第21話 🌻甘夏ピンチ

甘夏は見覚えがあった。


「あ、アイツはあの時の人攫い‼」

直ぐ城の高窓に白いハンカチを

結んだ。


しかし夜が過ぎても朝が過ぎ

お昼を回ってもカワンさんも

ヨンスンさんも姿を見せなかった。

次いでに飯も姿を見せない!


仕方なく昨日、チョンボして来た

パンをかじる、風に晒され

カチンコチン、歯茎に当たって

痛い。


やはりJapanese人は、

ちゃぶ台に正座が落ち着きますな~



しかしその後

窓が微かな音を立てた途端

黒ずくめの男が数人飛び込んで

来た‼


あの時、今度はコロすと言われて

いたから予想した通りだった。


甘夏は何処が安全か

脳内シュミレーション済み‼

トイレに駆け込んだ!


もしもの時の、安全な場所

甘夏は戸を閉め、鍵を掛けた。


ドアはガチャガチャガチャガチャ

何にも声がしないのが余計不気味。


ヒ~~~\=͟͟͞͞(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/ガタガタガタガタガタガタ

手も足も震える、こっ、怖い‼

ドアノブを確りと握る。


バアアア━━━━━━━━ドン‼

とドアを蹴り開ける音がして


カ━━━━━━キ━━━━━ン

キンキンキンキ━━━━ン

と金属音が響く

ヒィィィィコワイヨ━━━━━オ

ドカドカドカドカと沢山の

靴音が響く‼

二、三人ではない、10人より多数


椅子やテーブルの蹴り散らかされる

音が響き甘夏は、ただただ震える。


「誰か、助けてー٩( >̶̥̥̥᷄д<̶̥̥̥᷅ )۶」

かすれた小さい声しか出ない。

バコーン (꒪ꇴ꒪ ;)エエエッ?

ドアを突き抜け銀色に光る剣が

甘夏の脳天で、括っていた

お団子をバッサ━━━━━リ‼


(꒪ȏ꒪;)キェェエエエエ工━!!


甘夏は頭を撫でてザラザラした感触

に((̵̵́ ̆͒͟˚̩̭ ̆͒)̵̵̀) ゲェッ


パサりとお団子が落ちた、脳天ハゲ

状態ぃ━━━━━━そんなぁー‼‼

又ボスッボスッボスッ

場所を変え銀色の剣が突き抜けて

くる。


ギャ━━━━━━━アアアァァァ

甘夏の悲鳴に又ギラリとした

剣が突き抜けてくる。

グッサグッサグッサ

甘夏の悲鳴で甘夏の居場所は

特定された。

甘夏は隅っこに寄り


「もう、もう死ぬかも知れない。」


そんな気持ちに押され逃げる気力

も失せた頃、


「甘夏、甘夏、大丈夫か?」

恐る恐る、刀でポッカリと空いた

穴を隙間から覗くと

カワンさんが剣を握りしめ

立っていた。


「カワンさん٩( >̶̥̥̥᷄д<̶̥̥̥᷅ )۶

怖かったよ━━━━💦」



「甘夏、ボヤボヤしてないで

逃げなさい!

早く早く逃げるのよ‼」


カワンさんと黒装束の男達は

カキ━━━━━━━━ン

キンキンキン

「早く、逃げなさい━━━━‼」


甘夏は

「カワンさん置いて逃げれないよ!

カワンさんこそ逃げて‼」


カキ━━━ンキンカキ━━━ン‼

剣のぶつかる音が響く

しかし敵は甘夏を見つけると

ハッとしてニヤリと笑った。


そして迷わず、甘夏に狙いを付けて

きた。

アッ・・・


バッと振り返った時エドワードと

三人衆が飛び込んできた。

剣のぶつかる音がかなり響いて

生ぬるい感触に気が付いた。


ジャージの袖がキレて

ポタポタポタポタポタと赤い血が

床に落ちていた。


しばらく頭が揺れてフンワリした

感じになる。

それから先は分からない‼

出血多量による貧血。

と円盤ハゲになったショック


子供の声が響き目を覚ました。

紙飛行機で蝶蘭がはしゃいでいた。


「こらぁ蝶蘭、静かにしないか~い。」

ヨンスンさんが調理をしながら

にこやかに笑っている?

あれっ?

右手を上げようとしたらズキズキ

痛みが走った。


一連の流れを思い出し

ハッカワンさんは、カワンさんは

どうなったんだろう?

不安が襲って来てガバッと起き

上がる!


「ヨンスンさんカワンさんは?

カワンさんは?」

大声をあげる甘夏にヨンスンは

駆け寄り背中を撫でた。


「甘夏、安心しなさい。

カワンは無事だ、今山羊の乳絞り

に出ているよ。」


それを聞いた甘夏は心底ホッとして

また横になった。

蝶蘭が目をクリクリさせて


「大丈夫? 痛い?」


と心配そうにザラザラした

頭を何故ながら聞いて来た。

甘夏はニッコリ笑うと


「大丈夫よ、蝶蘭の顔を見たら

頑張れるよ。

ありがとう。」


蝶蘭はニッコリ笑うと、学校の話

や友達の話を楽しそうにしてくれた。

どうやら蝶蘭もこの暮らしに

慣れたようで、甘夏も嬉しかった。


あれから二日が過ぎていた。

リビングに甘夏を寝かせ

二人交代で寝ずの看病をしてくれて

いたのだろう。


ソファーには毛布が二人分

畳んであった。


ヨンスンさんは暖かい山羊のミルク

で作ったパンケーキとココアを

入れてくれた。


「蜂蜜はね、蝶蘭も手伝ったよ。」


「え?ハチ怖く無かった?」


「うん。帽子と網を被れば

大丈夫だよ。」


「え━━━━‎そんな事できるの?

すごいね~」


「うん。ママが教えてくれたんだ

だから取るのは慣れてるよ(๑˃̵ᴗ˂̵)」


丁度カワンが帰って来て蝶欄の

話をきいて呆然として立っていた。


.。oO「お嬢様、なんかあった時の為に

蜂蜜の取り方をカワンが

お教えます。」


「カワン、怖いわ、刺すでしょう!

嫌よ‼」


「ダメです。

今、町は、きな臭い噂もございます。

食料調達は覚えていたがいいんです

戦闘になれば、1番困るのは

食料です。」


「無理よ‼」


「蜂蜜は栄養があります。

何かの時は確り覚えて、カワンが

居なくても大丈夫な様に

訓練しましょう。

いつかは、何処か各式ある名家の

奥様になられます。

何があるともわかりません。

お子様をお守り出来ますように

確り覚えておられませ。」


「う・・・ん。

分かったわ、カワン。」.。oO

そんな昔の会話を、カワンは

思い出していた。


「おかえりなさ━━━━い。」

蝶蘭がカワンに気づき飛びついた

カワンはその衝動でハッと我に返

った。


「あ、ああ只今。」

蝶蘭はカワンのエプロンに抱きつき

「山羊のお乳はいっぱいでた?」

目をクルクルさせながら聞いた。


「うん。ほら‼」

ヤギの乳の入ったバケツを見せる。


「お帰りなさい。

カワンさん、ゴメンなさい

危ない目に合わせて‼」


カワンは甘夏の寝床に近づき

頭を撫でた。

ジョリジョリとした感触で

頭の毛が飛んだ事を思いだした。


「身が切れなくて良かったよ。

毛は又生えてくる。

ギリギリだったね、今度から

ヘルメットは必須だね。」


「ぷっ、ですね!

何とか生きていて良かった。」

甘夏はカワンの目を見ながら呟いた。


「あれからエドワード様が

三人衆と入って来られて何人かは

取り逃したんだけど

捕まえた輩は皆、毒を飲んだらしい。

間違いなく屋敷に入り込んだ

密偵のやり方だよ。」


それから甘夏をここに運んで

くださったんだよ。

あの日、甘夏がハンカチで合図して

くれていたから気になって

城へでむいたんだよ。


晩餐会があるからと規制が厳しく

城へ入れなかったし、

人通りが激しくなる夜を

待ったんだよ。


そしたら案の定だったね。

奴らも人通りの多い夜を狙って

甘夏をヤルつもりだったんだよ。」


「・・・何で私を狙う?」

今思い出してもゾッとする。


「そうだね、今エドワード様も

調査してるよ。

甘夏の回りで変な事ばかり

起こるからあの日も

怪しんで甘夏には見張りが付いて

いたらしいし。」


「エッ‼見張り?」


「ああ、あの時彼等が来なければ

甘夏も、私も生きていなかったよ。

可成の腕を持つ奴らだった。」


「そうですか‼、」

.。oOヤバ晩餐会の盗み食いもバレて

るだろうなぁ~


「そうそう。

エドワード様が言われていたけど

殿下には甘夏が襲われた事を

お知らせしないそうだよ。


まだ各国の来賓が滞在されているし

殿下のお心を乱したくないからと

言われて、悪く思わないで

欲しいと言われてて、」


「ああ、大丈夫ですよぉ!

どうせ妾ですもん。

どんな扱いにも関係ないですし

知らせ無くて丁度いい具合です。」

甘夏はニコニコしながらカワンに

つぶやいた。





「失敗‼


コチラの素性はバレていない

だろうな‼」



「ハッ、向うも腕利きを揃えて

応戦して参ったので、

コチラの動きを読んでいたやも

しれません。」



「ふむ、殿下は若いながら

大層な切れ者と聞く‼

・・・・・・どうしたものよ。」


ミリアン皇女の父王サムソンは

思案していた。


殿下が側室を持つのは仕方がない

鷲にも六人は居る!

ミリアンは側室ではなく妃として

迎えられるのだ、此方としては

依存はない‼


しかしミリアンは、マダマダ若い

理解できる物ではない。


「どうされますか?

甘夏はもう城をでましたが・・・」


髪を一括りし、細身の黒装束の

男は皇帝を見上げ指示をあおった。


「ふうむ、そうよのう!

どうしたものか‼」


サムソン王は御歳68歳

18になるミリアンは、遅く生まれた

だけあり、とても可愛がって育てた、

愛娘だ。

みすみす不幸になるのを見逃す

訳には行かない。


王は思案に思案を重ねて


「よし‼

儂が直々、マノライ国へ行こう‼

彼と話をつけよう。


側室は5年は作らぬ様に私が

申し伝える。

即、準備をしておけ‼」


「御意!」




「殿下、殿下‼居られますか?」


「どうした‼

まだ来客中だぞ!」


晩餐会から四日、そろそろ滞在

していた客も帰国を始めて

各国の王や、来賓の見送りも

レイの仕事になっていた。


「申し訳ございません。

しかしミリアン皇女様の、お父上

様、サムソン王が本日お見えに

なられるそうです。」


「なに?サムソン王が・・・」

側近のエドワードも声をあげた。


最後の客を見送った後

ミリアン皇女がレイを見つけて

駆けてきた。


「殿下、父が来ると連絡が

はいりました。」

レイは不審な顔をして


「サムソン王は晩餐会を辞退する

と言われていたのに?

急な来訪ですね。」


「ん?何か殿下にお話が

あると聞きましたが・・・

私達の婚姻の事では無い

でしょうか?」


「分かりました。

王を迎える準備をしましょう。」

レイは父王に知らせる様側近に

命令をだした。


ミリアンはレイをお茶に誘ったが

レイは、丁重に断って

その場を離れた。


夕方グランバーリン国から

政府専用機が着いたと連絡が入り

王室はバタバタとして忙しく

なった。


レイの父親モーリンも

難しい顔をした。


その夜サムソン王を迎えて

食事会が開かれた。

ミリアンと、レイを囲み表向きは

楽しい宴が開かれた。



そして遂にサムソンは口を開いた。

勿論、壁にはエドワードや三人衆

が控えている。


「ミリアンは私の歳取ってからの

娘で、とても可愛がって育てましてな、

ハハハハ

娘の寂しい顔は見たくないん

もんでしてな‼ハハハハ

私にも側室はおります。


しかし無理を承知でお願いに

あがりました。


レイ様には五年は側室を迎えないで

頂きたい。」


レイは直ぐ返事をした。

「申し訳ありませんが

それは出来かねます!」


真向かいにミリアンが座って

いるのを知りながらレイは

即答した。


「では、甘夏と言う娘

滅多にいない美形なそうな、

その娘、私がもらい受ける。

側室を五年つくらないか、

甘夏を差し出すかどちらかを

承知してもらいたい。」


「は?」


バタンと椅子が倒れ立ち上がり

目は怒りで震えていた。


「あ💦💦オッホホホ

まあまあ御冗談を‼」

王妃ユアンは冷や汗を垂らしながら

サムソンに向かい微笑んだ。


「ハハハハ冗談?、その方が

冗談に聞こえますぞ‼


この間賊が入り込んだと

聞きましたぞ、彼女の為にも

私の国にいる方が安全なのでは?

可成の深手を負ったと聞きましたぞ

また、狙われねばよいですなぁ」


「は?まことか?

甘夏は襲われたのか?」

レイは目を剥いてエドワードを見た‼


「エドワード、甘夏に何が

あったのだ‼

なぜ知らせなかった?

初めて聞いたぞ‼」


「ハッ‼申し訳ございません。

軽傷ゆえ殿下がお気遣い無いように

配慮いたしました。」


「晩餐会の日、賊が何名か入り込み

甘夏様は腕に傷を負わされて

今、私の知り合いの家に預けて

静養させております。」


レイは食事会も終わらないうちに


「エドワード

車を回せ‼

直ぐ見舞いに参る‼」


「で、では、私も殿下と参ります。

私も一度お会いしたくなりました。

どのような方か気になりますもの‼」


ミリアンは、すかさず付いて行くと

言い出した。

エドワードはアタフタ焦りながら


「いえ殿下‼

甘夏様は、可成の深手を負われて

いて人に会える状態ではありません。

申し訳ありませんが面会は

出来る状態では、ないのです。」


「なに‼

エドワード、軽傷と申したでは

ないか‼

何故嘘を付いた。」

レイは慌てた様子で声を荒らげた。


「で、殿下がご心配なさら

ないように、そうもうしあげました

傷が深くまだ目が覚められて

おりません。」


椅子にバタンと座りレイは

酷くおちこんでいた。





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