1-5.5話「デス・バレーの死闘」
今回は三人目の脚本家、山崎晴哉のシナリオを参考に5話の解説をしていきたい。
5話 「デス・バレーの死闘」 1979年11月4日
脚本 :山崎晴哉
演出 :古川順康
作画監督 :宇田川一彦
あらすじ
デス・バレーに新しい基地を建設するために向かったメカコン第18連隊。だが、こういう仕事は嫌いなダイゴは非協力的。ふざけて監視塔を壊してしまい、アンノンジー長官を怒らせてしまう。バリーは必死に庇うが、親の心子知らずなダイゴ。
その頃毒魔殿では、毒魔黙示録99のZが指し示すデス・バレーにプロジェクトXの手がかりがあると告げられた幹部たちが動き出した。メカコンの基地建設を止めるためバルバダスが出撃する。翌朝の未明、一番気が緩む時間を狙って襲撃しようというのだ。作戦は成功し、慌てふためくメカコン隊員たち。ダイゴはバリーの制止を振り切って出撃してしまう。
ダイゴたちが飛び出したたため防衛が手薄になった基地は破壊され、大勢の隊員が犠牲になった。バリーはダイゴを厳しく諫めるが、ダイゴは捨て台詞を吐いて立ち去る。
ダイゴが向かったのはサントーレ。サオリに隊に戻るよう諭されていると、マドクターの再度の攻撃が。ダイゴはゴーディアンで出撃し無事撃退するが、基地は崩壊しバリーは壊れた資材の下敷きになっていた。ダイゴに助け出されたバリーは、「どこ行ってたんだ」と殴りかかる。ダイゴも受けて立つ。二人を止めようとするピーチィを制するダルフ。ダイゴもバリーもお互いに相手を認め合っていることを拳で確認しているのだ。
解 説
今回のわがまま勝手なダイゴは視聴者の子どもの視点に近い存在に思える。そんなダイゴを父親のように見守るバリー、母親のように諭すサオリという二人の存在が、この後の物語でもダイゴを支えていく。
また、山崎晴哉脚本の特徴「犠牲者が多すぎる」が早速発揮されている。
演出の古川順康はタツノコプロ出身。2019年現在も活躍している。
手持ちのシナリオではAパートのラストが欠落しているのが残念。
シナリオでは、マドクターの襲撃シーンはBパートから。バルバダスのアイパッチが回るシーンが何度かあるが、本編での描写は無し。作画リソースが割けなかったのだろうか。
サントーレで食事をするダイゴ。チョコマ曰く「サオリ姉ちゃんお得意の料理」だそうだが、出てきたのは骨付き肉の丸焼きにしか見えなかった。
戦闘シーン、ガトリング・アームとフットミサイルは2話の使い回し。シナリオではガービンが基地の入り口に立ちはだかり、デリンガーでバトルピューターの行く手を塞ぎ、プロテッサーのゴーディアン・ボムで攪乱。再度合体してガービンで重突進するというものだった。シナリオ通りならプロテッサーの初戦闘だっただけに残念。地形的にも小回りが効くプロテッサーというのは正解だろう。
本編で、「トロスクルスのような一匹狼になりたい」とダイゴが言うシーンがある。ラストにそれに答えるように見守るトロスというシーンがシナリオにはあるのだが、カットされている。もったいない。
今回のバトルピューターはお休みだが、河森正治のデザインは基地の建機に生かされていると思われる。
次回予告は珍しく本編カットを使用しているが、作画はかなり不安。
こぼれ話
バリー納谷六朗とダイゴ安原義人。アニメ『X-MEN』ファンとしては、プロフェッサーXとガンビットの殴り合いだ、と嬉しかったりする。
この回は当時の映写機玩具「くるくるてれび」のカセットとして使われている。どの場面が使われているかは確認していない。また『ケイブンシャの大百科64 テレビヒーロー大百科 PART3』(勁文社)内のゴーディアン記事で再録ストーリーに選ばれている。
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