第4話 地獄のような日々の幕開け(ミオ視点)
昨日は謎に学校が休みになったと思ったら、生徒が自殺したという噂がまことしやかに囁かれていた。
自殺した次の日だと言うのに学校をやるのはどうなんだ、と思うがそこはブラックと名高いうちの高校だから仕方がないのだろう。
今日のお昼休みもサナチンとミサとカンカンと食べる予定だったけれど、担任に呼び出され謎の封筒を渡された。
開けてみるとそこには見覚えのあるスマートフォンと便箋が入っていた。
急いで部員に声をかけた。今日の部活まで私ひとりで背負ってなんかいられない。
屋上が使えないから、鍵のかけられて防音加工してある放送室に呼び出した。
一番最初に訪れたのはリコ。続いてヒヨリ、コハル、ショウマ、ソウタと続く。最後にキョウゴがやってきて狭い放送室はあっという間に埋め尽くされた。
「で、何?」
あからさまに不機嫌な表情を浮かべてソウタがミオに詰め寄る。
不安そうに見てはいるが、止めようとする人は誰もいなかった。
「これの事なんだけど・・・・・・。お母さんから届けられたらしいんだけど」
そう言いながら、中身を見せる。一瞬にしてどよめきが広がる。
「それ、ユイナのじゃん!」
リコが声を上げる。静かに、と口に指を当てコハルが注意すると、両手を口に当てて激しく首を縦に振った。
「それでね、ユイナ、今日休みなんだって」
言わんとしたことが伝わっているのか、きっと伝わっている。文句を言う者は誰もいなかった。
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