し。

などなど数点を頼み

ワインを二人であけていた。


レイはチラチラ甘夏を見な

がら彼女に料理を進めている。


「妬けるかい?」

ヨンスンさんがニヤリと笑いながら

聞いてくる。



「あははは、まっさかぁ冗談でも

 ナイナイ。」


 それが聞こえたレイは、少々

 イライラ

「女性とイチャイチャし始めた。」



「殿下も大人気ないなぁ!! 

 逆効果じゃないか。

 素直に、会いに来たって言えば、

いいのに…。」

とポッリと呟いた。


「じゃあヨンスンさん、

 お客様も引いて来たから

行ってきまーす。 

帰りは少し遅くなるかもでーす。」



ワインを飲んでいたレイは、


えっ!!とした顔をして

「甘夏どこに行くんだ、

こんな時間?」



「あらぁ、殿下 ごしん、

パイ無くゥ!」


「馬鹿者!こんな時間娘が1人で

山道歩く奴があるか?」


 「えへへ、ヘンリーや、

ウィルもいるし

  迎えにくるから、デー丈夫です。」


「お、おっ、男か💦?。」


甘夏は括っていた髪を、

パラリととくと髪がカールかか

って可愛らしい顔をみせた。


「気をつけて行きなさい。」

ヨンスンも面白くなって、

調子こいて言った。


「はーい。」


甘夏は薄い赤いカーデイガウン

を羽織り花柄のフリフリの

ブラウスにフリルの白の

ミニスカート、といった格好で

肩から可愛らしいバックをかけて

出て行った。


明蘭は、クスクス笑いながら

「早く誤解説いたが

いいんじゃないですか?」


ヨンスンも

「甘夏は可愛らしくて、

太陽のような娘ですからね、

もてるんですよ。

あーそうだ、ジョンもいたっけ?

かなぁ。」


そんな話を聞けば心穏やかな

理由がない。

「ちょちょ見て来る。

 誤解するなよ、 

 夜だからだ。」


慌てて飛び出すレイに

 「はいはい、夜ですからね。」

一緒にいた明蘭は、夜を強調した。

 ヨンスンも頷いて

「夜ですし!

けして殿下がヤキモチをやかれて

追いかけていかれるのでは

ありません。

夜道を心配されているダケです。」

とニヤニヤしながら呟いた。


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