「ブラームスの交響曲第一番」を聞きながらこの文章を読みました。

冒頭の祝福の場面から一転して、中学時代の苦い記憶から物語がはじまる。
長崎の地が主人公にどんな影響を与えるのだろう…
そこで出会う芽衣さん。
「スクールって言葉。元は暇って意味なんだよ。詳しくは知らないし、おばあちゃんの受け売りなんだけど」
芽衣さんのこの台詞が好きです。
主人公のサボりを肯定するでもなく否定するでもなく、
ただ笑ってその場にいる。

また後編に出てくるある登場人物の
「自分を信じるもとは、私たちの心の中にあるのよ」
という言葉も心に残りました。

たくさんの辛い経験を乗り越えて、
祝福の場面に導かれる主人公の気持ちを考えると胸が熱くなりました。
素敵な小説を読ませて頂きありがとうございます!

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シンオン