0-4.アニメ雑誌での紹介(その2)・放送時間・放送局

 『アニメージュ』vol.18(79年12月号)には、放送開始直後に収録したと思われる永井昌嗣、山本優、落合正宗へのインタビューが載ったカラー記事が掲載されている。企画書から抜粋したと覚しきキャラクター設定も載っているが、バルバダス、クロリアス、エリアスの年齢を取り違えている。永井昌嗣プロデューサーは本作のポイントとして、他のタツノコ作品に比べて軽い作品を目指し、ダイゴを「完璧なヒーローにせず、ギャグ的要素を盛り込んだ天衣無縫な少年」にしたこと、ゴーディアンを「ダイゴが着る鉄のスーツという発想をし」たことを挙げている。なのでダイゴの仕草やダメージはそのままゴーディアンに伝わり、ロボというよりパワードスーツのイメージで設定している。

 また、外部にチーフディレクターとシリーズ構成、作画監督を頼んだのも初めてだと語っている。ここで作画監督として挙げているのが宇田川一彦。当時は『宇宙戦艦ヤマト2』の終了後。タツノコ作品では『ヤッターマン』に関わっていた。ただし後半は『ヤマトよ永遠に』に関わるため離脱している。

 シリーズ構成の山本優は「肩のこらない軽いタッチ」を目指したと言い、1話のダイゴ登場シーンにそのイメージを込めたとのこと。これまでのタツノコ作品では『ゴワッパー5ゴーダム』や『破裏拳ポリマー』に近いが、「できればニュー路線を開発したい」と語っている。

 チーフディレクターの落合正宗は「まじめな作品づくりをかわれ」抜擢されたとプロフィールにある。ダイゴを気に入っているようで、「表情のある絵柄はもちろん、声の安原義人さんも、いままでのヒーローにないコミカルなタッチがあっていけると思っています」とのこと。

 また、本作がマドクターとメカコンの戦争であることを重くとらえており、「その中で人間はどう生きていくか」「人生の縮図がそこにはある」「戦争の悲惨さも描ければ」と語っている。「このふたつのことは、ゴーディアンにかぎらず、ぼくがいつも追求していきたいと思うテーマ」だという落合正宗と、軽い作品を目指す山本優の二つのイメージの違いが、『闘士ゴーディアン』の作風の広がりにつながっていると思うと面白い。


 『闘士ゴーディアン』の放送時間は、キー局の東京12チャンネル(現在のテレビ東京)では日曜の朝10:00。この時間帯はいままでアニメを放送していなかった新規枠で、他の局を見ても現在とは違い日曜朝のアニメ・特撮放送自体が少なかった。放送の延長を受けて27話からは日曜の朝7:30に移動するが、ここも前番組はアニメではなかった。『アニメージュ』vol.17(79年11月号)で永井プロデューサー曰く、日曜の朝という子どもがいちばんのんびりできる時間帯の開拓と、対象年齢を小学生以下にしたことが理由である。

 また、同時にネットしていたのは番宣ポスターによれば関西テレビ、東海テレビ、テレビ西日本、テレビ新広島、仙台放送、北海道文化放送、テレビ静岡、長野放送。ただし、『アニメージュ』に掲載されていた全国放送リストを見る限り北海道文化放送は翌年4月からの放送開始だったし、このリストにない放送局(青森放送・三重テレビ放送・福島中央テレビ・テレビ熊本)も後追いでネットしている。放送時間は日曜の朝がほとんどだが、金曜17:00という見やすい時間に放送していたテレビ新広島、土曜8:30に放送され、当時土曜も学校だった小学生たちはほとんど見られなかった関西テレビという例もあった。


 ようやく序章も区切りが付いたので本編の分析に入ろう。山本優の構想に従い、四章立てで紹介していきたい。なお、章題と章の区切りは私の独断であることをお断りしておく。

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