第12話 🌻リラ捕まる。
アルフレッドの出立を見送ると
国は白み始め太陽が登った。
朝の少しヒンヤリとした空気が
和らいできた。
アルフレッドの話の通りなら
刺客はかなり入り込んでいる。
自分の危機より、国の危機が迫って
いる。
レイは触れを出し国中の一人一人の
身元を調べあげた。
流れ者、浮浪者 身元不明の者達の
リストを一人も漏らさず作りあげ
騙し手口や囮を使い、捕まえた。
勿論密偵で無い者達も沢山いた。
然しその中に例に漏れず
リラも当然お縄になった。
密偵の条件にピッタリとはまる
行方不明のリストにも載らず
隣国出身でも無い‼
確かに誰が見ても怪しかった。
リストを見たレイの顔は強ばり
青くなり、怒りを表していた。
「この娘‼
私が直に取り調べる
引き出してまいれー💥💢」
カフェを兵隊に囲まれ
何事かとカワンもヨンスンもリラの
援護に回るが取り入って貰えず
せめて取り調べには立ち会わせて
貰えるように頼んだが
聞き入れて貰えなかった。
「この子は記憶を無くしているんだよ
取り調べはむりなんだよ‼
殿下もご存知のはず‼」
必死に叫ぶカワンの声も兵隊には
届かない。
「殿下のお達しなんだ
隣国には、家出人捜索も
探し人もそのような娘
も居ないとの事‼
誰も見た事の無い娘なのだ!
我々にはどうする事も出来ない。」
リラは軍隊の車に乗せられ呆気なく
連れて行かれた。
リラはガタガタと震え恐ろしく
なっていたが、レイに会えればなん
とかなると腹をくくった。
甘夏の事を、思い出しもしないレイに
一発噛ませるチャンスだと思えても
来た。
そう思うと気持ちが落ち着き
ワナワナと闘志すら湧いて来た。
レイは北地から急いで馬を飛ばし
城に帰って来た。
レイが城に着くと直ぐ取り調べが始まった。
城に作られた法廷には玉座があり
レイを真ん中に尋問が始まった。
その第一号はリラだった。
「リラ、久しぶりだな‼
元気だったか?⚡」
「フン‼」
リラはレイの顔を見るなりソッポ向いた。
「は?‼
リラ、お前の雇い主は誰だ‼
お前は、何処の国の者だ?」
「は?((( ̄へ ̄井) フンッ!!」
顔を背けるリラにレイはきつい口調で
言い放った。
《《世を消すつもりであったか💥
亡き者にするつもりであったか‼》》
首を横にしていたリラは遂に
その一言に、ブチギレた‼
「は?は?はぁ?
あんた消したってー
なーんもならんワー
わたしはぁーなんもしてない。⛏️」
「では、聞くがー⚡
何故身元不明なのだ?⚡
この国はお前が思っている程甘くは
ないのだぞ‼
裏切り者にはそれ相応の刑が加される。
「は?は?アンタは馬鹿か?」
「コレッ、殿下に馬鹿とは
無礼者‼」
リラは「フン」と目を瞑りプイツ
「シラネ!」
更に黙秘権を使いリラはダンマリ
を決め込んだ!
『こうなりゃレイと我慢比べだ‼』
「強情なヤツめ‼
良かろうお前が喋らぬならば
こんな事はしたくは無いが
お前の勤めるカフェを営業停止
にする。‼」
勿論、それはレイの騙しの
テクニックだ、カワン、ヨンスンは
レイの長年の知り合いだ、
チョイとリラを脅しただけだ。
『カワンさん達に迷惑がかかるの?
どうしょう。』
「お前は バン💥💢💥‼ 誰だ‼」
言わなければ、分かるな‼」
レイは護衛兵に合図を送った。
護衛兵がスックと三人立ち上がり
席を立とうとした時、リラは重い
口を開いた。
「リラは、私の名ではありません。
私の・・・名は・・。」
シ━━━━━━━━ンと静まった
法廷は、リラの言葉にザワザワしだした。
《《誰に雇われた!
お前の主の名前を言え‼
💢💢バアアン》》
レイは愛しい、惚れまくったリラに
裏切られたと勘違いして、
その怒りは収まるものでは無い。
可愛さ余って憎さ100倍
法廷にいた誰もがこんなレイを
見たのは初めてで、
恐ろしささえ感じていた。
ただ一人リラだけは
『コノヤロウ』
とムカついていた。
「では申し上げる代わりにお約束
下さいませ。
無実の罪で捕まり、
このような辱めを受けあらぬ疑い‼
無実が証明された時、
殿下は私に関わらない、探さない!
会いに来ないと、お約束下さいませ。
それでないと口を割ません。」
レイは高笑いをしながら
「お前をたずねる?探す?
何の話だ、たかが小娘一人この
私が?ハーッハハハ」
「お約束下さいますか?」
━━━━30分経過━━━━
━━━━━━1時間経過━━━━━━
自分はリラを好いている。
私を睨む愛らしい目に
釘付けにされている。
然し密偵となれば国を滅ぼすアリ1匹
・・・どうする?
フム‼ 我に取り引きを持ちかける
パチンパチンと扇子で膝を叩く‼
フムその度胸に免じて
「良かろう。
私が納得するように身の潔白を証明
してみろ‼
私を欺いたら首を跳ねるぞ!」
「はああぁ、幼なじみに良くそんな
話が出来るわね!」
(⊙…⊙ )「幼なじみ?」
リラは息もつかづに話だした。
「私の名は、殿下と幼少の頃より
仲良く、昼寝したり食事したり
それはそれは仲良くさせて
いただきました。
殿下と狩りにも行ったし山の中で
一夜を共にした事もあります。
あの頃は私に自分の着ていた服を
かけて、寒く無いかと肌を寄せて
くれました。
同じ人物とは思えません。」
玉座に手を付き顎を乗せて聞いていた
レイは!!!( ಠдಠ)ハッ!!!!
「あの頃は殿下はお優しくて
私を迎えに必ず来ると約束して
くださいましたよね。
私の名は・・・」
甘夏・・・か?
レイは玉座を飛び降り
縄で繋がれたリラに向かい走り寄った。
ボカッ‼
リラは飛び付いたレイを
足で蹴飛ばした
(+。+)イテッ!
「まだ聞けよ!」
「あっ😵ああ、すまん。」
「殿下から頂いたネックレスを取られ
人買いに売られそうになり
命まで落としそうな所を、ヨンスン夫妻に助けられました。
この国で殿下だけが私の身の潔白を
証明して頂ける唯一のお方と、
思います。」
レイは暫くァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、
放心状態。
コンコン🔨
裁判長の木槌の音にレイは
Σ( ⊙д⊙ )ハッ!!!!
我に帰ると・・・
「甘夏、なんで早く申さぬか?
アワ ワワ?」
レイは言葉にならぬ言葉を吐き
ドタバタドタバタしていた。
「私は直ぐ殿下と分かりました。
が・・・
殿下は何度と無くお会いしても
気づかれないがまま
殿下に婚礼のお話があると聞き
このまま、名乗らず黙ったままが
得策と思いました。
これで私の、お妾さんの話は
無しでお願いします。
殿下ともあろうお方が約束を違えるなど御座いませぬように、・・・
( ̄ ^  ̄ ๑))プイッ👅」
レイはぶっ倒れたまま叫んだ。
「リラは無実じゃ
私がある国より呼び寄せた。
リラは城に留める
私の客人だ‼」
「∑(꒪꒳꒪;)エッ‼
約束聞いてました?」
リラは話が違うと
(殿下の👂元で叫ぶ)
「殿下に申し上げマース📣約束は?
ま、も、ら、ないと‼」
「死罪になりたいのか?
何年待ったと思うのだ。
甘夏、会いたかったのだぞー」
・・・
「殿下、約束は?」
リラはもう一度声高々に聞いた
殿下ー約束は?
「甘夏と分かれば約束等無シ‼
水くさい!
我らは家族ではないか?
約束など無いワ‼」
(ꐦ°᷄д°᷅)はぁ?💢
甘夏は怒りにも満ちた呆れた
顔をした。
レイは予定を繰り上げ2ヶ月で
城へ戻った。
城の中にも急に行方をくらました者や
自戒した者、捕まった者が多数いた。
その者達は順を追って裁判が開かれる。
自害した者にも当然調べ上げ
記録を残す。
勿論、不法侵入者は余程の理由が無い
限り調べあげた上でマノライ国の
民として迎えられる事になった。
人々はレイに感謝した。
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