第13話 🌻第2夫人は妾とは違う。

「エッ・・・驚きしか無いんですケ

ド。もう関わらないと言う約束を

殿下自身で違われますか?」


レイはバツが悪そうな顔をして

ん、ンンン!


その一言に管領、裁判関係

そこに居た全員が声をあげた。

「ハハァ━━━━━━━━ツ」

全員頭を下げ、ひれ伏した。


《《その約束を聞いたものは

ここにおるかー📢》》

リラはその声の大きさにビックリ!


年老いた大臣、現役役職、護衛兵は、

顔を見合わせ

「オホン、コホン、ケホン」

暗号のような咳払いのあと、一斉に


《《ハハーツ‼ 聞いては、

おりませぬ ━━━━━⤵》》


とレイを見て又頭を深ーく下げた。

リラは笑うしかなく、引き攣りながら


「Oneチームかよ。

計画されてんのかよ!」


リラは逃げようかと思ったが疲れるし

せっかくだから暫くお世話になる事に

した。

メイドも三人付けられ同じ年頃の

娘達だった。


GパンとTしシャツを

ゴミ箱に放り込まれたが隙を、

見てベッドの下に隠した。


毎日チャラチャラした服を着せられ

髪を結われ、

お人形さんみたいになった甘夏を


レイは目が垂れまくる程眺め

毎日、毎夜現れた。


そんな溺愛めいた噂も城を飛び出し

一人歩きを始めた。

当然、王や、王妃の耳にも入る事

になる。



静かなティータイム

王妃、ユアンは王に・・・


「あなた、今王太子の噂を

ご存知かしら?」


黒い瞳を瞬かせキッイ表情で、

夫であるモーリン レオナルドを見る。


「どーしたのだユアン

そのような目は似合わぬぞ・・・」


ハーブティーから口を離しナイスガイな彼は青い瞳を綻ばせ

ユアンを愛おしそうに見た。

既に60を越えたグレーの髪は

きちんとカットされ

清潔感を漂わせ王の風格を

表している。


「だってあなた、4月には婚礼を控えておりますのに、もしお相手の勘に

触れでもしたら、どうなさるのかしら?ご心配ではないの?」

ユアンは王より15歳下だ、王は遅く

結婚した。


四人の夫人とはレイが生まれてからは

関わりを持たなかった。


王座争いを避ける為

子供を作らなかったのだ。


唯一、ユアンだけの夫として、

生きてきた。


ふふふ

「結納の時に、こちらは第5夫人迄

娶ると話は付けてある。

それを承知して婚姻を決めたのだ

ユアンの心配する所では無いぞ。」



「だけどあなた、甘夏と言う娘は

嫁は1人にするべきだと、レイを

説得していると言うではありませんか?

もし、破談にでもなれば戦は避けられ

無いのですよ!」


「フウム、で‼ 王太子はなんと

申しておるのだ?」


「御自身で確かめられたら

プィ」


頭に来たらしい王妃は



とけたたましいドア音を響かせ

出ていかれました。

ソソソと王妃付きのメイドが後を追う。


この所終始ご機嫌なレイはすこぶる

順調に仕事をこなしていた。








執務室にスーツ姿の王が尋ねて来た。

突然の訪問に、皆に頭を垂れて

腕を掲げ礼をとった。


「良い良い!

スーツで来た意味が無いぞ!」


柔らかい表情で皆を見る。

「父上、どうされたのですか!!

お珍しい。」


「う〜む、噂を聞いたのだ

王妃が心配しておるのだよ、

お前はあの娘を娶るのか?」


「はい‼

父上、甘夏は絶対離しません。

娶るつもりでおります。」


「では、グランバーリン国

ミリアン皇女も第1夫人つまり正妻として娶るのだな‼」



「エッ・・・それは?」

目を泳がせるレイに釘を指すように

王、モーリン、レオナルドは言った。


「娘は何処の皇女なのだ?」


「今は言えませぬ!

事情があるのです。」


王は少し伏し目がちなレイの目を

見逃さなかった。


「断るのは良いが、それなりの

説得をせずばなるまい。

民を苦しませる事だけは避けねばならない。


国と国の火だねになる事を頭のすみに入れて、置くべきだぞ!」


「御意」

レイは深く礼をした。


王はそれだけ忠告するとダンディな

姿で静かにお付きの者達を連れて

出て行った。


ドアの横でエドワードも話を聞いていた。


「どうする?レイ‼

道は二つだ‼

甘夏様を説得するか?

破談にするかだ‼


・・・

一国の王となられる、おつもりなら

言わずと、分かっておられましょう。」


エドワードはキチッと姿勢を正し

頭を下げて颯爽と出て行った。


エドワードの後ろ姿を眺めながら

……( ๑´࿀`๑)=3

と溜息をついた。



その夜🌙*.。★*゚


「甘夏様、王妃様がお呼びです。」

ドアを開けて入って来たのは甘夏付きのメイドと王妃付きのメイド長だった。

レイとゲームが終わり、レイが自室に

帰った頃を見計らう様に現れた。


甘夏のメイド、サラは少し心配そうな顔をして甘夏を見た。


サラは同い年で気を使わない様に

甘夏は

「私すぐ出て行かされるから

敬語なんて無用だからね!

だって私町娘なのよ。

仲良くしましょう。」



と言っていた。サラも甘夏は、

気難しい人と聞いていたのでかしこまっていたが、本当は気配りの出来る

気さくな女性だったためサラも心を開き仲良くしていた。


急にメイド長と言う、サラの偉い

上司がサラを尋ねて来た事

でビビっているのだろう。

サラは偉く緊張している。


「分かりました。

サラは、もう帰って休んで

私一人行けばいいんですよね。」


メイド長は

「勿論です。」


冷たい表情でしっかり答える彼女を

見て、王妃様には歓迎されない事が

良く分かった。


サラは軽い桃色のショールを肩に

かけて心配そうな顔を隠せないでいた。

「サラ‼ 明日もあるから

早く休みなさいね。」


甘夏はニッコリとほほえんで

サラの👂元で

「クソBBAには負けんなよ。」

とささやいた。


《チラ》

メイド長の視線が2人を見た時

クスッとサラが笑った。

《ん‼ンンーッ》

軽い咳払いを飲み込みサラの顔から

不安な様子が消えた。


部屋を出るとメイド長の他に

二人の護衛兵がついていた。


彼らはピッとした軍服を着ていて

体格のいい笑いもしない真面目な

人達だった。


甘夏は痩せたゴボウみたいな背の高いメイド長を見ながら首を捻った。


御歳70を超えていそうなのに

護衛兵と変わらぬ歩きで姿勢もいい


「このおばちゃん、只者ではないなー

足、早っ‼」


甘夏のマンションの大家さんも

70代、グルコサミンや、コンドロイチンなどのサプリメントを取ってると

聞いた、足腰弱り出すお年頃なのに


彼女はスタスタスタ


「甘夏様」

「はっ、はいはい‼」

彼女は不審な顔をして


「お返事は一回‼」


「ハイ‼」

と甘夏はビビリながら答えた。


メイド長は護衛兵に目で合図をすると

護衛兵は甘夏に目隠しをした。


「悪く思われませぬように、

ここからは王家のみのお部屋でございます。一般のお方は大臣達も立ち入り禁止でございます。」


「はぁ〜で‼」


「本来ならば本妻であられる御方

つまり第一夫人のみ入室出来る

お部屋のみで御座います。


お妾様は御遠慮頂いております。

ですが国の一大事ゆえ入室を許可

されておるのです。」


「あーはいはい!

分かりました。然し私は

妾にも愛人にもなる気無いですから

その発言は失礼ですよ。

おばちゃん。」


ボソッ

「鼻っ柱の強い娘」

囁く様な声だったが甘夏には

しっかり聴こえた。


おばちゃんの足はさっきより可也

早くなり目隠しされた甘夏は必死で

着いて行った。


エレベーターを乗ったり降りたり

を何度か繰り返し・・・


サカサカサカと歩いていた足が止まった。

「甘夏様を

お連れしました。」

その声と同時に目隠しを取られた。


「お入りなさい。」


ドアが開くとメイド長のオバンも

護衛兵も入らず甘夏だけが

「甘夏様どうぞ、お入りくださ

いませ。」


愛想の無い声でメイド長に促され

オズオズと入った。

まるでおとぎ話に出てくる

フリフリフリのレースカーテン

豪華な煌びやかな家具の数々

まるでベルサイ〇ー宮殿を思わせる

様な内装‼

見てるだけで目がチカチカ‼


どうやらお妃様は光物がお好き

らしい。




「お前が甘夏か?」


「はい。」

ここで普通なら

“よろしくお願いいたします“と言う所ではあるが、よろしくお願いいたして

欲しく無いので軽い返事ですませた。


「こんな時間に呼び出して

申し訳ない。」


「はぁ、いえ、大丈夫です。」


「あまり人に聞かれたくない話し

ゆえ・・・フ━━━ッ」


甘夏も深い溜息を吐かれいい気は

しない。


「甘夏‼ 単刀直入にいいます。

レイの事は諦めてほしいのよ。

レイがあなたを手元に置きたいのは

良く分かります。


貴方は賢そうで

愛らしい。」


予想どおりの構成に笑いが出る。


「もとよりそのつもりです。

殿下とは友人であり、それ以上も以下でもありません。


早く外に出られるように御口添え

ください。」


王妃は甘夏の言葉にポカーン


「で、では皇女ミリアンとの事も

知っておるのだな?

良いのか?婚礼の3ヶ月は城の

塔に籠り身を清める風習がある


つまり正妻に操を立てるのです

お前との繋がりも一旦切れるのですよ。分かっておるのか?」


「王妃様、私は殿下の事がずっと

心配でした。


然し立派になられていた

それを知って満足なのです。


妾、2号なんてなったら

親泣きますし、とんだ親不孝ですワ」


本当に良いのか婚姻前夜は

渡りが行われるのだぞ

取り乱さぬ様に心得よ!」


「そんなぁ長い期間居ませんって

直ぐにでも出たいんですってバッ」


甘夏のぷーo( `ω ´ )oっと膨らんだ

ほっぺたを見てユアンは目を丸く

して笑って言った。


「皆殿下を欲しがると言うのに

お前が妾でもあの子は、おまえを

一番に思っておるようですよ。


お前が望めば宝石でも服でも

用意出来ないものは無いのですよ。

これ以上何を望むのです?」



「いえいえ、私達は友人です。

宝石貰う理由も、服を頂く理由も

あーりません。」

(何度も言ってんじゃん。)

(いい加減分かれよー!)



「ん?何か言ったか?」


「(( 'ω' 三 'ω' ))いえいえ何も

言ってません。」


「ふむ、おかしな娘よ。」


「いえいえ、私も早くカフェに

帰りたいのです。


あのドラ息子、いえ殿下に

お口添え下さい。

わたくしも暇では無いのです。

こーんな硬っ苦しい宮殿には

居たくないのです!頼んますよ!」


「町言葉はよく分からぬ

お前は面白い娘だな‼」


「ん?普通です。」

お后様は甘夏が気に入り夜更け迄

話混んだとゆう。


街の話や村民の話

酒屋や、花屋、王妃の知らない

珍しい話・・・

「成程、賢い娘よ、レイも

判断を悩むのは分かる気もする。」


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