1-50.50話「大洪水マル秘撃破作戦」
今回は久しぶりにスポットが当たる場所と人物がいる。また、ダイゴのリーダーとしての素質が試される、バリーとサオリの関係が更に深まる、と盛りだくさんの内容である。それでは見ていこう。
50話「大洪水マル秘撃破作戦」 1980年9月14日
脚本 :山崎晴哉
演出 :石田昌平
(『アニメージュ』及び『ジ・アニメ』1980年10月号では秋山勝仁)
作画監督 :松井栄
あらすじ
長雨はようやく止んだが、洪水で孤立したサントーレを狙い、マドクターは日々熾烈な攻撃を続けていた。今日の戦闘では指揮を執っていたバリーが負傷してしまう。
メカコンが撤退した後、マドクターは以前地震でイクストロンが噴出した場所でボーリングを始めた。本格的にイクストロンの回収に乗り出したのだ。基地に帰還したダイゴは、ボーリングがマドクターの罠なのではないかと考える。確かに、ボーリング地帯の近くにマドクターの部隊が潜んでいた。ピーチィーはボーリングはマドクターの他タウンへのアピールでもあると指摘する。
マドクターの狙いは、サントーレが出撃してくれば叩き、出てこなければマドクターの優勢を喧伝して同盟結成の材料にするというものだった。サクシダーの作戦を賞賛する毒魔大帝統。バラスは以前第7連隊を壊滅させたヒドラー以下精鋭部隊を出撃させ、エリアスは闘獣士ガエンダムを送り込む。後はサントーレの動き次第だ。
サントーレでは、出撃してボーリング現場を破壊しようというダイゴをバリーが諫めていた。ダイゴはバリーが負傷して臆病になったと言い、自分が隊長の代わりに指揮を執ると言い出した。バリーはあっさり了承する。ダイゴは大張り切りでダルフにバックを呼ばせ、サオリにヴィクトールタウン周辺の地下道の図面を出してもらう。ボーリング現場に一番近い通気口から襲撃するという作戦だ。
出撃するダイゴたちを見送るサオリとバリー。サオリはバリーのケガを治すため、以前自分が浸かった「生命の泉(奇跡の泉)」にバリーを連れて行きたいと申し出る。しかし、洪水の影響で泉がどうなっているか分からない。サオリはロゼとチョコマに手伝ってもらい、アクアラングで水没した泉への道を通る。
幸い、泉の場所は気圧が複雑に働いてるのか水没を免れていた。サオリは泉に浸かるようバリーに勧めるが入ろうとしない。バリーが渋々包帯を剥がすと、現れたのはかすり傷だった。バリーは自分が指揮を執れなくなった時のことを考え、経験を積ませるためわざとダイゴに指揮を譲ったのだ。サオリはバリーを咎めず、傷の手当てをする。
一方、ダイゴたちはホバーで水没した通路の隙間を通り、目標の通気口に到達した。浮上してみるとそこにはマドクターはおらず、あるのは岩と水だけだ。その水面から飛行型の闘獣士ガエンダムが姿を現した。マドクターは地下道を別方向に作っていたのだ。ガエンダムから出撃したマドホバーに囲まれ、応戦するダイゴたち。ダイゴは周辺の壁となっている岩を破壊して水を吹き出させ、弱点の腹を露出させて倒すよう指示する。その間にサントーレへ戻るダイゴ。ゴーディアンを出撃させるのだとみたヒドラーは、マドホバーをダイゴの追撃に向かわせた。ダイゴは足でホバーのハンドルを押さえると、マドホバーにマグナム弾を撃ち込んで倒す。
出撃してきたゴーディアンにヒドラーはα作戦を命ずる。2本の触手でゴーディアンを捕まえようとするガエンダム。銛状の触手が腹を貫き、苦戦するゴーディアンだが、触手同士を触れさせて断ち切り脱出。なおもビームを吐き出して攻撃するガエンダムの口に無理矢理岩を押し込み、振りかぶった必殺白光剣で敵に後ろを見せたまま切り裂く。
戦闘が終わり、ボーリング現場を爆破したダイゴたちだが、サントーレ隊員側の負傷も多く、苦い結果だった。
解 説
ヒドラーは11話「壮烈・第7連隊」(脚本:山崎晴哉)で登場のキャラ。髪は11話の時は緑がかった色だったが今回は茶色。声優はたてかべ和也だろうか。彼が生きてたのならもっと早く使って欲しかった。ダイゴがヒドラーを名指しで呼んだのも意外。二人に面識はなかったはずだが。
「奇跡の泉」のエピソードがある4話は曽田博久脚本。泉に向かう時のアクアラング姿の設定画は、『スーパーロボットマテリアル』に掲載されている。
基地のオペレーター役をモブ隊員がやっているのだが、この場にピーチィーやダルフがいるのにレギュラーキャラを使わないのはある意味贅沢。
ピーチィーがいきなり頭脳キャラに。竜馬がいない弊害だろうか。
バックがいきなり葉巻を吸い出して驚く。マッチの燃えかすで線を引くという演出をやりたかっただけのようだが。葉巻は作戦行動中の後続への信号としても使われている。
今回のマドホバーは名前通りホバー移動するマドピューター。ガエンダム搭載用に新造したのだろうか。上空へ攻撃するため、ダイゴがザップガンにアタッチメントを付けてマグナム弾を発射している。
今回の話は戻ってきたバリーとダイゴの会話シーンがあればもう少しまとまった話になったと思う。作画はいい方だっただけに残念。作画スタジオの「ユニバーサル」は韓国のスタジオらしい。
「奇跡の泉」は無事だが、負傷者を大量に連れて行くためには潜水艇でも使わないと難しそうだ。もったいない。
次回予告は久しぶりに過去回の使い回し。
今回の名言
「でもダイゴは期待に応えてくれるでしょうか」(サオリ)
「大丈夫、ダイゴはその素質を十分に持っています。またそうなって欲しい。正直言って、今回の作戦は危険がいっぱいです。だが、ダイゴは反対を押して買って出た。だから私はダイゴに賭けたんです」(バリー)
こぼれ話
『ジ・アニメ』vol.11(1980年10月号)では放送予定欄の質問コーナーで、毒魔殿の役割、バラスや毒魔大帝統の設定について山本優が答えている。
『毒魔殿はいわば司令塔ですのでそれ自体には要塞としての機能や能力は持っていません(なのでヴィクトールタウンを要塞化する必要があった)』
『バラスはクーデターで幹部に抜擢されただけで特に正体を明かすほど謎めいたところはありません』
『毒魔大帝統については6千年の間生を保っているということはわかっていますが、その本当の正体は最後の最後まで分かりません。あしからず』
だが結局毒魔大帝統の正体は明かされることになる。
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