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じゃあ今日飲み会だから遅くなるわ。夜に会えないからね」

 彼は優しい声と甘いキスをくれる。

「うん。行ってらっしゃい」

 だから私も笑顔でゆーすけくんを見送った。

 遠くなる背中。それが消えたのを確認して玄関の扉を閉めて、ガチャリと鍵をかけた。

 ユースケくんが出かけていった飲み会は”女”のいる飲み会だ。合コンかもしれない。そう考えると私の中で冷たい炎が湧き上がってきた。

 

 いけない。


 精神科でもらった抗不安薬をじゃりじゃりと噛み締めて心を落ち着ける。ゆーすけくんは私のことが好きだから浮気なんてするはずない。でもかっこいいからゴミ女に甘い声をかけられるかもしれない。でもユースケくんなら……。

 堂々巡りの考え。


 そして次の日。ゆーすけくんは帰ってこなかった。不安になって携帯に電話してもつながらない。

 そして次の日。ゆーすけくんはやっぱり帰ってこなかった。

 さすがになにかの事件じゃないかと心配になり、警察に行くと警察署の電話番号から電話をかけてくれた。きっと出られないかと思っていたが電話が繋がったようで、警察の人がいろいろ質問している。

 電話が切られて警察の人に


「二度と会いたくないからそう伝えてください」


 と言われた。

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