2-10.ゴーディアンの資料本

 平成時代に入り、昔の大百科をアップデートしたロボットアニメ資料本が多数発売された。しかし、その多くがデリンガーの「赤光剣しゃっこうけん」を「灼光剣」と誤記している。放送当時では見られない誤記で、どこから来たのかが気になる。アニメを当時見ていた執筆者が音から推測したのかもしれない。放送当時はむしろ、読み方を「セキコウケン」と間違えられることが多かった。


 ゴーディアンの設定資料は当時アニメ雑誌でも特集されず、LD-BOXの資料集や『スタジオ・ぬえのデザイン・ノート』くらいしかなかった。この流れに風穴を開けたのは、銀河出版の『マテリアルシリーズ③ スーパーロボットマテリアル(タツノコプロ編)』(1999年)である。

 この本はタツノコのロボットアニメ3作品『ゴワッパー5ゴーダム』『闘士ゴーディアン』『ゴールドライタン』の設定資料集になっており、初公開の資料も多数収録されている。ゴーディアンについては一部『スタジオ・ぬえのデザイン・ノート』から流用されているが、ジェロニモ16世やドブロフ、アンナ等、貴重なキャラクター設定画がある。

 さらに、各回のマドピューター・闘獣士を紹介し、名前を載せているのが一番のポイントである。ゴーディアン本編では当時多くのロボットアニメで行われていたテロップによる名前紹介がなく、ゴーディアン単体の大百科も出なかったため、この本が初の敵メカカタログとなった。本編で名前が出なかった敵メカにも仮名をつけており、本稿でも名前の分からない敵メカはこの本に準じて紹介している。なお、敵メカが出なかったと判定した回は割愛した旨を表記している。


 その後、グラフィック社から発売された竜の子プロダクション著『ヒーロー・ヒロインの描き方』2分冊(基本動作篇・2003年 アクション動作篇・2004年)において、ゴーディアンの設定資料が大量に掲載されている。この本はゴーディアン1話等を作画した井口忠一が関わっており、手元に資料があったのかもしれない。各カットは出典を明記してないが、この本で初出の設定資料を簡単に紹介する。

・アクション動作篇

P28 悩む ・オカモト竜馬(『アニメージュ』80.5記事掲載の資料原寸版)

P95 さまざまな服装 ・メカコンのコック(12話) ・シュワイツ大統領(53話)


 次回はソシャゲのゴーディアンについて紹介するつもりだったが、追加資料が見つかったのでこの流れでもう少し紹介する。

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