第16話 6月のカラオケオフ②

「お二人さん ドリンクどうする?」


いいタイミングで司君がドリンクオーダーに来てくれた。


「あ じゃあカシスオレンジで。美樹さんは?」

「は はい じゃぁ私も同じので」

「オッケー しばしお待ちを~」


今は達也さんが歌ってる。


「あなたにあうため ここーにきた~♪」


この曲も好きなんだよなぁ~

ん?美樹さんも口ずさんでる。この曲好きなのかな?


「この曲いいですよね。優しい感じがして」

「はい 私もこの曲好きなんですよ アルバムバージョンも雰囲気変わってて

 いいですよね」

「そだね。あのアルバムはシングル曲のアレンジ版もカッコいいし、

 他の曲も印象深いのが多いね」

「はい!」


笑顔で返事をする美樹さん。

『う~ん可愛い』って俺今日何度目だこの感想。。。

でも、共通の話題があるっていいな。

周りにガボール好きが少なかったこともあるけど、同じ話で盛り上がれるのはやはり楽しい!


「ほ~い カシオレ2つ!!」

「あ、ありがと」

「にしてもお二人さん会話盛り上がってるねw

 確か仕事も一緒にしてたりするんでしょ?」

「会社は違うけどね。ちょうどうちの会社が美樹さんのところに仕事依頼してて

 俺と美樹さんがそれぞれの会社の主担当になってるんだ」

「へぇ~ オフ会きっかけみたいな感じで知り合って、

 職場でもって何だかドラマみたいな展開だね」

「本当だよね 俺も驚いてるよw」

「美樹ちゃんもラノベで恋愛物とか好きだったよね。

 何だか自分がヒロインになったみたいじゃない」

「さすがにヒロインは無いですけど、

 ちょっとだけ運命的なもの感じちゃいますねw」

「でしょでしょ ということでYOU達付き合っちゃいなよ!!」


「「ブッ」」


二人して思わずカシオレを吹いてしまった。。。

応援するとは言ってたけど攻めすぎだよ司君。。。


「バコッ」


目が笑ってない香澄さんに後頭部を叩かれる司君


「ごめんねぇーー この馬鹿回収するから残りの時間も楽しんでねぇ~」

「じゃ じゃぁまた・・・・」


強引にカウンター席に引き戻される司君。。。

香澄さんって怒らせると怖そうだな。。。


「そういえば司君と美樹さんや香澄さんって、結構付き合い長いの?」

「香織さんのオフ会で会ったのが初めてだから知り合ったのは2年前かな。

 第1回のオフ会は私も香澄も香織姉の手伝いしてたんだけど、その時の

 参加者で一番目立ってた人w

 歌も上手いけどしゃべりも面白かったからね」

「あ なんかわかる気がする。

 俺も前回たまたま隣の席で緊張してたら話しかけてきてくれて、それで仲良

 くなったんだよね

 何度か一緒にカラオケもいったけどいいやつだよ」

「オフ会以外でも司さんとカラオケ行ったりしてるんですね」

「うん 全国ランクで打倒美樹さん!って二人で頑張ってるよ」

「え~ 私の知らないことろでw」

「良かったら今度美樹さんも来てくださいよ。

 ただ、二人で行くときはガボールだけじゃなくてJ-POP、アニソンと

 色々な分野歌うんですけど大丈夫?」

「全然大丈夫です 是非誘ってくださいw」

「じゃぁ良かったら連絡先交換してもらえないかな?」

「はい。もちろん!」


などと楽しい会話をしているとお店のドアが開いて一人の女性が入ってきた。


「遅れてすみません。ゼロです。よろしくお願いします」

「あ、ゼロちゃん久しぶり~」


華やかなワンピースを着ているが、落ち着いた感じの女性だ。

香織さんから声掛けれれてるし常連さんかな?


「あ、ゼロ姉さんだ!

 あの人も第1回からの参加者で、凄くガボールの事詳しいんです。

 香織姉さんといい勝負かも」

「そうなんだ 何だか楽しそうな人だね」


などと話をしていると噂のゼロさんが美樹さんに気が付き向かいの席に来た。


「美樹ちゃん久しぶり!元気にしてた!」

「はい ゼロさんも随分久しぶりでしたね」

「本当は毎回参加したかったんだけど、仕事で九州に飛ばされてたのよ。

 先月ようやく東京に戻ってこれたんで早速参加というわけw

 で、お隣さんは彼氏さん?ちょっと見ない間にあのおとなしかった美樹ちゃ

 んが・・・・」

「ち違います。広木さんとはまだ・・・」

「広木? ん?」


何故か俺の顔を見てくるゼロさん


「ねぇもしかして相原広木君?」

「えっ はいそうですが何処かでお会いしたことありましたっけ?」

「あぁやっぱり 私よ私。健司の姉の零(レイ)」

「えーー あの零さん?何だか昔と随分雰囲気変わりましたね」

「今 ウエディングプランナーやってるんだよね。

 ちょっと出世して部下もいるもんだから落ち着いた雰囲気出るような

 カッコしてるんよ」


うん。見た目は落ち着いたけど話し方は昔からあんまり変わってない・・・


「あのーーゼロさん?レイさん?は広木さんとお知り合いなんですか?」

「うん 来る前に少し話したでしょ、キーホルダー譲ってくれた三河のお姉さん」

「え 話しに聞いた三河課長のお姉さまですか!」

「そ 世間は狭いねぇ」


というか、よくよく考えると都内で開催されるガボールのイベントなら零さんが参加してないわけないんだよねw


「しかし、人が仕事に打ち込んでる間に弟は結婚して子供作り、かわいい後輩は

 美樹ちゃんみたいな可愛い彼女作ってるし、人の幸せプラン考えてる場合じ

 ゃないなぁ」

「あーー零さん 考えてる場合じゃないとか言っちゃいけないやつw」


カラオケオフも中盤を過ぎ。皆お酒も良い感じに入りほろ酔いな感じ。

楽しい時間もあと少し

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