第4話 天使?私のことね!
山神は肩に天使を乗せて帰宅した。
「ただいま~。」
山神は言うと、妹が階段から降りて来て、
「お兄ちゃん。お帰りなさい。」
妹・孝子が明るく言った。
「気を付けなさい。山神君。貴方の不幸の原因の女よ。」
アリスは警戒しながら言うと、
「孝子が?」
山神は驚いたように言うと、
「彼女は幸福オーラを放っているわ。貴方の幸福を吸収しているから気を付け・・・。」
と、アリスが言った時、
「あら、肩に乗ってるのは何?」
孝子は不思議そうに聞くと、
「孝子、見えるのか?」
山神は驚いて聞くと、
「見えるって、当たり前じゃない。実は私霊感強いの。」
衝撃的事実だった。
「私は幽霊ではないわっ!」
アリスは怒った。
(そこかよ。)
山神は思うと、
「そこよ!」
アリスはツッコんだ。
「天使アリスよ。宜しこ。」
アリスは孝子にムッとしながら、適当に自己紹介した。
「孝子です。宜しくね。アリスちゃん。」
孝子も明るく自己紹介した。「私は天使アリス。天界の生命保険会社の営業職でも下の中よ。天の下に住む下界の住民にちゃん付けされる筋合いなんてないわ!」
アリスは怒りながら、孝子に言った。
「ごめんなさい。アリスちゃん。」
孝子はあやまりながら言った。
「ムキーッ。だから違うってっ。」
またしてもアリスは怒った。
山神とアリスは山神の部屋に行った。
「何よあの子。全く。ほら見なさい。不幸になったでしょ。」
アリスは怒りながら言うと、
「不幸になったのは君だけだ。」
山神は呆れながら言った。
「全く。天使をおちょくるとは良い度胸ね。」
アリスは怒りが冷めながら言った。
「けど君。生命保険会社でも下の中って、何歳なの?」
山神はアリスに聞くと、
「下界でいう所の21歳くらいね。」
アリスは自慢げに言った。
「で、キリスト教系の天使がわざわざ仏教徒の僕を顧客にしたのは何故?」
山神は疑問を感じながら言うと、
「宗教にこだわってたら、新規顧客を増やせないじゃない。」
アリスは当たり前のように言った。
「他にも君の顧客はいるのかい?」
山神は当たり前の疑問をアリスにぶつけた。
「いないわ。貴方だけよ。」
山神の机に座りながらアリスは言うと、なぜと、山神はアリスに聞いた。
「それは・・・。」
アリスが言う時に、ドアのノックが聞こえた。
「お兄ちゃん。ご飯よ。」
孝子は兄を呼んだ。
「アリスちゃんはご飯どうなの?」
孝子はアリスに聞くと、
「確かに、どうなの?」
山神も気になって聞いた。
「ご飯は食べるわ。」
アリスは淡々と言った。
「そうかと思ってアリスちゃん用の食べ物を用意してあるから。」
孝子は言った。そして、彼らは降り、食卓へ行くと、普通の食事と、皿に二枚の油揚げが置いてあった。
はっ?と二人は言うと、
「その油揚げは孝子が用意したのよ。あんた油揚げ好きだっけ?」
アリスが見えない母は淡々と山神に言った。
そしてアリスは震えていた。
「神の使いである私によくもまあそういう扱いを出来るわね。」
アリスは怒った!そして、
「油揚げって!私は日本の神じゃないわ!私は鮨が好きなの!」
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