第22話 🌻 その事実は

「何故知らせぬ!」

握り拳をブルブル震わせながら

エドワードを睨み付けた。


「レイ

いい加減にせぬか!

皇女の前で見苦しい‼

ミリアン皇女、申し訳ない。」

レイの父王、トーマス、モーリンは

レイを叱りとばした。



ガタンと椅子を立ちサムソン王も

「その女を私に下げ渡して

頂きたい!

怪我が治り次第使いを出して

頂きたい!

私自ら迎えにまいる。

私が目を付け大事に致しましょう。」


そう言うと、

「ミリアン、帰るぞ!」

サムソン王はハッハッハと笑い

ながらミリアンの腕をとり又

振り返り

「私の用事はコレで・・・

モーリン王よ、失礼いたした。

では私達は 〃これ〃 で‼」


確認を2回するのは、サムソン王

が念を押すという事だ、彼は

必ず甘夏を渡せと、言っている。


そう言うと、嫌がるミリアンを

連れて出て行った。


ブルブルと、怒りに震えるレイ

をエドワードや三人衆が抑えつけた。


「何を言っている💢

甘夏を渡せ?

それは無理だ‼

渡せる訳無かろう💢

甘夏は私の生涯の大事な妻なのだ‼

お前ごとムグムグムグ」


「殿下、それ以上はなりませぬ‼

聞こえまするぞ!」


側近達はレイの口に蓋をするように

手で口を塞ぎ別室に引きづり

ドアを閉めた。


レイはエドワードや三人衆に

蹴りを入れ

そしてまた大声をあげ怒鳴り

散らした。


「エドワード、今、甘夏は

何処に居る‼


何故、賊に狙われるのだ‼


答えぬか‼」ハアハア



「落ち着け!

落ち着かぬと何も話せぬ‼」


「あのタヌキ、俺の甘夏への

寵愛をしらぬのか?

甘夏を差し出せ?

片腹痛いワ‼

ぶっコロしてやる‼」


「で、殿下、落ち着かれて

下さい‼」


「はあ?とうに落ち着いておる、

お前達こそ、落ちつかぬか‼」


「医師を呼べ

殿下の興奮が収まらぬぞ‼」

エドワードが大声を張り上げた。


「ハッ、直ぐに」

側近の一人が宮廷医を呼びに

走った。


また屋敷はバタバタと忙しくなり

医師は直ぐ来て脈をとり

鎮静剤が打たれた。


しばらくするとレイの興奮も

治まりレイの頭も正常に動き

出した。


「サムソン王には返事は

先延ばしにしておけ‼

悟られぬように相手の出方を

見るぞ‼

気をつけて行動しろ

三人衆を呼べ。」


「ハッ‼」




「ふむ、泣くなミリアン‼

私がお前の涙に弱いのは

知っておるであろう。」


ウッウツウツ

「だあって、だあって、

お父様。」





レイの部屋にはマーク、チャーリー

ジン、エドワードの

5人だけが集まり

探知機を使い盗聴されていないか

三人衆で丹念に調べ、大丈夫と

判断すると会議が始まった。


「あの日の事は殿下にも

お知らせしてはいないし、

知る人物も少ない‼

人の出入りの無い、私達はの

部屋の階で起きた事だからな‼」

エドワードはウロウロしながら

呟いた。


「甘夏の怪我はどうなのだ?

嘘申さず話せ‼」


「ハッ、あの日私達が騒ぎに

気づき飛び込みましたが

既に甘夏様は、怪我をされて

おりました。

右腕を可成深く・・・

あと・・・」

三人衆は顔を見合わせ

お前が言え、いやお前が言えと

目配せをしていた。


しかしせっかく収まった殿下の

興奮が甘夏のヘアースタイル

を知ったら・・・


三人衆も成る可く思い出さない

様にしていると言うのに!

プッ、笑いをグツと堪える。


「何だ?‼

あと、何処を切られたのだ‼

命は大丈夫なのか?💥💢💥」


「はあ。

連絡が入り甘夏様は目を覚まされ

たようです。」

エドワードはさっきカワンから

ハトを使い知らせを受けていた。


「そ・・うか!ハァホッ

安心したぞ‼」

レイはドスンと腰を落とした。


「しかし、サムソン王は賊が

入り甘夏様が深手を負ったと

ご存知でした。

賊が押し入ったのを知っているのは

カワン、ヨンスン、我々と

押し入った賊とその主‼」


エドワードは顔面を強ばらせ

話だした。


「あの日は業者が入りやすく

付き人、馬車、トラックが

入れ違いに入っていました。

甘夏様を狙うには、恰好の日で

私達も油断した。」


「しかも甘夏様の為に発注した

着替えも、鏡も、寝具も全部

キャンセルになっていた。

城からキャンセルの電話が

入ったと聞いた。

確かに私のパソコンからだったと


それに私の指示で

甘夏様には食事を抜くように

言われたと、確かに私が

指示をしたらしいのだ‼」



「エッ‼そんな?」


「いや、何人も私がそう言ったと、

証言しているのだ‼

私が違うと、言っても私が甘夏の

食事を止めに厨房迄出向いたと、

言い張るのだ‼」


「植木の剪定や、馬の世話などを

させるようにエドワード秘書官に

言われたと、聞いております。」


「まさか・・・

いくら私でも女に力仕事は

させないぞ‼💥💢💥」


エドワードは血が上り

テーブルをガツンと、叩いた。



「いや、そうでは無い‼

誰かエドワードに化けて

特殊メイクで入り込んでいたんだ‼


確か、特殊メイクをする集団

が居ると聞いた事がある。」



「i|lilΣ(特殊メイク?)i|lil|」

レイの話に全員が声を上げた。


シーッ☝

「誰が聞いているか分からない‼」

マークがギョロりとした目を

光らせポッリと、呟いた。


「ああ、そうだな‼」

皆頷きながら小声になる。




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