愁ひを知らぬ鳥のうた

もざどみれーる

愁ひを知らぬ鳥のうた

雛は鳴いてゐる

我が親の 人にたるるを見ていてゐる

打つ人は くそがどうのと云つてゐる

けたひつのこる米に

どうやら墜ちたものらしい


打たれる度にぼうとする

親鳥はどこまでも翔ぼうとする

しかし我が子はだ翔べぬ

見捨てれば尚更永遠に翔べぬだらう

滑らかなそらの蜜を味はふ事もないだらう


人はじつに恐ろしい──

眞綿まわたくるまる蛇の瞳で

恨みと云ふほのおの鷹の爪を立てる!


だから親鳥は翔ばぬ

たつた一羽の 子を守るために


雛は鳴いてゐる

我が親の 人に打たるるを見て哭いてゐる

愁ひを知らぬ鳥のうたを瞬間いまに求めて

いついつまでも鳴いてゐる……

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愁ひを知らぬ鳥のうた もざどみれーる @moz_admirer

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