第30話 お泊り①

7月のとある金曜日。

美樹と付き合い始めて早いもので約1か月が経過した。

二人が担当する仕事の定例会は週に1回あるけど、最近はお互い他の仕事が忙しくなってきたため、仕事帰りもバラバラで会える時間は少なくなってきている。俺の会社も美樹の会社も比較的ホワイトな会社だとは思うけど、それなりに残業や休日出勤はあるのです。


もっともその分メールや電話の回数は増えている。

だけどやっぱり会って話をしたいんだよねぇ。

そして、約束していた家への招待もまだ実現出来て無い。


という事で、今週末はお互いのスケジュールを調整し朝から晩までお家デートをすることとなった。

美樹からも"ご飯私が作りますね"と可愛いメールが来たし本当に今から楽しみで仕方ない。


ちなみに俺は調布で一人暮らしをしている。

実家は神奈川の箱根町で旅館をやっているが、兄貴が継いでいるというか修行中だ。

なので、俺は独立して会社員となり都内に暮らすつもりだったので、思い切って一人暮らしなのに3LDKのマンション買って住んでます。もちろん定年までローンは続きますよ。。。


そして朝。

まだ7:00だけど、今日は朝ご飯から一緒に居よう!という事になっていたので、8:00に調布駅前で待ち合わせなのだ。

とりあえず、着替えて身支度を整えた後、あらためて部屋の掃除を実施。

一緒に食べる朝ご飯は俺が用意する事となっていたので、食パンにサラダを用意した。

後で美樹が来たらスクランブルエッグも作る。

昼と夜は、一緒に食材を買いに行って美樹が作ってくれるとの事。

付き合うようになって色々と勉強したとは言ってたけど、美樹は料理上手なんだよな〜と色々と今日の事を考えているといつの間にか8:00前。

慌てて待ち合わせ場所まで移動した。


待ち合わせ場所には大きなバックを持った美樹が既に居た。

夏らしい白のワンピに花のイヤリング。やはり美樹は可愛い。


「おはよう。何だか結構荷物多いね。重そうだし俺が持つよ」

「ありがとうございます。

 あ、あの両親に今日は広木さんの家に泊まってくるって言ってきたので、

 その、、着替えとかも入ってて、、、駄目だったでしょうか」

「え!全然駄目じゃないし、むしろ嬉しいけど、ご両親何か言ってなかった?」

「頑張ってきなさいって・・・」


"それでよいのかご両親!"とも思ったけど、それだけ俺も信用してもらえてるというか、将来的にそういう関係になる人と思われるってって事だよな・・・

とあらためて思い。マンションへ向かう。


「駅から近いんですか?」

「5分は掛からないかな。ほらあそこの1Fにコンビニがあるマンション」

「わぁ駅近でいいですね。これならギリギリまで寝てられそうです」

「確かにそうなんだけど、

 ギリギリまでと思ってると油断して寝過ごすんだよね、何度か失敗したw」


と雑談しているうちに到着。

マンションは6階建てで1階にコンビニがある。うちは5階だ

エントランスを通りエレベータに乗る。

そして降りてすぐの501号室。


「いらっしゃいわが家へ!」

「えっ広いですね!! 

 一人暮らしって聞いてたから勝手に1LDK位かと思ってました」

「うん。将来的にローンの事とかも考えて一昨年買ったんだよ 

 あ 荷物ここに置いとくね」

「はい ありがとうございます。

 凄いですね。私なんかまだ実家ですしそこまで考えて。。。」

「まぁ半分勢いだったけどね。実家が旅館って話はしたと思うけど、

 兄貴が継いだから次男の俺は家に残る必要もないし

 東京で生きる!と追いつめる意味でもね」

「それでも凄いですよw 私も自立したいな。。。」

「そうだ、朝食準備してあるから早速食べよ!」

「はい お腹すきましたw」


ダイニングに案内し溶き卵でスクランブルエッグを作る。

パンは昨晩ホームベーカリーで仕込んだ焼きたてだ。


「う~~ん 焼き立てパン美味しいです」

「うん いい感じの焼き加減だ」


ホームベーカリーを使ったのは久々だったけど思った以上にいい感じの焼き具合だった。

幸せそうにパンを食べてる美樹。

何だか小動物っぽくて可愛いなぁ~


「そ そんなに見ないでください。。何だか照れます」


駄目だ!ますます可愛い!!

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