第24話 🌻エドワード
翌月からエドワードは城に上がり
レイと同じ待遇で過ごす事に
なった。
レイと同じに起き、レイと、1日を
共にする。
これこそカワンが望んだ最高の
教育‼
カワンは飛び上がって喜んだ。
エドワードが城に上がり寂しく
なったがコレで旦那様奥様に
顔向けができる気がした
長く背負って来た肩の荷が落ちた
気がしていた。
親を無くしたエドワードと、
乳母を無くしたレイは気が合い
仲良くなり、親友とも兄弟を超える
存在になって行った。
レイは必ず食事の後直ぐに部屋
に戻り朝まで部屋から出て来なかった。
エドワードも気にする事無く
レイの様に食事の後は自分の
自由な時間を満喫してすごした。
カワンと、ヨンスンがレイに
内密にエドワードの素性を証た
のは16歳の頃レイが命を狙われ
初めた頃だった。
昔反乱軍に襲われ、晒し者にされた
ナチリコ国の侯爵マイク、デイビーズ
の嫡男エドワード、デイビーズ
だと言う事を告げた。
エドワードの過去を知り
レイも又涙した。
レイもその頃から小さな女の子を
時折城に呼ぶようになった。
そして毒菓子をその子が食べた
事から、女の子を守る為に
犯人探しを始めていた。
偶然のお茶の席でレイが狙われ
それを見透かした女の子が
レイの命をすくった。
反乱軍がマノライ国に潜伏し始め
てエドワードや三人衆
軍の働きで事なきを得た様に見えたが
レイの調べで反乱軍は益々
侵入して来ていた。
不思議な事にその頃から
女の子を見た者は居なくなった。
カワンはレイに自ら密偵の過去を
暴露し、レイの密偵に名乗りを
上げた。
それは反乱軍がナチリコ国を潰し
又マノライ国を狙っているのかも
知れないという不安があった。
「又若様のような子供を
出す訳にはいかない。」
カワンを奮い立たせたのは
昼夜問わず、走り続けた辛く長い
過去の経験だった。
ヨンスンとの間には娘が2人いた。
賢くて、可愛らしくて元気な
娘達をヨンスンの両親に預け
カワンは城務めに出ていた。
カワンは手伝い人として入り込み
メイドの躾や教育
厨房の手伝いから、資料作り
かってスパイとして、叩き込まれた
ノウハウが皮肉な事に役立った。
それは本当の仕事内容はヨンスン
にも秘密にされていた。
城の内情を調べあげそれは
庭師から厨房、閣僚迄に及び
カワンのする事はまかり通った。
城の隅々迄目を光らせ役目を
続行していた。
ヨンスンの両親も優しい人で
二人の娘が出来てから同居していた。
子供達を喜んで引き受けてくれて
エドワードに対しても本当の
孫の様に可愛がり成長を喜んで
くれた。
エドワードの事はニコニコして
自慢の孫が口癖だった。
義両親のお陰でカワンも仕事に
打ち込めたカワンの本当の仕事は
密偵の侵入を防ぐ事
買収された人物を探す事
つまり城専属のスパイ
きな臭い噂があれば直ぐに
カワンが気付き阻止出来た、カワンは
優秀なスパイだった。
そんなカワンが気になるのは
エドワードの四歳違いの姉
明蘭の事だった。
明蘭を先に逃がし一緒に逃げら
れなかった事、それはマノライ
に帰ってからもカワンを攻めていた。
『もう少し早く反乱軍に気づいて
いたら旦那様も奥様も死なずに
済んだのでは無いか?
明蘭様も一緒に逃げれば
若様も寂しい思いをせずに
済んだのではないか?』
『いやあの戦乱の中、エドワード
様と二人逃げ延びたのさえ
奇跡のようなものだ‼』
自問自答を繰り返しながら
あの日から生きてきた。
レイもエドワードもヨンスンも
明蘭の行方を探しているがまだ
見つからない!
まだ蝶蘭の事を、レイにも
エドワードにも話せていない。
エドワードにから喜びさせる訳にも
いかない。
蝶蘭が明蘭の娘だと確たる証拠も
無い、カワンは明蘭を探す事を
諦めては居ない。
エドワードの為でもあるが今は
可愛い蝶蘭の為でもある。
「早く明蘭様をお探ししないと〃‼」
まずは甘夏の怪我を早く治し
回復を待ち、探すのはそれからだ
そう呟きながらレイの部屋を後に
した。
季節は夏も終盤を迎えていた。
ミリアン皇女と、サムソン王が
帰国して1ヶ月が過ぎようと
していた。
レイもこの親子が、甘夏襲撃に
関わっていると疑い
何人かの密偵を放っていた。
「もう‼ 何時まで閉じこもらなきゃ
行けないの💢
息がつまる‼」
グランバーリン国の王室で
イライラしながらメイド達に
八つ当たりをしているのは
外泊を禁止、夜遊びを禁止
しかも禁酒を余儀なくされた
ミリアン皇女だった。
「皇女様、後何ヶ月かの
ご辛抱です、お慎みくださいませ!」
「うっさいわね!
ストレスが限界なのよ‼」
「マノライ国のレイ様は素行には
お厳しいと聞いております。
常に気を張りご用心あそばせ‼」
「素行に厳しいのなら
結婚する前に遊ばないと
何時あそぶのよ、
今しか無いでしょ‼」
「恐れながら、皇女様は
・・・・・・あの、その‼」
「は?
ああ、大丈夫よ‼
部屋を暗くして身代わりを
立てればバレやしないわ。」
「は、」
「密偵を使うのよ‼
男慣れしていない女をね!
もう用意して私になっているわよ。
今わね、メイクでどうにでも
なるのよ‼」
目がきつく綺麗な顔立ちの
ミリアン皇女は
言い出したら効かない、父親譲り
の性格で、いよいよ我慢も
限界迄来ていた。
その夜護衛兵の男達を巻くと
夜の町へと繰り出して行った。
「ああ、葡萄酒の匂い、酒やダバコ
の匂い、癒されるワ~」
久々の夜の街にミリアン皇女は
気の緩んだ気分になり
幸せな気持ちに酔いしれていた。
何時もの行き慣れた酒場で
ウイスキーをあけて
何時ものように酒場で待って
居たのは背の小さな男と髭面の
背の高い痩せた男だった。
「アンタ達‼
確り脅せと頼んだけど
襲えとまでは頼んで無いわよ!
あれから大変だったんだから」
ミリアンは赤い唇でカクテルを
飲みながら2人に文句を言った。
「え‼
俺達は脅しただけだ‼
何もしちゃあいねえよ!
しかしアンタだれなんだ?」
「聞かれない事は知らなくて
いいのよ‼」
「いや、しかし何であんな
小娘をおどすんだ?
便所掃除の使用人だろー(笑)
しかも見るからにみすぼらしがった。
痩せてて、顔はまあ可愛かったな‼」
「おうよ
しかしどっかで見た気がするけど
まあ覚えて無いのは
覚える必要がないからか
アハハハハ!」
「うるさい💢
言われた事をやっていれば
いいのヨ‼
こっちから連絡する迄
接近しないで‼」
ミリアンはバックから束を出すと
ぴゅ~🎶
男達は札束に目を輝かせ
ニヤリ笑った。
二人は街灯の付いた石畳の上で
札束を数え分け合った。
「商館でも行ってパーっと
やるか‼」
「いいねえ~
兄貴の奢りか?」
「馬鹿言え、自分の分は
自分で払え‼」
チエッ
「兄貴も好きだけど
俺も好きなんだよな~‼」
ウヒヒヒヒ
〃いい子いますよ~〃
〃可愛い子とどうですかぁ~〃
「あすこは٩✖だ
ババアばかり、この間なんか
明るくなったらババアがいてさ
ゲロがとまんなかったワ〃」
「じゃあ俺の知り合いの店に
行きましょう。
可愛い子いたし」
「頼むぞ!期待してるからな〃
ババアは、居ないんだろうな‼」
「ヘイ‼兄貴ケチるからですよ
遊ぶ時はパァ~っと使わないと!」
何にもの客引きを無視し
2人は楽しそうにお気に入りの
いる商館へと歩いて行った。
マノライ国では冬には恒例の花火
大会が催される。
四千発の花火がラドラル湖で
打ち上げられる。
この世界に花火師は数人しか
居ないそれもマノライ国にだけ
国外の持ち出しは、かなり厳しい
罰則がつく‼
各国から見物人が押し寄せ
お金を落として行くマノライ国の
資金源にもなって、人々の生活
も潤う事に繋がっていく。
このイベントが国を豊かにしている。
人手が足りずどの部隊から何名
出すかを会議する時期が今年も
やって来た。
その会議は夜通し行われる。
そんな中、密偵の連絡が入って来た。
ベロベロに酔ったミリアン皇女が
男達と遊ぶ様子を録画に納めた
と報告が上がって来た。
まるで遊女のような姿に
皆、度肝を抜かれた。
その様子はマノライ国の国営放送
で流され、ミリアン皇女が
カメラに食ってかかる様子も
配信されていた。
この様子には何人かの男性も
写っていたので皇女の交友関係も
炙り出された。
ブラマダ国の王室関係者もいたため
婚儀は延期とされた。
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