2
「おじゃましま~す」
「誰もいないって~」
と美宇は言うけど、私は知ってる。
先輩が帰ってきてる。
靴をみただけでわかる。
ハイカットの白のコンバースのスニーカー。
今日、先輩が履いてた。
さっき脱ぎ捨てたであろう先輩の靴を並べた。
先輩とは、美宇のお兄ちゃん。
美宇はもとくんと呼ぶ。羨ましい。
イケメンで身長も高い。美宇が言うには歌も上手いらしい。
美宇の部屋に入った。
ここには毎日のようにくる。
週末はここにお泊まりも多く、自分の服まである。
制服をかけ、着替える。
まるで、自分の家みたいに。
美宇は本当に優しい。
「ここ、波の棚ね~」
と、いつしか棚を開けてくれたこともある。
「美宇~入る~」
ガチャ。
「あれ?波ちゃん。美宇は?」
「なんか取りに下に行きました///」
「そっか~オッケ」
その声で名前を呼ばれるとドキドキする。
あの顔で話しかけられるとドキドキする。
美宇が階段を駆け上がってくる音がした。
「美宇~頼みがある」
「え~やだ」
「まだ言ってねーじゃん」
「今から陸来るんだよね、なんか飲み物とか買ってきてくんね?」
あ、陸先輩、、美宇の彼氏だ。
先輩は、美宇と陸先輩が付き合ってることを知らない。
いやだと言いつつ、買いにいかされてる美宇。
それに付き添う、私。
近くのスーパーに行き、飲み物とお菓子を買った。
「波、もとくんに渡してきて!私着替えるから」
「えっ///うん、いいよ」
「陸くん来るんだって!ふふ」
喜んでる美宇が可愛い。
私も、純粋にあんなふううに、、。
>>>>
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます