1-4.4話「よみがえれ生命(いのち)」
今回から4人の脚本家のローテーションが本格的に始まる。それでは曽田博久のシナリオを参考に4話の解説をしていきたい。
4話「よみがえれ生命(いのち)」1979年10月28日
脚本 :曽田博久
演出 :落合正宗
作画監督 :宇田川一彦
ダイゴを助けたときの傷が元で、サオリは今や瀕死の状態だ。だが、サントーレの秘密を守るため医者は呼べないと言うサオリに、ダイゴはいらだつ。コンピュータの父親に直談判に行くが、相変わらずつれない返事しかもらえない。父は秘密を守るという重荷をダイゴが背負うことができるか悩んでいるようだ。それでもサントーレの地底に万病を治す「奇跡の泉」があると聞かされ、ダイゴはサオリを連れてプロテッサーで向かう。途中メカ蛇と戦ったりしながらも地下の川を遡る。
その頃、マドクターは毒魔黙示録96ページに載ったサソリアームを使い、ソーラー発電地区を襲っていた。指揮はクロリアスだ。ロゼたちから連絡をうけたダイゴはサオリに懇願され、クリントを見張りに残すと仕方なく戦闘に向かう。
駆けつけたゴーディアンを見たクロリアスは、「作戦コードAX003」を発動させる。バトルピューターの触手にまたも体の自由を奪われ、ピンチに陥るゴーディアン。サソリアームのハサミが迫る中、苦しむサオリの姿を思い浮かべたダイゴは初めて「ねえさん」と呼びかける。ようやくダイゴの想いはゴーディアンと同調し、ガービンからデリンガーが飛び出すとサソリアームを剣で倒した。
あわてて地下に戻ったダイゴが見たのは、泉につかるサオリの姿だった。振り返ると包帯が解けて美しい素肌が表れる。留守番のクリントは再度襲ってきたメカ蛇にも勇敢に立ち向かい、サオリを守ったのだ。
自分を鍛えることがゴーディアンのパワーアップに繋がるのだと悟ったダイゴは、改めてメカコンに戻っていった。「姉さん」と呼ぶダイゴを初めて見たロゼたちは喜び、サオリは微笑むのだった。
解説
曽田博久はゴーディアン三体の名前を「ゴーディアンP」「ゴーディアンD」「ゴーディアンG」と表記している。
ゴーディアン世界の謎に繋がる設定である「奇跡の泉」。このエピソードは、忘れた頃に再登場する。
今回の「父の声」は増岡弘のように聞こえる。
シナリオでは冒頭、ロゼたちがメカコンにダイゴを呼びに来るが、本編ではカット。サオリを連れていくシーンも、扉の石を洞窟の強風に乗せて降下するなどもう少し凝っている。
一番の相違点はコブラタイプのメカ蛇との戦闘。シナリオでは「大蛇」がクリントと戦うだけで、プロテッサーと戦うシーンはなかった。そもそもなぜ地下にメカ蛇がいたのか。泉への侵入者ガードのためかもしれないが説明はされていない。
本編では弱気なところを一度見せるサオリだが、シナリオでは一貫して生きる意思を見せている。これは絵コンテ以降の変更だろうか。
今回はプロテッサーが外にいるので、ロゼが残り2体を基地から射出しての変則合体。
クロリアスの作戦ミスは、ゴーディアンを持ち上げたため、手足を縛り付けていたマドピューターの鞭を外してしまったことだろう。前回のバルバダスの失敗が生かされてなかったと見える。なおデリンガーの剣は前回と同じ白光剣タイプ。
次回予告は相変わらず使い回しが多いが、一部新規カットも?
今回の名言
「あの人、食事と睡眠だけはしっかり取るタイプみたいだから、こんな生活嫌になっちゃったんじゃないの」(ピーチィ)
「慣れりゃいいもんなのにな」(ダルフ)
こぼれ話
この文章を書くために参考にしている書籍の一つが『マテリアルシリーズ3 スーパーロボットマテリアル《タツノコプロ編》』(銀河出版)。各話のゲストメカが紹介されているのだが、3話ではなぜかメカ蛇だけが紹介され、メインのはずのサソリアームの紹介は無い。ただし、サソリアームの設定画は『スタジオぬえのデザイン・ノート』(『アニメージュ』1981年11月号付録)に掲載されている。
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