後日録
後日録―ウェルネス王国記より
(前略)
アウレリアーナ女王は、軍事面での活躍が特筆されるが、外交面に関しても彼女は大きな功績を残している。
それは、大陸外の別の国家と国交を結んだことだ。
そのうちで特筆すべきなのは火の国と、友好条約を結んだことである。
アウレリアーナ女王(当時は王女)は、側近の騎士、中臣静馬を使者として派遣することで、有力な王族、アッシュ・エイデン王子の信任を得ることに成功。
アッシュ・エイデンとその妻、フェン・ヴィーズの歓心を得ることで、特に親しい国交を結んだ。これに前後して結ばれた通商条約により、両国は優遇した関税による取引で、互いに莫大な利益を生んだとされる。
この二国間の密接な取引を、後の世では『ブロック経済交易』と呼称される。
この交易は、別の利益を生み出した。
両国の技術、制度が交換されることにより、両国はさらなる発展を迎えることになったのである。これにより、ウェルネス王国の近代化は加速する。
アウレリアーナ女王の戴冠、そして、静馬と結婚した際は、火の国から直々にアッシュ・エイデン王子が来国。祝辞を自ら述べた。
その返礼として、アッシュ・エイデンが王位についた際、アウレリアーナは自ら火の国に足を運び、二振りの宝剣を授けたとされる。
その関係から伺えるように、アウレリアーナとアッシュは私的な友人としても接しており、互いの夫婦を交えて私的な交友があったとされる。それから丁度、二十年後、アウレリアーナと静馬の息子、ショウ・ウェルネスが火の国に留学。また、そこで密接な交友関係を築くのは、また別の話である。
(ウェルネス王国記より抜粋)
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