第六話 仕合会場入り

 男1女1のミックスチームはJR新宿駅中央東口に到着した。「気の国や書店」のある歌舞伎町方面へと歩を進める。

 将人、いや『まい』の女装の仕上がりの良さに、歌舞伎町へと向かう何人かの男たちがチラ見したりしていく。実の女性である「ゆい」もびっくりしている。

「将人、すごいわね。男どもが振り向いていくわ。私の方が嫉妬しちゃう」

「ふーん、鏡がないから実感ないなぁ」

「まあ、いいわ。「芳文」さんにばれなきゃ良いわけだし。じゃぁ、待ち合わせ場所に向かってくれる?」

「OK」

  二人は「気の国や書店」に向かう分岐点で一旦別れた。『まい』は書店方向、『ゆい』は「ファミコンマート」の方面へと向かう。

 数分歩くと書店が見えてきた。そういえば、『まい』は「ゆい」から「芳文」の目印を教えられていない事に気付いた。

「あ、どうしょう」

 スマホを早速取り出す『まい』。姉の「ゆい」にLIKEで連絡を取る。が、レスポンスがない。『まい』は焦った。が、 仕方ないので、取り敢えず書店に到着する事にした。すると『まい』の携帯に「ゆい」から写メがLIKEで送られてきた。ふむふむ、とそれを眺める『まい』。ターゲットである「芳文」のルックスは確認出来た。メッセージにはこうある。

「結構若い服装をしている場合多し。『まい』としてのメッセージはターゲットに送信済み。書店を出た後コンビニに向かうべし」

<了解!>

『まい』は書店へと向かった。

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