1-51.51話「ウカペ接近・怪竜巻」

 今回はゴーディアン3体連動技の披露とバックの活躍の二つが見所になっている。分かりにくいがウカペの不穏な動きにも注目していきたい。それでは見ていこう。


51話「ウカペ接近・怪竜巻」 1980年9月21日


 脚本     :松崎健一

 演出     :紀裕行

 作画監督   :杜福安

(『アニメージュ』『ジ・アニメ』80年10月号では田辺由憲)


あらすじ


 地球に再び近づいたウカペの様相は一変していた。表面にイクストロンが広がり、動きが活発になっていたのだ。

 そんな事はつゆ知らず、サントーレでは医務室に足繁く通うバックがアンナに疎まれていた。バックはアンナをデートに誘いたいのだが、アンナは全く関心がなく「あんなゴリラみたいな人」とドブロフにこぼす。そこに診察に来たダイゴとピーチィーが乱入。「ゴリラ」とダイゴにまで言われてしまう。

 その時、ヴィクトールタウン近くのイクストロンとウカペのイクストロンが反応し、3本の竜巻が発生した。この報告に色めき立つマドクター。毒魔大帝統は毒魔黙示録233章にある「3本の渦現れる時天我に味方せん」が該当すると指摘する。竜巻にタウン近くの埋蔵イクストロンが反応し押し返したことで、竜巻はサントーレに進路を変えた。バラスはサイマドック(32話準拠)に闘獣士ギバラを連れてサントーレを攻撃するよう命ずる。

 サントーレでは花巻博士たちが対話室で京太郎の仮説を聞いていた。この竜巻はウカペの野生イクストロンが起こしたもので、このままでは3本のうち2本が一つになり、サントーレへ直撃するというのだ。竜巻を消滅させるためには、ゴーディアンの全エネルギーを使ってバキュームアタックをかけるしかない。真空の道を作って竜巻のコースをずらすのだ。ダイゴは張り切って出撃する。

 一方、バックは部下と共に竜巻によって荒らされた地雷原の修復をしていた。前回までの洪水も竜巻が吹き飛ばしてしまったため、地雷原がなくなればマドクターへの防波堤がなくなってしまう。修復が終わったところにマドクターが進撃してきた。バックはマドクターの攻撃をかわしながら基地に戻ろうとするが、ホバーを破壊され飛ばされる。

 竜巻のそばに到着したダイゴは早速バキュームアタックを行う。ガービンは上空、デリンガーは側面、プロテッサーは地上で旋回し、全エネルギーをぶつけるのだ。そこに闘獣士ギバラの投げた槍が襲いかかってきた。地上になぎ倒される三体。

 バックは負傷を押して基地にたどり着き、バリーを呼ぶよう隊員に伝える。進撃するマドクターを整備した地雷原に引きずり込むようバリーに伝えると、バックは気を失った。

 バリーはダルフと共に地雷原へマドクターをおびき出すため出撃する。サイマドックはまんまと罠にはまり、地雷原へ突っ込んだ。誘導式の地雷がホバーに吸い付き爆発する。後はダイゴの結果待ちだ。

 ゴーディアン三体はギバラの楯に攻撃を防がれ苦戦していた。最後の手段で三体それぞれの剣を投げつける。ギバラは2本までは防いだが、必殺白光剣で頭を落とされて爆発する。ギバラとの戦闘の間に竜巻は1本にまとまっていた。ゴーディアンは改めてバキュームアタックをやり直し、今度は無事成功する。

 アンナは戦場での勇敢なバックを知り、好感を持ち始めた。ドブロフはバックに付き添うようアンナに言い、「さぞかし患者の熱が上がるじゃろうて」と冷やかすのだった。


解 説


 ドブロフは漢方の知識もあるらしく、葛根湯をバックに作っていた。

 今回はバックの顔をゴリラにして遊ぶ演出が流行。科学動物センターに行きたい(今回の名言参照)というダイゴだが、『ジ・アニメ』80年11月号のサントーレ内部図には載っていない。てっきり安原義人のアドリブかと思ったら、作画が合わせてたので脚本からのようだ。

 今回久々にクリントが出てきたと思ったらゴーディアン出撃バンクだった。

 毒魔大帝統が「太陽のすかし」と二回コールする。今回のサイマドックの声優は増岡弘だろうか。ホルスターも正しく描かれている。

 今回の京太郎の声優は北村弘一。

 例によって演出が松崎健一の脚本に付いてきてない印象。

 ギバラのモチーフはカマキリだろうか。槍の穂先が独特の形状をしている。ゴーディアン3体連動剣にあたふたする姿はかわいかった。

 キャストに「アンナ 麻上洋子」が追加。

 今回の作画も村中博美とギディオン動画の日韓混成。

 次回予告、ついに伏線回収ということで安原義人のタイトルコールも心なしか力が入っているように聞こえる。


今回の名言


 「俺医務室より科学動物センターに行きたいんだけどな。いまあそこでな、ゴリラの知能指数を人間と同じにする研究が行われてるんだよ。そしたらな、こんなバックみたいな顔したのがその辺にごろごろするようになんだぞ」(ダイゴ)


 「そりゃバックもゴリラじゃなくサントーレの立派な隊員だ。やるべき時はやるさ」(ドブロフ)


こぼれ話


 『冒険王』1980年10月号では、8月号、9月号、10月号のうち2冊の応募券でもらえるとしてゴーディアン、デンジレッド、スカイライダーのヒーローバッジプレゼントの告知が載っている。この企画は三ヶ月連続だが、救済用に11月号にも応募券が付くという親切さだ。ゴーディアンのバッジは桜多吾作の絵が元になっているようだ。

 二色グラビアでは声優特集。安原義人もいるが、読み方は「やすはらよしと」ではなく「やすはらよしひと」というルビで「本名同じ」。他の資料でも見たことがあるので、「よしひと」が元々の読みなのかもしれない。代表作はダイゴ大滝ではなく、『ドカベン』微笑三太郎。


 桜多吾作のコミカライズ第12話は、アニメ51話「ウカペ接近・怪竜巻」に準拠。48話「迫り来る大異変」の内容も含まれており、ここから本編との連動に戻る。

 遅まきながら本拠地がサントーレへと移動。但しアニメのように毒魔殿に占領されたからではなく、ウカペの影響で地震が起き、タウンが破壊され始めたからとなっている。

 京太郎にイクストロン熟成の説明を受けるダイゴたち。それを聞いたダルフは、「まるでウイスキーだな」と解説する。新しいウイスキーはきついが、年期を経たウイスキーは味がまろやかになるのと同じだというのだ。この絵解きは桜多版オリジナルだが面白い。

 ゴーディアン三体で回転して竜巻の進路を変えるのはアニメと同じだが、「三位一体 大回転真空バキューム」と名付けられている。そして、竜巻で吹き飛ばされた土の下から謎の遺跡が姿を現した。

 ウカペの影響で寒冷な気候になったため、ピーチィがコート姿に。アニメではそこまでフォローできなかったので貴重である。

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