プラマイ
顔が痒くて、掻いた。顔にはたくさんの顔ダニという小さな虫が住んでいる。ひと掻きで何匹殺しただろう。
このように僕らは日々の何気ない動作でたくさん生き物を殺しているわけだが
めっちゃ殺している。
芥川龍之介さんの小説に「蜘蛛の糸」というのがある。生前助けた蜘蛛が、死んだ後恩返しに地獄の底から主人公を助け出そうとしてくれる、という場面がある。でも主人公も助けた蜘蛛より殺した虫の数の方が絶対多いだろう。助けようとする蜘蛛を邪魔しにくる他の虫たちはいなかったのだろうか、気になった。
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