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その先のことは正直覚えていない。「そんなの嘘だ」とかいろいろ言っても信じてくれなかった。でも私にはわかる。ゆーすけくんは私のことが大好きで見捨てたりしないって。
メールもだめ。返信してくれない。
電話もだめ。着信拒否されてる。
家まで行った。引っ越ししてあった。
でもゆーすけくんは私を待ってる。私をひとりぼっちになんかさせない。
そんな生きているか死んでいるかわからない生活を送っていたとき。神様は「わたしがいきてる」って言ってくれた。
左手の甲には2と刻印された。
どうやら私は2ヶ月で死ぬらしい。でもいいんだ。ゆーすけくんがいない世界で生きていくつもりもない。
そっと遺書と生命保険の受け取りをゆーすけくんにして50階建てのビルから飛び降りた。
あれ? ここはどこだろう? ……。病院だ。看護婦さんがいる。いや、違う。だって……。私は絶対に飛び降りた。生きているはずがない。ならここは死後の世界かな?
横にかわいらしい女の子がいた。全然気が付かなかった。
「あなたのゆーすけくんを奪ってごめんね」
いきなりそんなことを言われて、かっと頭に血が登ったのがわかった。
「テクニックなさすぎて、「逝かせてやる」とか言ってたけど痛いだけ。
お猿さんはかわいいね。下心しかないのもミエミエだったし。
いつもあんな下手くそなセックスしてる瞳美さんに同情しちゃうわ」
ニコニコと明るい笑顔でその女の子は言葉を続けた。
「殺してやる」
「あなたはもう死んでるの。死人が私のことを殺せないよ」
澄ました顔が余計頭に来る。
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
「殺してやる」
そして世界は白くなった。
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