第2話 学校が休校になった②(ヒヨリ視点)
ヒヨリの目に飛び込んできたのは、今まで画面を通してしか見た事のない光景だった。
学校の門には何重にも重なったテープ、その前には警察が立っていた。さらにそれをカメラやマイクを持ったスーツ姿の大人たちが少しでも中の様子を撮ろうと必死に爪先立ちしている。
駅前の図書館にでも行くつもりだった。しかし、少しの好奇心がヒヨリをここへ連れてきた。
面倒事は嫌いだけれど、安全圏から野次馬だけしたい、そんな人間の汚い一面だった。
こんなに大変なことになっているにも関わらず、予想以上の事態に、内心ワクワクしていた。
ジップアップパーカーのポケットから振動を感じ、取り出して見るとメッセージアプリからの通知。
【休校だって!聞いた?】
部活の同期生だけのグループチャットへだった。
【聞いた聞いた!え、まじでいきなりなんで?】
見ている間にもどんどんメッセージは増えていく。ヒヨリはいつも同意を求められた時にスタンプを送るくらいで普段は傍観者に徹している。
基本的にこのグループは大体おしゃべりトリオが話しているのだが、今日のメンバーは珍しくミオ、リコ、コハルの三人。
休みになったことだしユイナは朝弱いと聞いたからまだ寝ているのかもしれない。
この間も午前中めいっぱい寝たいとか言いながら、声出し中に欠伸をしていたことだし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます