第15話 6月のカラオケオフ①

19:00を過ぎたところでガボールの楽曲が店内に流れ始める

1人2人と参加者がお店に集まり、遅刻参加の連絡があった人以外の人が集まった。

今回は参加者が多く、店のキャパぎりぎりの12名。

あっ香織さんも参加だから13名か。

休日のオフ会だと人数集まるらしいけど、店のキャパもあり敢えて平日にしてるとの事。

確かにこれくらいの人数なら時間内で1人1,2曲は歌えるけどこれ以上増えると1人が歌える曲数も減るし部屋を分けたりすることも考えなくちゃならない。


今回司君は香織さんの手伝いということで進行も行うそうだ。

その為かはわからないけど、店内に入ると美樹さん共々奥の席に案内された。

前に応援するとか言ってたし、美樹さんの隣に座れるよう調整してくれたんだろうか?

カウンターには司君と香織さんの妹さんで美樹さんの親友でもある香澄さん

カウンター寄りのテーブル奥に俺、隣に美樹さん。


通路挟んで隣りのテーブルには美樹さんの友人で会社の同僚でもあるかなめさん。香澄さんとかなめさんは、さっき美樹さんに紹介してもらった。

香澄さんはちょっと幼い感じだけど香織さん同様な美人さん。

かなめさんは、ボーイッシュで綺麗なお姉さん的な人だ。

美樹さん含め皆タイプは異なるけど、俺はやはり美樹さんが一番かな~

と考えたりしていると流れていた楽曲が止まり司君が立ち上がり一言。


「じゃぁ参加者も集まってきたことだし、6月のガボールカラオケオフ始めるよ!!

 じゃ最初の1曲目行くよ~」

と進行の司君がデンモクで自分の歌う曲を入れる

モニタに予約曲名が表示され、司君の得意な曲が流れ始める。

ギターのリフにシンセ音が入りアップテンポなリズムが刻まれる


「きみをみおくる~~♪」


サビの部分になると自然と誰かがコーラスを行い曲により臨場感も出る

#まぁ時々ボーカルよりコーラスの方が声が大きくなるのは玉に瑕だけど。。


「この曲、ドラマの主題歌だったんですよね」

「そうそう ドラマは見てなかったけど曲だけ聴いてたw」


と美樹さんと曲の話しで盛り上がってると香澄さんが俺にデンモクを回してきた


「次、広木さんでそのあと美樹という感じで時計回りでお願いします!」

「了解!」


歌うのがガボールの楽曲のみということで、最初からガボールの項が選択されている。俺もお気に入りの楽曲を予約し、デンモクを美樹さんに渡す。

何気にカラオケでこの曲を歌うのはこの間の司君とのサシのカラオケ以来2回目。

と、司君の歌が終了。俺が予約した曲が流れ始める。

シンセの前奏から始まるガボール初期の曲。

まだそれ程売れてなかった頃の曲だけど何故か好きな1曲なんだよね。


「かぜになーびーく なーがーいかみの~~♪」


サビの部分


「あいしていーるから♪」

  「きみにつたーえたーい~♪」


とガボールではギターの人が歌を被せてくるんだけど、ここのカラオケだとハモリ職人の司君がいい感じに歌ってくれる。これが心地いいんだよね。


「ありがとうございました~」


歌い終わると美樹さんが笑顔で拍手してくれた。

普通に可愛いしこれだけで満足。何か話ししようかと思ったど、次美樹さんなんだよね。

と、美樹さんの入れた楽曲が早速始まる


「このままきみを~~♪」


某宝石チェーンのCMでも使われたバラード曲。

女性が歌うにはキーが低い気もする曲だけど、綺麗に歌いあげてる。

やっぱり美樹さんの歌声は素敵で、その姿もつい見惚れてしまうw


「やっぱり美樹さんは歌上手いですね!」

「そ そんなことないですしゅ 広木さんこそ上手かったですよ」


歌ってるときは凛々しいというか堂々としているのに歌い終わると顔真っ赤にして謙遜してる。

やっぱり可愛い。可愛すぎでどうしたもんか。。。

等と思っているとかなめさんが入れた楽曲が始まる。


かなめさんはガボールの大ファンというわけではないらしいんだけど、香澄さんや美樹さんの影響で大体の曲は知ってるらしい。

で、入れた曲は綺麗なエレピのアルペジオから始まるあの曲・・・


「What do you think is going on? いまーきーみに~~♪」


激しいギターにシーケンス音の中、アップテンポの曲を歌うかなめさん。

何だかカッコいいぞw


「かなめさんも歌上手いですね。それに何だかカッコいい!」

「かなめって高校の時ガールズバンドとかやってみたいで、ギターとかも弾ける

 んですよ」

「へぇギター弾きながらとかカッコいいね。

 俺もガボールに憧れてシンセとか買ったけど打ち込みだけで

 弾けるってとこまではいかなかったからなぁ」

「広木さんシンセってやっぱりYAMAHAのあれですかw」

「そう あれです。高校の時バイトして買ったんですよ。

 今でも時々触ってますよ」

「いいなぁ~ 私も欲しかったんですけどバイトとか禁止で。。。

 今度見せてくださいよ~」


『おぉ それって家に行きたいってことか?そうだよな?お落ち着け俺!』


「えぇ それじゃ今度家に招待しますので是非」

「はい よろしくお願いします!」


『って 私何言ったの?家に行きたいとか言ったっけ?

 あ、シンセ見せてくださいって、そういうこと??

 どうしよ 勢いでお願いしますとか言っちゃったけど。。。』


2人して顔を見合わせアワアワしている内にかなめさんの歌も終わり次の人の曲へ


カラオケオフの夜はまだ始まったばかり・・・・


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Side 香澄&司


カウンターでの会話

「ねぇ 何だかあの二人 私らが変に気を使わなくても結構親密な感じに

 なってない?」

「そうなんだよね。入店してきたときも二人して楽しそうに会話してたし、

 俺ら気を使いすぎたかね?」

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