第11話


 

   一一、夏の大会開始

 

 二〇〇一年六月、陸(二年生)の夏の大会予選が始まった。

 

 地方大会一回戦 

  大明学園✖️福岡総合学園

 

 力的には、陸の学校、大明学園が圧倒的に強いが青柳監督は、絶対に隙を見せない。

 どんな、時でも気を抜いたら負けと練習時から言っている。

「陸、このピッチャーの球種は?」

「ストレートとカーブだけだと…思います。」

「思いますだと!狙い球は?追い込まれたら決め球で何が来る?」

「えっ〜と…」

 楽勝に勝った試合だったが陸は悔しくて、その日は寝れなかった。

 予選は、地区予選を勝ち抜き県大会に進んだ。

 陸は試合ごとに成長し、少しずつ信頼を得ていた。

 次のバッター、佐々木(三年生)は、

「陸、この、ピッチャーの決め球は?」

「必ず、追い込んだら、カーブで来ます。絶対!」

「何で、そんな強気で言える?」

「感です。」

 監督の指示通り、黒か白か二通りしかないのだ。

 佐々木は、追い込まれた。

 カーブだな!陸、ありがとよ!

 しかし、ストレートだった。

 空振り三振…

 「こらっ…陸!」

 「ごめんなさい…感が外れてしまいました。次は任せて下さい。」

「次は信じん!うそ、うそ」

 特な性格なんだろうか?失敗しても、めげなくなった事で先輩達から可愛いがられていた。

 

   

 

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