「おじゃましま~す」

「誰もいないって~」


と美宇は言うけど、私は知ってる。

先輩が帰ってきてる。

靴をみただけでわかる。

ハイカットの白のコンバースのスニーカー。

今日、先輩が履いてた。

さっき脱ぎ捨てたであろう先輩の靴を並べた。


先輩とは、美宇のお兄ちゃん。

美宇はもとくんと呼ぶ。羨ましい。

イケメンで身長も高い。美宇が言うには歌も上手いらしい。


美宇の部屋に入った。

ここには毎日のようにくる。

週末はここにお泊まりも多く、自分の服まである。

制服をかけ、着替える。

まるで、自分の家みたいに。

美宇は本当に優しい。


「ここ、波の棚ね~」

と、いつしか棚を開けてくれたこともある。


「美宇~入る~」


ガチャ。


「あれ?波ちゃん。美宇は?」

「なんか取りに下に行きました///」

「そっか~オッケ」


その声で名前を呼ばれるとドキドキする。

あの顔で話しかけられるとドキドキする。


美宇が階段を駆け上がってくる音がした。


「美宇~頼みがある」

「え~やだ」

「まだ言ってねーじゃん」

「今から陸来るんだよね、なんか飲み物とか買ってきてくんね?」


あ、陸先輩、、美宇の彼氏だ。

先輩は、美宇と陸先輩が付き合ってることを知らない。


いやだと言いつつ、買いにいかされてる美宇。

それに付き添う、私。

近くのスーパーに行き、飲み物とお菓子を買った。


「波、もとくんに渡してきて!私着替えるから」

「えっ///うん、いいよ」

「陸くん来るんだって!ふふ」


喜んでる美宇が可愛い。

私も、純粋にあんなふううに、、。


>>>>

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る