第20話 🌻狙われた清掃婦

「どうだった?」


「はい確かに仰せの通りに

しかし甘夏様は余り婚儀に

執着を感じませぬが・・・

お気にし過ぎではありませんか?」


「彼女はどうでも良いの💢

問題は殿下のお気持ちなの‼

私以外を求めていらっしゃるなんて

とんだ笑いものよ‼💢💢」


「お前達下がりなさい。」

乳母のアンは密偵とメイドを下が

らせた。

人払いをした後アンは、諭すような

口調で優しく言った。



「皇女様、

国の主たる御方は、愛人や

何人かの奥様は娶られるもので、

レイ様だけではございません。」


「嫌よ‼

お父様も笑ってらっしゃって

男は云々と仰るけど

嫌なの‼」


まあまあ

「ミリアン様、大丈夫ですわ、

こんなにもお綺麗で可愛らしく

あられますもの

殿下のお気持ちは直ぐ、ミリアン様

へと傾きます!」


「聞いていないの?

彼女は稀に見る美人らしいじゃない!

許し難いワ‼」



「まだ殿下と何かあった訳では

ございません。


そう言う行為は

第一夫人との婚礼の後と決まって

おります。



お父上様に何かお考えもあると

聞いております。

様子を見られてはいかがでしょう?

下手に動けば破談になりかねません。

よろしいのですか?」


「駄目、ダメよ!

殿下に一目惚れしたのは

貴方が一番知ってるじゃない‼」


「そうでございます。毎夜遊びに

抜けて出て行かれ、朝帰りの毎日

そんな姫様をわたくしは

常にご心配しておりました。


私用で訪ねてこられた殿下に

感謝申し上げたいくらいです。

殿下とお話されるお姿は

まさに乙女そのもので御座いました。


「ん~モウッ‼

顔を見たらアンはその話ばかり‼」


「いえいえ、姫様、わたくしは

姫様の乳母で御座います。

姫様のお気持ちに添い

必ずや姫様をお守り致すつもりで

おります。」


「うん。

アンありがとう。」



その頃、

ブルーの三角巾で頭を覆い

水色の上下にビニール製の、長い

エプロン眼鏡にマスクに、白い長靴

右手にデッキブラシ

左手に、雑巾、消毒液を入れたバケツ

そう、今日の甘夏の仕事は

全館の、便所掃除‼


洗剤を巻いてゴシゴシゴシゴシ

お給料も出るし、やるしか無い‼

頑張るしか無い。

今日は宮中晩餐会があるから特に

丁寧に、とエドワードから念推し

されている。


業者の中に入って、総勢40人の

トイレ専門

専門家は手馴れてるし仕事が早い

初心者の甘夏は付いて行くにも

ヘトヘト

朝から夕方まで頑張っても余り

進まない。


突然いい香りが鼻を抜ける。

(´・●●・`)

晩餐会の料理が会場へと移された。

ちょっと中を除くと

きらびやかな外装と沢山の花々が

飾られオーケストラのリハーサルが

始まった。


ハァ.。*♡いいなぁ~

羨ましい‼


「コラ、新入りコッチコッチ‼」


「あ‼は━━━━━い。」

ウットリとした時間も一言で飛んで

消えた。


バケツを抱え次のトイレへとトボトボ

歩く。

鼻をやっぱりいい匂いがつついてくる。

「昨日から何にもたべてないやん。

飯抜きか?腹へり過ぎて」

甘夏はエドワードに止められていた

規則を破る。



「モシモシ」

そうレイに文句の一つも言わないと

気が済まない‼


「オッ、甘夏、あ‼ごめん

今、接客中なんだ‼」


「な━━━━にが接客中だ‼

働かせるだけ働かせて💢💢

き・の・う・から、な━━━━━んも

食って無いのヨ‼

一日中飯抜きで便所掃除させやがって

💩うんこ見ながらカレーライス

思い出したワクソッ


あんたなんか何様?

あんたの人生に私を巻き込むナ‼

この国の人には殿下かもだけど

私にとっては悪魔だわよ!

この━━━━━エロ

アンタの2号になるくらいなら

山の中で修行して仙人になる‼

飯抜きで大人しくしてると思うなよ!

こぉのぉ~バカチンが‼


師根‼」ブチッ


エドワードに止められていた規則は

レイに電話しない事‼


GPSを付けられていたので

レイは直ぐ現れた。


ポカァーン

「甘夏、その恰好・・・・は?」


「近寄ると匂いが移るよ‼

そう私は便所掃除専門なの‼

フフン

近寄れ無いダ━━━━━ロ‼

ム━(o・`Д´・o)━ヵ!!ヴァカメ!」



「え?あ?ナンテコッタ

なんで便所掃除?は?は?」



「飲まず食わずで働くのは

い━━━━━━や‼

死にそう━━━━━‼


ねえレイなんの為に私を探したの?

トイレ掃除スタッフにする為?

2号なんか絶━━対ならないから‼


チッな━━━━━にがお前が嫌なら

結婚辞めるよ‼ 辞めてみろよ!

出来るわけ無いのに💢💢

思っても無いこと📢言うな

早く自由にしてよ⤵ぉ‼

この姿見たら分かれよ!

バカ殿様‼


早く解放して

私腹いっぱい飯食いたい!」


レイは一言も返せずポカーン


「殿下そろそろ、ミリアン皇女様が

お着きになります。

婚約者として、お迎えしなければ

なりません。」


レイにもGPSが着いている

エドワードが直ぐ現れレイを

引っ張って行った。


ギロッと、睨むエドワードの眼差

しは冷たく光っていた。


「あ~⤵モウッ‼📣腹減ったー‼」


デカい声でレイに投げかける

エドワードがチラッと睨みつけ

レイは首根っこを抑えられ

前に進む、まるで腹話術の人形の

ように‼

多少サボったせいか仕事は終わり

晩餐会の、貴族や皇族が

キラキラした姿で登場して来た。


風情のある馬車もあれば

高級車も列をつないでいた。

絵本で見た晩餐会のようで、しばし

ウットリする。


宮中のシャンデリアが一斉にポッポッ

ダダダダダ━━━━

と一斉に付き出した。

眩しい光を放つデカい宝石箱の

ようで、本当に綺麗だった。


埃臭い甘夏の窓から見える宮中は

賑やかで音楽も素晴らしく、

何よりも甘夏のお腹のトランペットが、

プーファファ ぷふぁふあふぁ⤵~~~

と鳴り止まない!


「よし‼

行くか‼」


シャワーを浴びて、ジャージに

着替える。


エドワードが持って来た服は

紺色のジャージが5組

何故か黒のジャージが一枚

後、下着の上下が5組


洗面用具もホテルにある歯ブラシ

石鹸、タオル(七枚)


「いっこうに、来ない飯の知らせ‼」


待つのが苦手な甘夏は、水を飲む

しかし水は水、炭酸でもあったら

少しお腹も膨らむものを・・・


「グッソォ~レイの奴め

覚えていろよォ━━━━━━‼」


仕方なく上下黒のジャージを着て

宮中晩餐会に飯食いに行く‼


と・・・

‍\\\\ワア━━━━━━👏👏////

と歓声と拍手が上がる!

甘夏はチキンにかぶり付ながら

歓声の方をみる。


丁度レイがミリアン皇女をエスコート

して入って来た。

面々は皆が2人に釘付け。

甘夏は誰の目にも止まらず

,ムシャムシャゴックン ウメエ。


一斉に音楽が流れミリアン皇女と

レイは見つめ合い微笑み合う。


『ふう~ん、お似合い、お似合い』


豪華盤、ホアグラやキャビアを

挟んだ美味そうなサンドイッチに

舌鼓ウメエ⤴ペロン

もう食い放題、黒のジャージ姿

だから、角に立つと保護色になって

あの喧しいエドワードからも

見つからないし、怒られない。


うほほーい、うほほーい‼

レイはシルクの黒のスーツに

紫色のシャッ、青い蝶ネクタイに

髪をバシッとスプレーで硬め

チョーイケメン‼


ミリアン皇女は赤いカクテルドレス

にダイアモンドがいっぱい付いた

ティアラにまたまた豪華なダイアの

ネックレス‼

ブラウンの髪が処々キラッキラッ

美しい。


さすが皇女様‼

大人な雰囲気、黒い瞳も

赤い唇もレイの隣に立つと

凄━━━━━く素敵。


2人のこぼれる笑顔はお互いに

向けられてイチャイチャにも

見ようじゃ見れる。


『チッ、私には飯も与えない癖に

馬ですらちゃんと食ってるのにぃー

馬、以下かよ‼


又馬の飯に手をつけるぞ‼


ニャアニガー第二夫人カヨ

2号は飯無しか💥💢

2号は自分で飯調達カヨ、

ムカつく😤‼』

と思いつつもあの側近のエドワードに

内心見つからないかキョロキョロ

┣“キ┣“キ‼


2号飼うなら飯ぐらい腹いっぱい

食わせろ‼つ━━━━━の‼

甘夏はガツガツ、ガツガツ

野生のイノシシの様に喰い漁る


腹鼓が出来上がった頃

急に寂しくなって人間の心が返って

来た。


『あの二人よくよく見ると

お似合い‼』

レイも仕立ての良さそうな服、

どう見たってジャージ姿の甘夏とは

月とスッポンポ━━━━━ン✖


残りの料理を食い漁り、食っとか

無いと飯抜きの日々がどんだけ

続くか分からん。


パンを持てるだけ持ってバナナは

ポケットにin

ジャージの後ろポケにはソーセージ

口の中には🍇


『ん?帽子が捨ててある?』

オシャレな帽子に食料を詰めて

甘夏はトンズラ

👒は又返して置こう。


レイに、晩餐会の飯を食ったと

メールして、朝、昼、夜の

ご飯を要求‼


無い時はレイの馬の飯を横取りする‼

と脅しをかけておく!


アルベルトの馬の餌を横取り

するのは失敗しだが

あれで少しは要領が分かった。

要求をかけると携帯は用済み

レイと繋がる様に持たされた携帯

をグルグルグルグルバ━━━ン💨


携帯は噴水目掛け飛んでいって⤴

ポッチャ━━━━━━━ン⤵⤵

є(・Θ・。)эプクプクと沈んで行った。


軽く甘夏の口から

フンザマ━━━━━━ア‼


想いは断ち切らねば!

レイと過す未来はこの時に棄てた。


もうカワンさん、ヨンスンさん

張蘭以外は信用しない、レイも

当てにならない!

鼻伸ばしやがって‼⤵ムカック


多分刺客も入り込んでいる

そして私は命を、狙われている。


そそくさと退散している時

数人の男とすれ違った。

「出ていけ‼

今度は間違いなくコロす。」


パッと甘夏は振り返る・・・


「アイツは・・・」

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