第3話 悪夢のような日々の始まり(ヒヨリ視点)

 今日の学校は昨日のニュースで持ち切りだった。不審でなんの前触れもなく訪れた休校に、登校中まとわりつく記者たち、侵入禁止になった屋上がの信憑性を増していた。


【煌華高等学校で二年の女子が飛び降り自殺したらしい!】


 その投稿は生徒内で拡散され、学内で知らない人は多分いない。


「誰が?」「なんで?」

 学校中がそんな疑問で溢れかえっていた。もちろん、その中に本当に心配している人なんてほんのひと握りでほとんどが野次馬精神だろう。


 三組にも今日は四人休みがいて、一人は定期的に学校をサボる男子。一人は一昨日から体調不良を訴えてた女子、三十八度の熱を出したらしい。一人は“体調不良”とは名ばかりの不登校の女子。そして最後は“体調不良”の女子。


 ここは最後の女の子が自殺したんじゃないかという話題のみが飛び交っている。

 ヒヨリは根拠の無い言葉を繰り返したり、それに耳を貸す醜い笑みを浮かべたクラスメイト達に嫌気がさし、教室を後にした。


 とは言え、行く宛てもない。

 それなのに足は自然と屋上に向いていた。

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