第10🌻話鷹のネックレスの行方

三人衆の嫁は殿下の客人扱いなので

夫達は、一列に立ちピッと背筋を

正して御見送り。

嫁達はレイ専用の車でエドワードに

連れられご帰宅。


「みましたぁ﹏チャーリーの顔」

「キャハハハハウケるぅ﹏ 」

「ざまぁみろ‼ですわ﹏w」


「これで浮気でもしてみろ‼

オサラバーですわホホホ」


妻達は長年の鬱憤を晴らすように

高々と笑い声をあげた。



「おお、エドワード御苦労。」

ニヤニヤしながら帰って来たエドワードにレイは声をかけた。


「ああ、結婚とは恐ろしいな

三嫁を見てつくづく考えさせられ

た。 」


「旦那の悪口だろう。」


「ああ、凄く楽しそうだったよ。

で?

良い案はうかんだのか?」

人払いをして誰も居なくなれば

レイとエドワードは友人にもどる。

口調もタメ口になる。


「ああ、リラとは暫く会わずに

自分の気持ちを確かめて見ろ

的な流れになった。


それで我慢出来るか考えてミロ

みたいな事を言われたよ。」


パンパンパンエドワードは

拍手しながら

「オー中々の名案な‼

さすが三人衆の嫁だ‼

的に合った事を考えついたもの

だ。」


スツとした身の子なしのエドワード

から滲み出る品格はレイと変わらない

エドワードは幼少期よりレイの

側近として教育を受け

レイと同じように武道を嗜んだ。


そして同じように育って来た。

表向きは側近でも、信頼より

硬い絆で繋がっている。


それから三日後レイは体調回復の

為と称し北の温泉地へと出発した。


期間は3ヶ月

本当の理由はリラと会わずに

耐えられるかの検証。


会えずに居られたらば

リラの事は諦める。

然し耐えきれなければ

ミリアン王女との婚姻は破談。


戦をかけた勝負に出た。

戦にならぬように、

賠償金で賄えるのならばそれ相当の

金額を提示するつもりだ。



レイが静養に城を出た事はやがて

国の内外に広まるだろう。


反逆者が出ないとも限らない。

攻め込まれた最悪を想定し

戦闘態勢を整えいっでも戦える様に

足元を固めた。


戦闘機、軍艦、地上戦を踏まえ

何時何が起きても国民を守る調整は

整った。


攻め込まれた時を想定し幹部を集め

ネズミ1匹入れないように

シュミレーションを繰り返し

追い込み方や罠の

掛け方を抜かりなくし、

頭の良い人材を選別し

箇所、箇所に配置。

日夜訓練を開始した。


酒場、商館、市場、港、空港

ありとあらゆる場所に密偵をいれた。


国を守ってこその王太子。


自分達の国は自分達で守る。

殿下が帰られるまで、

をスローガンに皆頑張る気を出して

くれている。


レイが国民に愛され

支持されているのが良く分かる。


1番北のサンイリアーナ地方は、

山沿いで温泉地冬場は少し気温は

下がりかなり寒い地方だが今は4月少し

動くとじわりと汗が出る。


ココだけは春と秋が無いように

季節は飛ぶ冬が終われば夏が来る。


山間部なのに静かな町も

殿下が来る情報が流れていたせいで

人人人。


殿下を乗せた車は関わりを経つように、

こんもりとした山の中へと入って行った。


三人衆が車の運転を代わり専属の運転手は、用意してあったワゴン車に乗り換え、何人かのお付を乗せ

分からないように山を降りて行った。


此処からは三人衆と、医者と

コック二人


合わせて7人の生活が始まる。

小さな家に7人で住むことになるが

居心地は最高だった。

コックも長年

レイの食事を担当している

70過ぎの2人だ、長年の感謝を込めて

温泉で静養して欲しい。


最近腰痛があるみたいなので

王太子命令で静養に連れてきた。

レイなりの心尽くしだった。


その間レイと三人衆は変装して町に

検索に出る。


やはり色々人の生の声を聞くのは

かなりのメリットだった。


ある日の夕方レイは

三人衆を連れ立ち酒場へと

繰り出した。


窓際の席に座ると、オーダーを

取りに来た女性を見たレイは、

暫く動け無かった。


綺麗な丸い目、清潔そうな身なり

栗色の髪は緩く編み込みされて

纏められていた。


酒場には似合わない女に思えた。


彼女の容姿に見とれた訳では

無かった。



彼女の首にはレイが甘夏に渡した

鷹の羽のネックレスが揺れていた。


動揺しながら、

「とりあえず酒と唐揚げ

三人衆の好きな鹿の肉それに

何かつくろってくれ。」


三人衆はガタイがいい、

兎に角食べる食べる。


料理が運ばれて来ると三人衆は

ガツガツと食いついた。


この、静養に主君は無い。

三人衆もお忍びだと心経て

バレ無いように気配りする。


然し、レイが心ここに有らずと

3人は肉を食べるスピードを落とす。


「殿下?どうなされましたか!」


「ん?何がだ?」


「いえ、先程から・・・

何か気になる事でもあられました

か?

食が進まないのでありましたら、

何か違う物を

頼みましょうか?」


三人衆のジンが心配そうに聞いて来た。


「ああ、大丈夫だ。

ちょっと考え事をしていただけだ。

ジン、あの子の事を調べてくれ。」


レイは忙しそうに動き回るさっきの

彼女をジンに目で合図した。


「はい、分かりました。」

三人衆のチャーリーと、マークも

聞かないような振りをして

食事を取りながら聞いていた。

他の誰にも悟られてはならない。


ジンはロックのウイスキーをゴクゴク

飲み込み、酒臭い息を吐きながら

カウンターに座り客の、

何人かと飲みなおし出した。


「おー奢るぜ!楽しく飲もうや‼」

少し出来上がった何人かに声をかけた

客は酒のせいか色々口の回転が良かった。


「あの子可愛ーな!」


ジンはヨロヨロよろけながらワザと

酒臭い息を吐き女の子を捕まえ

さっきの子の事を聞き出した。


「あーあの子ね、最近入ったのよ

あの通り可愛から客受けいいのよね。」


「へぇー何処から来たんだ?」


「酒場の女には色々苦労があるの‼

聞かないのも、ここのルールよ。」

とそれ以上は聞き出せ無かった。


あのネックレスは

来た時はしていたようだ。

三人衆もあのネックレスを、気にして

いた。


「なんせ殿下と同じ形の羽で

ありましたから。」


三人衆は

レイの腕に光るブレスレットの

羽の形を見て頷いた。


チャーリーもジンもマークも

仕事柄、良く見ている。

3人は、わずかな違和感を感じていた。


彼女を捕まえ

「このネックレスは何処で手に入れた

お前は甘夏なのか?」

と、問いただしたかった。


三人衆には10代の頃中の良かった

少女に渡した物だと説明した。


まだ、幼い頃の事ゆえ真意が分からない。甘夏のようでもあり、違っても

見える。

今何処にいるかも分からない。


あの時の呪文で

ここまで飛んできたのか?

いや、それは、無いだろう。



「あのネックレスだけが真実を

知っている分けか‼」


「任意同行して聞きだしますか?」


「嫌、怖がらせたくは無い‼

様子を見よう。


ガラの悪い男達も入り浸っている

バクチめいた事も臭っている。

目立つ事は辞めておこう。」


もう少し北へ行くと

怪しい輩も何人も出入りしていると、

密偵から知らせがあった。


酒場には酔っ払いは付き物でここらの

山からはつい最近鉱山が見つかった。


見つかったばかりだと言うのに

金目当ての商人達は競って

土地買いに走っている。

急いで政府が押さえたばかりだ。


何処からか秘密事項が

漏れているとしか思えない。

レイが静養地に此処を選んだのは

その、きな臭い噂を耳に

したからでもある。


「マリーさっきアンタの事

興味ありげに聞いて来た人

いたわよ。」


マリーは少し青ざめながら、

「へ、へぇーどの人?」

と同僚のマーガレットに、笑いながら

聞いてみた、然し心穏やかでは無い。


「ほらあの体格の良い

イケメンよー

マリーってモテるねー

羨ましい。」


「ああ、あははそう・・・かな?」

マリーは少しきょどっていたが

直ぐ平静を取り戻していた。


マーガレットは金色の髪を梳きながら

「結構金持ちそうだし

狙い目じゃない?


きっとアンタに惚れてるわよ

ほら、こっち見てる。」

マーガレットはジンに手を小さく

振りながらニヤニヤしていた。


どうやらマーガレットもジンを、

気にいった様子だ。


「まさかぁーマーガレットの思い

過ごしよ。

だってあなたを見て

ニコニコしてるしターゲットは

マーガレットじゃない?」



「そうかな?」

マーガレットは

エプロンから口紅を出して

カウンターに屈みこみ、

化粧直しをしていた。


「私達の仕事ならこんなの

しょっちゅうよ、

気にしていたら酒場の女は

勤まらないワ。」


マーガレットは紅く塗った唇を

パッパッパ

と鳴らしながらジンに向けて

愛想笑いに目をパチパチさせた。


ウッ…ジンはマーガレットを

見た途端寒気に襲われた。


悟られないようにマリーは明るく

振舞ったがドキドキは

止まらなかった。


マリーと言う名は偽名だ、

マリーには悲しい過去と現実あり、

本当の名前を隠す意味があった。


まともな場所では働けず、

保証人も要らない住む場所もある

訳あり女の働ける場所は

なかなか無い。


やっと見つけたこの場所を去る訳に

は行かなかった。


マリーは地ビールをレイの席に

4杯持って行った。


一同の目が異様に光ったのを

マリーは気づかなかった。


見た目怪しくもなく

普通の娘だ

どうやってあのネックレスを

手にしたのか?

甘夏に渡した唯1品の品


あれはレイが作った唯一の品

レイが見間違う物では無い。


甘夏が来ているのなら

何故会いに来ない、

マリーと言う女はよくみると

甘夏にしては歳が行っている

確実にレイと同い年ぐらいか

その前後

甘夏はレイよりグッと歳下


甘夏では無い。

これはハッキリした。

では?どうして甘夏はネックレスと

離れたのだ?


生きているのか?

それとも・・・


そんな事を考えているとリラの顔が

ボフンと浮かんで来る。

リラに会いたい♥

まだ4日しか経っていないと

言うのに・・・


レイは冷たく冷えたジョッキを

一気に空けた。


三人衆も酒が進んだのか

ほっぺがリンゴみたいに赤い

普通の酔っ払いになっていた。


















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